↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
2/8

❈2❈

「熱くないの? その炎ーー」


「熱いけどーー触れるっていうか、燃えない、みたいーー! 」


「ーー対象物以外燃やさない……。紛れも無いな、本物のーー」


「本物の、何? ーーこれ、一体何なのーー!? 」


「慌てなくていい……。天照ーーお前の父親の能力だ。ーーこの世界では存在しないか? 」


「するけど、超能力とかはーー、僕はこんなのーー初めてでっ! 」


「慌てなくて良いと言っただろう? 気を落ち着けろ。冷静になるんだ……。」


「落ち着けってーーあんたのせいだろっ! 」


天成は落ち着きを取り戻していたが、それでもなお体を包む炎は燃えその身に纏うようだった。


「どうしましーーどうかしたんですか? その子たちに何かしました? 天成ーー! 天成くん! その炎ーーどうして!? 炎はあの人に封じていただいていたはず! 」


自動ドアが開き、入って来た教師が冷静さを失った。


「封じーー!? 」


「られていたーー? 」


「封じていたか……。天照がやったんだろ? 無理も無いな、その炎は」


「貴方はーー、! 何故居るのです!? 此処にはーー貴方は居ないはず! 彼方の世界にーー渡っているはずではーー!? 」


「ああ。渡ってーー、来た。」


「ーー『来た』ですか……。なら、お帰りください。ーーもう、私達を巻き込まないでください。」


「巻き込んでいるのは、天照もだろ……。俺だけのせいにするのか? 」


「そうですね、ですが、今は貴方が巻き込んでいるのでしょう? この状況ーー見るからに明らかですよ? 」


「それはーーーーそうだな。確かに、この状況は俺が作り出した……。だが、あいつが望んだことだーー望んだことのはずなんだーー! 」


「望んだ? ーー彼が望んだこと、ですか……。ならば代わりに言います。事をーーこの場を荒らさないでください。あの人は静閑な場を好んでいましたよ。」


「ーーそれも確かだーー、お前はーー? 」


「おや? 判りませんか? 聡明な貴方でも判らないことがあるんですね。」


「似た奴が増えたからなーー、彼奴も言っていただろう? 」


「どの彼奴ですか? 」


「天照のことだ。態とか? 」


「態と? 態々聞きません。」


「そうかーー、蝶々だな? 」


「……。ご明察ですよ。ですが、その呼び方はやめていただけますか? 」


「ああ、そうだったな……。」


「ーー消えた! 」


「消せたっ!? 」


教師たちの会話中も二人は炎を消すことに夢中になっていた。


「消せましたか。ふぅ、ーーもう良いようですよ。」


「みたいだな。」


「あの〜、ーー先生方は、もしかしてわざわざ会話ーー長話していました? 」


「えぇ、その通りです。」


「天照がそうだったからな。」


「……。お二人の会話で? 炎を消していたーーですか? 」


「彼奴は自分の炎くらいコントロール出来る。自分じゃないやつのもだ。」


「そうです。ーーただ、私たちがこうーー言葉を借りますが長話をしていると、よく鎮火していましたからね。」


「成る程。」


「ーー炎は初めてだと言っていたな? 」


「ーーーーはい……。」


「本当に初めてか? 」


「初めてーーです……。」


「ーーその言い方だと判らないな。性格か? 」


「正直に言っていますよ。嘘など無いーーこの子の美点です。」


「先生、『美徳』。」


「いえ、美点で良いのです……。私は長所の話をしたので」


「あ」


「ーー頭良いと、一周回るよね? 」


「それね。俺のいつものこと。だから気にしないでお願い、穴に入りたい……。」


天成の親友でありこのクラスメイトである同級生は、 よく『頭が良くて一周回っている奴』と揶揄されている。


「頭が良いんだから良いじゃん……。」


「それね、お前に言われてもね、」


「僕に言われても何? 」


「割と皮肉……。」


「ーーごめん……。」


「やっぱり天照か。天照だな。ついでにそっちはノアか? 」


「なぜ父の名前をーー? 」


「そちらはノアさんの息子さんですよ。そしてそちらは天照の息子ーー私の息子でもあります。」


「らしいなーー……。お前ら本当に子供つくったんだな。」


「えぇ。ーー何か? 」


「いや、問題がある訳じゃ無い。ただ、感心した。」


「そうですか……。」


「私の息子って? 先生、天成は先生の子だったの!? なら何で今までーー!? 」


「天成くん、斯々然々ですよ。」


「か、かくかくしかじか? 」


「ーーおい、こいつ本当に天照とお前の息子か? 」


「さっきのご自身の言葉、覚えていますか? 」


「…………。失言した。」


「その様ですね。ところでーー」


「? 」


「? 」


「? ーー何だ? 」


「お二人とも、アイスは溶けていませんか? 」


「「あっ!! 」」


炎に加えて長話で、カップに入れられていたアイスはすっかり溶けていた……。

2025.11.6

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。