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EPISODE 33.1

テレビでは地下に取り残された人の短い動画が放送されていた。籠城中の基地で撮影したものをインターネットで地上に送信しているのだ。


「こちら最新の映像です。写っているのは冒険者アイドルの峰恵さんです。拳銃を両手に持っていますね。右手のを窓から外に向けて、あっと発砲しました。外が見えませんが、先の映像と同じであればゴブリンがいるはずです。手前に見えているのは清水さんでしょう。戦闘の支援でレポートができないようです」


彼らは交代で休みながら銃を撃ち続けている。短い動画は何本も送られて来て、技術者、重傷の冒険者、新人冒険者、冒険者アイドル、テレビクルーが協力しあっていることがよくわかる。


ダンジョンの周囲には応援団が集まって峰さんの持ち歌を合唱していた。救助活動の邪魔になるから解散してください、と地下から本人が呼びかけたほどだ。応援してくれてありがとう、でもどうかご自宅で応援してください。その言葉は切実だった。



「大地、眠いならベッドに行こうか」

「うん」


ベビーベッドの枠を外して幼児用ベッドにしたものは椅子くらいの高さで大地は自在に上り下りする。でもすこし小さいように思われた。新しいベッドを買うなら大きめがいいな。それともお布団にしようか。



夫から電話が来たのは早朝だった。私は徹夜でニュースを見ていた。


「大地ならまだ寝てる。帰って来ないんなら、私は今から寝るよ。幼稚園も今日は休ませるね」

「夜には帰れる。ところでメールに書いてた材料って何を買ったの」

「帰ってからのお楽しみ」


さてと義実家にも無事を伝えなきゃ。でもあの家はインターネットがないんだ。電話しなきゃダメかあ。


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