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勇者の盾は、もう要らず。  作者: あんころもち
第四歴 勇者の盾、その外出。
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第九話

 ええと、確か渡された地図に……あったあった、これか……へえ、けっこう大きな町だな……いやそりゃそうか、じゃなきゃまっとうな装備なんて仕入れていないだろうし……あれ、待てよ、そうすると……俺、危なくないか(・ ・・・・・・)


 いや、気付いていなかったわけじゃない。だって俺ってば元仲間である勇者一行にすっげぇ殺意抱かれてて、おそらく、いやあの様子だと間違いなく、もうほぼ全ての国や町で指名手配食らってる身だってのはわかってたからね。


 だからいずれはそういう、外への対策なんてものを考えなくちゃいけないとは思っていた、いたんだが……さすがにまだなにも備えられていない。なにせまだ住み始めて十数日ってとこだからね、こんな早く必要になるとは、まさかまさか思わなかった。


 どうしよう。このまんま人の居るとこ、ましてでっかい町なんて入ったら、いやそれ以前に関所なんかで顔さらしたら……ああ、考えるだに恐ろしい。まず間違い無く勇者一行(あいつら)来るじゃん、しかもこっち、おそらく牢屋にぶちこまれた状態で。しかも手足の拘束つき。


 だからなにか、こっちの正体を隠せるもの……身体は、無理だから、えっと、せめて顔……


 あー、こんなことなら、村でなにか、兜あたりでも借りてくりゃあよかった……あ、いや、待て、待てよ……?


 ……。……。よし、えっと、確認……おし、暇潰し用に持ってきたアレ(・・)が役に立ちそうだ、よくやったついさっきの俺、百億点進呈。


 問題は……素材と時間の確保、あと……


「おい、そこのうきうき旅行気分三人組、あ、いや、アラゴさんは違うか、二人組。


ちょっと寄りたい場所が出来た、荷物置いてくから少しここで見張ってろ」


 びっと少しむくれるマラヤを指で制し(少年は慌てて誤魔化していた、恥ずかしかったのかな?)、ちょっとだけ駆け足の急ぎ足で、目当てのものがある、であろう場所に向かった。




 幸い、目当てのものはすぐに見付かり、というかそこらから文字通りもぎ取り、道すがらそれ(・・)にちょちょいっと加工を施し、それをマラヤにからかわれ、少年にいたく感動され、アラゴに少し助言をもらい……そうしているうち、やがてまずの目的地、橋のような雲のたもとまでたどり着いた。


 見ればもう空も、さっさと休めと言わんばかりに暗く、黒く。ああでも、ああしてきらきらと点在するあの光の群れは、いつ見てもきれいだなあ……っと、ぼんやりと眺めている場合じゃないな、ちゃちゃっと夜営の準備をしないと。


「よっし、今日はここで野営だ野営。これ以上進むには、少しばかりお天道様の眠気がひどすぎらぁな」


 三人の首肯。そしててきぱきと、あらかじめ決めていた通りに、自身の役割へと移っていく。


 ちなみに俺の役割は天幕張り。何せこの中で一番力があるからね、それと手順もよく知ってる。昔よくやったからね、色んな場面で。


 ええっと、確か背嚢の中に、確かバラした天幕が入ってたな……お、あったあったこれこれ……っても、うーん……いや、まずは張ってみるか。


 きちんと布を広げて、いくつかの棒で支えて、地面用の敷物して……それからえっと、飛ばされないように、いくつかの縄と外用の布を結んで、こいつらの先に矢じりを結わえて、ちゃんと先を地面に、刺して……あー、木槌が無ぇな……や、いいか、指で。


 ほいこん、こん、こん、と。よし、あとはこの刺すやつを……とりあえずある分全部やっとこう。そのほうが頑丈になるしな。


 あとは、敷物の四方にも、きちんと重り乗っけて、と……よし、これで大体完成。あとはきちんと色々なところの安全確認、と、微調整すれば、とりあえずは大丈夫かな。


 まあ、ここはそんな天気が荒れるってのはめったに無いから、それほど気を張らなくてもいい、が……野生の動物とか、魔物とか出るから、誰か一人は見張りに立たないと、だな。


 うーん、しかし……完成品を見ても……これは……やっぱり……


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