~それぞれの試練~ 五話
一人の少年がタクシーを降り、目の前に鎮座する家屋に対峙する。家屋と言ってもその巨大さは京都の本部以上あるのではないか。実際には京都本部も正確に把握しているわけでもないし、どっちが大きくても彼には関係ないし興味もない。
真夏の午後だというのに、長袖の黒いシャツを着た少年は涼しい顔をしたまま一歩前へ出た。
――試練「柊 良治」――
案内された部屋は広くも狭くもない部屋だった。何とも居心地のよさを感じて、逆に気を引き締める。
この部屋と周囲には今のところ気配はない。視線も感じない。とりあえず問答無用で襲われることはなさそうだ。
入室して五分ほど経った頃、部屋の中央に正座していた彼は気配を感じた。廊下を歩いてこっちへ近づいてくる。そして間もなく襖が開かれた。
「初めまして、党首の立花雪彦です。隼人から話は聞いています。よろしく、柊君」
「初めまして。柊良治です」
入ってきたのは二人。雪彦と、その後ろに白髪の老人。正面上座に雪彦、少し離れた、ちょうど二人を結ぶ直線に垂直な位置に老人が座った。
立花雪彦。九州を統治する者。フレームのない眼鏡をかけた温和な表情。雰囲気は隼人に似ている。年齢は隼人と同じか少し上か。いずれにしろ組織のトップに立つには若い。嘘か冗談かと思ったくらいだったが、瞬時にそれを撤回する。戦士としての本能が告げていた。――今の自分の敵う相手ではない、と。
「隼人から聞いていましたが、確かに若いがなかなかの力を持っているようですね。これなら任せることができそうだ」
「ではこの者に……」
「任せてみようと思う。玄二さん、いいですね?」
「は……」
少々不服そうな老人を圧力で黙らせてからこちらへ向き直る。
玄二と呼ばれた老人が神党のナンバー2なのだろう。しかし不満を抑えるくらいの主従関係は出来ているようだ。もしくは他の組織の人間に内輪揉めを見せたくないのか。
「受けてくれる以上詳しい説明をしないといけませんね。長くなりますが信頼の証としてお聞きください」
「はい」
――その内容はというと。
今から一年半前に前党首であった雪彦の父が亡くなった。死因は心不全。突然の死だったが、雪彦ももう立派に育っていたため何の問題もなくその後を継ぐことになった。しかし上手くはいかなかった。何故なら、彼の方針は父のとは全く正反対だったのだ。積極的に周囲に戦闘を仕掛けていた父に対し、雪彦は和平路線を提唱したのだ。何度も主戦派と話し合いをしたが、結局決裂。九州の三分の二を敵に回すことになってしまったのだ。
しかしそれから硬軟織り交ぜた政策と一年半という時間をかけ、残す勢力は熊本と鹿児島の一部となった。そして今熊本に残った勢力の説得を脇に座る玄二が行っていて、順調に進んでいたらしい。
「――しかしここで鹿児島のほうの勢力が説得の邪魔をしてきているんです。熊本勢が玄二じゃないと信用できないと言っているのを知っているらしく、彼の命を狙っているという情報が入って来ていて、そこで柊君には玄二さんの護衛をしてもらいたい」
「……解りました。しかし護衛なら神党の人のほうが適任かと思いますが」
わざわざ他の組織から人を出してもらってまで頼むことではない。だが返答は躊躇いなく返ってきた。
「ウデの立つものは皆、各地の残存勢力の掃討や周囲の組織の交渉をしていて出払っているんです。こっちも急ぎなのでダメ元で隼人に頼んでみたら了解が得られたということです」
「なるほど」
和平路線が上手くいっているというポーズのためか。そうして、今回に限らず四国などの組織への交渉の成功率を上げたいのだろうと、良治は解釈した。さすがに額面通りに受け取るのは愚かだ。……和弥あたりならありえそうだったが。
「理解が速くて助かります。で、いつもは昼間なのですが、今回は裏をかいて深夜に待ち合わせをする予定しています。場所は熊本城、時刻は明日の午前零時です」
それまではゆっくりしていてください、と言い残すと笑顔で部屋を出て行く。玄二もこちらに軽く会釈をするとその背を追った。
熊本までの交渉役の護衛。
一筋縄ではいかない予感がした。そしてそれは的中する。
その日の夕食から戻ると部屋には布団が敷いてあった。簡単に調べた後、身体を横たえる。夕食にも毒は入っていなく、ここで殺すつもりはないようだ。もしそのつもりなら何らかの行動を既に起こしているだろう。こちらには逃げ場がないのだから。
組織間・個人間での思惑が複雑に絡み合っている以上、誰が自分を狙ってくるかわからない。念には念を入れておいて間違いはないだろう。
一つ息を吐いて思考を切り替える。……自分のことだ。
自分の寿命。もってあと三年程度。『あの力』を使っていけばさらに短くなるのはわかっている。しかし使わざるを得ない事態に陥るのは明白だ。――陰神との決戦が迫っているのだから。
でも、それでいい。敵が討てればそれでいい。その先はいらない、ヤツを倒すことができれば。
一応助かる方法はあるにはあるのは理解している。それも二つ。
だが二つとも自分だけではどうしようもないもの。他人の協力――いや、紛れもなく犠牲――が必要なのだ。
そんなことを選択しようとは思わない。
死に抗いもしない。
ただその時が来たら、笑って逝こう。
その時は彼女は泣いてしまうかもしれない。それだけは少し申し訳ないなと思った。
月が輝く明るい夜。
初夏の熱気は熊本城の敷地内に入ったころから急に途絶え、代わりに強い緑の匂いが充満していた。そして当然結界特有の違和感も。
あと十分もしないうちに日が変わる。
良治は一歩前を歩く老人に足音もなくついていく。
神党本部を出てこの熊本城まで襲撃はない。
おかしい。このままでは無事に到着してしまう。
もしかしたら、広場で交渉する予定の勢力ともども潰すつもりかもしれない。
(――いや)
一応考えていた予想が急激に現実味を帯びてくる。だとすると本部からずっとの『あれ』もそういうことなのだろう。
苦笑し、歩きながらいつもの黒いバンダナを額に巻く。良治にとっての戦闘態勢だ。
一瞬後ろを振り向いた玄二は訝しげな顔をしたが、無言でまた歩き出す。やがて、視界が開けた。
右手で転魔石を発動させ、左手で村雨を握る。
前方には数多の影。武装してるようには『今のところ』見えない。
白い球をしまいながら思った。
(結構キツイ戦闘になりそうだな)
と。
広場の中央にで二人が立ち止まると、待機していた集団が周りを囲む。遠目には見えなかったが、やはり刀や槍などで武装しているのがわかる。
囲まれた二人は身構えるどころか不敵な笑みさえ浮かべていた。……その理由は全然違うのだが、そのことに気付いているのは良治と、離れた場所にいるもう一人だけだ。
「……こやつがわざわざ白神会から殺されにきた柊殿じゃ」
邪悪な笑みで良治へ話しかける玄二。雪彦の前では決して見せたことはなかったであろう醜悪な笑い。それに追従して周囲からも揶揄や下卑た笑い声が上がる。
「すまんな柊殿。ワシらは若のヌルい方針には付き合ってられんのじゃ。ヌシを殺して白神会との楔とさせてもらおう……なにが可笑しい。気でも触れたか」
囲まれてから一度も微笑を絶やさず、一言も発しない黒衣の少年に疑問を持つ。
そして彼は答えた。
「大体のことは気付いていましたから。あなたが内通者で、ここで罠を張ってるだろうということも」
気付いたのは熊本城に入ってからだが、そんなことはおくびにも出さない。それに『いつ』とも言ってないので嘘でもない。
「……ほう、それは凄いのう。しかしこの状況ではどうしようもなかろう。こちらはおよそ三十。三十対一で勝つのは難儀なことじゃ」
「ええ。しかし半分なら何とかなる気はしますね」
その言葉と共に舞い降りる影が一つ。敵に動揺が伝わるのが面白いほどよくわかった。
「……できるなら数に入れては欲しくなかったのだが?」
「そのために監視していたんじゃ?」
月に照らされ頭上から降り立ったのは、中央に赤い宝石を装飾した細身の両刃剣を携えた若い女性。腰まである藍色の長髪を首筋で束ね、その鋭い切れ長の双眸は知性的でありながらも肉食獣を思わせた。
薄いグリーンのシャツとジーンズに身を包んだ美しき剣士は、まるで計算されたような動作で玄二に振り向いた。
その途端、老人の表情が一変した。
「き、如月風花!? 何故……!?」
「――雪彦は全部知っている。……私がここに来た理由は言うまでもないのでは?」
如月。奇しくも隼人に神党のことを聞かれたときに出した名前。それが今、畏怖の象徴として君臨している。
まさかこんな大物が監視しているとは思ってなかった。それなりの使い手だろうと高をくくっていたのだが、どうやら大当たりを引いたようだ。
「ひ、怯むなっ! かの《冷徹なる戦乙女》でも相手は二人、それも女と小僧じゃ、行けいっ!」
「お互い半分ずつだ。いいな?」
「了解」
言って、二人は正反対の方向へ駆け出した。
最初から全力。油断なんてことをすれば即座に命は絶たれるだろう。 迷いは無かった。
走り出すと同時に『力』を解放する。ただそれだけで外見も力も急激に変化した。
肉体は一回り大きく、髪は黒から白へ。両の瞳は金色に輝く。
――半魔族化――
突然の変化に驚いて硬直した二人をすれ違いざまに斬る。刀に血は付かない。良治の溢れんばかりの力が刀を覆っているからだ。そして勿論村雨自体の切れ味も遥かに増していた。
元来この刀は魔族専用の武装。それが紆余曲折を経て白神会へ流れ着き、これを使える数少ない者の中から良治が選ばれたのだった。
いつもの状態では村雨の本来の力の半分も出せないが、半魔族化した今なら完全に引き出せる。
「ぎゃあっ!」
「ぐあっ!」
半魔族化した良治、そして抑えられていた力を存分に発揮する村雨。
この組み合わせに勝てるものはそう多くはないだろう。それを証明するかのように血風の中《黒衣の騎士》が紅い華を咲かせる。
「この悪魔めぇっ!」
あと少しでノルマを達成できるところに一人の巨漢が立ちふさがる。獲物は大振りな野太刀。
「ぬぅっ!」
横に振るわれた刀をバックステップで躱し、振り向きざまに背後から斬りかかろうとしていた男の両腕を切断する。なおも体当たりをしてくる大男の鳩尾に左拳を捻じ込み気絶させ、離れた場所にいた二人の足を風で拘束してから氷系の術で膝までを凍らせ無力化させる。
「……ふぅ」
風花のほうを見ると、まさに舞うように戦っていた。
あの細い剣で、振り下ろされた斧を弾き、力の流れのままに斬りつける。さらに囲まれた瞬間に突風を放ち、身動きの取れなくなったところを各個撃破。
見事な手際。戦乙女と呼ばれる所以がわかった気がする。
脇からきた相手を切り伏せ、良治は急いで駆け寄った。
「――残りの雑魚は任せてくれ。如月はヤツを」
「わかった」
戦場から逃げようとしている一人の老人。言うまでもなく玄二だ。
良治が追っても良かったが、やはり風花のほうが適役だろうと判断し、任せることにしたのだ。
「さて、片付けるか」
――それから一分もしないうちに良治は刀を納めた。
「終わったみたいだな。玄二は?」
「気絶させて転がしてある。すぐに事後処理部隊が来る手筈になっている」
風と共に歩むその姿は、さながら一枚の幻想的な絵画のような美しさ。まさに才色兼備を体現していると言えた。
「それにしても、流れるような動きに効果的な術。そして剣の強靭さ。ルビーを媒体にしているのか? ……っと失礼。年上の女性に対して使う言葉じゃなかったですね。すいません」
今更という気がしないでもないが、謝らずにはいられない。人によって言葉遣いを変える良治だが、さすがにさっきまでのが適切とは思えなかった。
「別に変えなくていい。さっきまでのほうが気安くていいし、お互い対等な立場だと私は認識している。それでいいだろう」
「まぁ、それでいいのなら俺も構わない。じゃあこれからはお互い対等ということで」
「ああ。で、質問の答えだが、そうだ。戦闘中だというのによく気が付いたな。じっくり見てもわからない者がほとんどだというのに」
「やっぱり」
心底感心して微笑んだ。つられるように良治にも笑みが浮かぶ。
媒体にしているということは、彼女の体内にも同形のルビーが埋め込まれているのだろう。そのルビーと剣のルビーとが共鳴して剣の強化につながっている。その強化は普通の退魔士が使うものとは一線を画す。言わば剣内部から強化しているのだ。さらにそのうえで自分の力で外側をコーティングしてやれば――
強化術に限定すればかなり高等な術で、その効果も非常に高い。勿論使用できる人物も限られてくる。
使用するにはまず宝石との相性が良くなければならない。悪いと宝石とリンクできないし、埋め込むことも難しいからだ。仮に良かったとしても、上手く扱えるだけの力量が必要であり、さらに使用する宝石を精製するときには術者の血液を多量に使用するのである。
これだけのことをして初めて使用可能となる術だ。ちなみに良治は相性が良い宝石がないため、この術は使えない。
「こっちも一つ質問をしたい。先程力が――というか、全てにおいて変化したがどういうことだ?」
自分は答えたからそっちもということらしい。元より隠すつもりは良治にはなかった。
「……俺は半魔族でね。ただ力を解放しただけだ」
既に姿は元に戻っている。長時間変化していればいるほど、その分反動が大きくなるのは体験済みだ。今回についてはギリギリ一晩で回復するだろう。
「そうか。……来たな」
予想通り怯えも忌避も見せることなく納得した。そんな気はしていたが珍しい反応に苦笑する。特に気にしていないようだ。
後ろを見ると数人の男たちが黙々と倒れた者たちを運んでいる。死者は全部で五人くらいだろう。出来るだけ致命傷は与えないようにしたが限界はある。そして手加減しすぎれば死ぬのは自分なのだ。一般的な退魔士からすればまだまだ甘いといえる。どうやらそれは隣に佇む彼女もらしかった。
「雪彦から話がある。戻るぞ」
正直なところ、雪彦の話にはあまり興味はなかったが、真相を知るために朝日が出る前に本部へ戻ることにした。
「ご苦労様、二人とも。大事なさそうでなによりです」
一晩明けた日の午後。通された部屋で雪彦と風花が待っていた。相変わらずにこやかな表情を浮かべている。
「いえ、お気になさらず。仕事ですから」
「そうですか。……では今回のことの詳細を説明いたします」
語る内容は良治の予想していたものと大差ないものだった。
玄二が内通していたのを知ったのはかなり前からのことで、泳がせていたら今回何らかの作戦を立てていることがわかった。それを踏まえての作戦だったらしい。つまり良治はエサだったということだ。
必要なのは証拠だから、別にやられてもいいように監視者として風花を配置。良治が倒してくれればそれに越したことはない――隼人に似ているだけあってなかなかのタヌキだ。まるでもう一人の隼人を相手にしているような気にさせられる。
「柊は途中で気付いていたようだ。こっちの思惑も監視も」
雪彦の斜め後ろの柱に背を預けて黙っていた風花が口を挟んだ。
「ほう、戦闘能力だけではないと。隼人も大した人材を持っている」
ふふふ、と笑みをこぼす。そして立ち上がって言った。
「風花も柊君が気に入ったようだし、ゆっくりと滞在していくといい。お互い良い訓練相手になるだろう」
用事があるらしく、そのまま部屋を去って行った。風花はついていかず。二人が残されるかたちになった。
「……白神会には柊くらいの力量の退魔士は多いのか?」
唐突な質問。ちょっと動揺したが笑って返す。
「ぞろぞろいる。それに近いうちに俺を超えそうな友人もいる」
「柊がそこまで言うんだ、さぞかし大した人物なのだろうな。いつか手合わせ願いたいものだ」
「そう遠くないうちに会えるだろうな。そんな気がするよ」
二人は笑いあった。
出会ってまだ半日も経っていないが既にある程度の信頼関係がお互い成り立っていた。それは戦場を共にした仲間でしか得ることの出来ないものだろう。
人はそれを戦友と呼ぶ。
「頼んであった甲斐があったな」
八月の三十日深夜。
夜の中に立つ姿は四名。いつものメンバーだ。
そして視線の先には苦い思いをさせられた悪霊。
舞台は以前と同じ小学校。相手も全く同じだ。
しかしあの時と同じではないのは各々の力量だ。皆一皮剥けたこと実感していた。力試しにはもってこいの相手だ。
「それにしても『夏休みいっぱいは放置しといてください』か。リョージも色々と手を回してるな……」
夏休みまでなら大きな被害は出ないはず。もしも読みが外れて何か起こってしまったなら残りの支部の者で討伐してもらいたい。そう良治は葵に頼んであった。
和弥が感心している。その気持ちは綾華とまどかも同じだ。
きっとこうすることが一番自信をつけることになるだろうと考えて。勿論周囲の被害というリスクはあった。しかし彼らに自信を付けさせることの方が今後に向けて大切だと彼は判断したのだ。
「よし、それじゃ行くか!」
――あれ程苦労した悪霊は二十秒もしないうちにこの世界から消滅した。
九月一日、月曜日。和弥は遅刻間際で教室にたどりついた。
まさか宿題を忘れたままにしておくわけにもいかず、今の今までやっていたのだ。ちなみに思い出したのは悪霊を退治した直後。間に合うわけがなかった。
「おー、久しぶりだなバカズヤ。つーか、夏休み中全然連絡取れないし。少しは学園祭の準備手伝えよなー」
約一ヵ月半ぶりの懐かしい細井の声。どうでもいい。
「そうですよぅ。結構大変だったんですからぁ」
こっちは委員長の声。さすがに少し罪悪感を覚える。
「……悪かった。ちょっと立て込んでたんだ」
机に突っ伏しながら比較的真面目な声で答える。夏休みの開始から終了までほとんどの期間京都で訓練していたのだ。夏休み中にあった学園祭の準備は一度も参加出来なかった。
「ふふ、みたいですね。柊くんから聞きましたよ」
「え、あ、いたのか」
「まぁ、別にいいけどな」
細井が夏休みにくっついたクラスメイトに奇声を上げているのを横目に、いつの間にかいた良治に小さな声で言う。
「……でもかなり力をつけてきたみたいだな。今度真剣勝負してみるか」
悪戯っぽく笑う。珍しく挑戦的だ。しかしその瞳は意外に真剣で驚いた。
「……ああ、やってみるか」
いつかの約束を交わす。自分としても今良治を相手にどれくらい出来るか興味はある。
「くそー! リョージも全く連絡取れなかったし、やっぱり彼女とずっと一緒にいちゃいちゃしてたんだなー! チクショー!」
叫んで教室から飛び出していく細井。毎度のことだった。いつも通り過ぎて誰も声をかけないし追いかけもしない。
「……私たちはこんな日常を守るために戦っているんですよ」
真帆の言葉に和弥は深く頷いて。
「ああ。頑張らなきゃな」
想いを新たにした。
「それぞれの試練」完
こんにちは。これにてそれぞれの試練終了です。
やはりただ目の前のことをこなしていくのではなく、壁にぶつかった時には自分自身を見つめ直すことも大事だと思います。
久しぶりの五話構成で長かったですが皆様お付き合いありがとうございました。
それではまた。




