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勇者の盾は、もう要らず。  作者: あんころもち
第三歴 勇者の盾、その服飾。
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第二十話

 ここにいるべきじゃない。ここに自分の居場所は無い。ふと、以前にそう思ったことを、思い出す。


 正直。それは未だ変わっていない。例え、ただ余生を送るだけの、ただの灰燼(かいじん)になった今でも、こんな、まるで日だまりのような場所に、自分はふさわしくないのだ。


 いや。いや。ことここに至って、そんなカッコつけた言い方はよそう──俺が。俺自身が、いたくないんだ。いたたまれないんだ。


 見ているだけで、辛い。ましてそこに入りなどすれば、まるで、もうなにも残っていないはずの身体に、心に、焼けつくようななにか(・・・)が、幾度も幾重にも走り続ける。


 原因は、わかっている。わかっていて、それでも、それでも、振りきれない(・・・・・・)。それぐらい、後ろ暗くて、ちなまぐさい(かこ)を歩んできた。しかも、ほかならぬ自分の意思で。


 そうしなければならなかった。生きるためにはしかたなかった。そんな下らない言いわけ《なぐさめ》など、口にもしないし思うことだってしない。そんな恥知らずを平気な顔で言い放てるほど、俺の顔は分厚くない。


 だからこそ、こんな、こんな平和は。太平は。俺にとって……俺には……


 ……。…………。いや。よそう。これは、この思いは、今の状況にふさわしくない。せっかくの隠居暮らしだってのに、いちいちこう、自分の過去なんぞに振り回されるのは、なんというか、情けない。


 ……うん、だったら、まずは、この後ろめたさを解消……とまではいかなくても、少しでも頭から離れるように、この暮らしを満喫しなくちゃ、だ。


 で、さしあたっては。


「おーう、こらこら、そんな慌てて取りまくるんじゃねえよガキども! 別にこんなん、材料がありゃいっくらでも作れんだ!

 

おら、注文がありゃ聞いてやるから──欲しいやつ、言ってみろ!」


 この、きらきらしている一杯の笑顔たちに──楽しいオモチャを作ってやるとするか!


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