第83話「最初の絶望の残響」第三部
彼らは無言で頷いた。しかし次の瞬間、レグルスの両足が崩れ落ちた。侵略的な感覚が、まるで脳を鷲掴みにする爪のように、耐え難い痛みで彼の頭蓋骨を砕かんとしたのだ。
(くそっ……またか……!!)
ダイアンヤとテセウキが彼の肩を掴み、なんとか立たせた。めまいに抗いながら、少年は顔を上げ、ミッカの姿を探した。
少女は数歩先で静止していた。今回の精神攻撃は彼女を無視したかのようだったが、彼女の意識は取り返しのつかないほど、高くそびえる地平線に縫い付けられていた。
ミッカの青い瞳は、根源的な恐怖に見開かれていた。短い金髪と藍色のチュニックの裾が、嵐を告げる暴力的な突風に煽られ、宙でコントロールを失ったように鞭打たれている。
ビュオォォォォッ!!
「姉ちゃん!?何が見えてるんだよ!?」ミッコは、革の小さなベストが胸を打つほどの強風の中、腕で顔をかばいながら叫んだ。
「おい、どうしたってんだよ!?」テセウキが風に向かって吠え、レグルスとダイアンヤを引きずりながら苦労して前に進み出た。
ミッコは完全に途方に暮れた顔で彼らを見た。しかし、レグルスもまた全く同じ方向に首を固定していることに気づいた時、その答えは無言のうちに示された。ドラゴの子はまるで催眠術にかけられたように赤い瞳にパニックを光らせていた。冷や汗で麻のシャツが褐色の肌に張り付き、呼吸すら止まっていた。
「レグルス!目を覚まして、レグルス!」ダイアンヤが絶望的な声を上げ、従兄弟を激しく揺さぶった。彼女の白いポニーテールが嵐の中でカオスに舞う。硬直した彼を見る彼女自身の真紅の瞳にも、純粋な苦悶が溢れていた。
集団の凍りついたショックを破ったのは、職人の少年の声帯が空気を切り裂いて放った、張り裂けるような絶叫だった。
「おい!おい!おい!おい!おい!まじかよ!?」
岩山脈の頂。いかなる合理的な尺度をも嘲笑うかのような何キロも離れた距離に、怪物のシルエットがそびえ立っていた。
ゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!
黒い雲を背景に切り取られた、巨大なドラゴンの鱗に覆われた頭部。暗闇に裂けた二つの隙間からは、病的に輝く黄色の瞳孔が覗き、峡谷の底にいる小さな集団を、直接的かつ致命的に見据えていた。
全員の先頭で、アルマの霊体は物理的に不可能な反応を示していた。
ギリッ……
幽霊が、音を立てて歯を食いしばる。肉体を持たないはずの私の存在そのものを否定するかのように、冷や汗がその強張った顔を伝い落ちる。最悪の悪夢の具現化を前にして、誇り高き騎士たる彼女の魂の投射でさえも、制御不能なほどに震えていた。
(あれは……まさか……!!)
ソレル姉妹の精神を、トラウマが完璧なシンクロで引き裂いた。灰の匂い、落ちてくる雲、へし折られる飛空艇の木の音。蒼天が古の世界へと旅立ったまさにその日。彼らの誇り高き艦隊が、あのような神の如き巨躯のドラゴンによって迎撃され、空から一掃された日の記憶。
ドゴォォォォォンッ!!
天頂で耳をつんざくような雷鳴が爆発した。白昼夢のような閃光が、山頂にいるリヴァイアサンの装甲のような鱗の輪郭を照らし出す。
次の瞬間、その獣が動いた。
自身の途方もない重さを嘲笑うかのように、その怪物は捕食者のトカゲのようなグロテスクな敏捷さで山脈を滑り降り、「岩の荒野」を絶対的な衝突軌道で切り裂きながら迫ってきた。
「降りてくるわ!!」ダイアンヤが叫んだ。恐怖でその声は歪んでいた。
「走れ!今すぐだ!!」テセウキが咆哮し、ミッコとミッカの手首を掴んで、絶望的なダッシュで二人を引っ張った。ダイアンヤも全く同じ反射で動き、レグルスのシャツを掴んで引きずった。
ダダダダダッ!!
彼らの足は不規則な地面を猛烈に蹴りつけた。その極限の揺れが精神的なトランス状態の泡を弾き割り、二人の「ドラゴの子」をこの一秒の致命的な緊急事態へと引き戻した。
(くそっ……あたしたちはこんなところで……!?)
人間の脚は狂乱の跳躍と歩みで使い果たされ、距離を稼ごうと必死にもがく。しかし、その深淵のような規模の差は、逃走を滑稽なものにしていた。計り知れない獣が一度跳躍するだけで、谷全体が置き去りにされる。獲物と捕食者の間の空間は、馬鹿げたほどの短い時間で溶けていった。
「俺たちのすぐ上だ!!」ミッコが肩越しに、周囲の光を喰らう黒い影を見上げながら叫んだ。
怪物はその巨大な顎を大きく開け、彼らを丸呑みにしようと、歯の焼却炉を露出させた。
(死ぬ……!?いや、俺が……守る!!)
純粋な生存本能に突き動かされ、レグルスは踵を返し、己の胴体をその大災害の正面に晒した。俺の腕が空気を暴力的に切り裂く。彼の炎の意志に呼応して、マグマが泡立つ巨大な腕が地面から噴出した。
ゴボァァァァッ!!
しかし、その迎撃は、レグルスのそれとは桁違いの、異常なまでの規模でもたらされた。少年の英雄的な努力は、次に起こった奇襲の前では無意味なものとなった。
若者たちはショックで顎を落とした。
ズドドドドドドッ!!
純金の巨大な柱が、鳴り響く轟音と共に地中から垂直に爆発し、宇宙的な獣の顎に容赦ない力で激突し、ドラゴンの巨大な頭部を後ろへと吹き飛ばしたのだ。
直後、周囲の気温が氷河期レベルにまで急降下した。藍色の輝きが峡谷の灰色を押しつぶす。きらめく氷の山々が巨獣の前足に這い上がり、それを飲み込み、獣の四肢を岩盤に直接融合させた。
ピキィィィンッ!
地面の亀裂から、粘り気のある銀色の液体の奔流が制御不能に流れ出し、巨大な翼と胴体を、硬化し始める柔軟な鎖のように絡め取った。彼らの頭上の天空では、輝く幾何学模様が刻まれた黄金の円が夜空に広がっていく。魔法は強烈なピンク色の色調を放ち、破壊的なエネルギーの滝が、拘束された生物の上に容赦なく降り注いだ。
ドガガガガガッ!!
「一体、何が起きてるんだよ!?」テセウキが驚愕に喘ぎながら言った。逃走のペースを少しも緩めることなく、頭だけを後ろに向けてその光景を目撃する。
「あれは……ドラゴの魔法……」ミッカは走り続けながら、呆然と解読した。(私の知っているものとは次元が違う……!)
リヴァイアサンの怒りが基礎の氷を割り、金属の拘束を引っ張った。獣は大地に対して荒々しく身を捩った。怒りの反射で、その喉が発光する。地面すれすれに、全てを喰らい尽くす炎の凄まじい噴火が爆発し、衝撃によって生まれた運動エネルギーの波が、彼らを枯れ葉のように吹き飛ばし、五人の若者をベージュ色の木々の境界に叩きつけた。
ドゴォォォンッ!!
戦闘の火山的な震源地で、灰色の装甲板が、正面突撃をかける戦士の極限の速度で軋み声を上げていた。男は驚異的な跳躍で自らを押し出し、圧縮された空気に向かって拳を放つ。手首の周りの真空から、純金の巨大な槍が鍛造され、彗星の速度で発射された。
黄金の槍は鱗に覆われた頭蓋骨で爆発し、巨獣の気絶を倍増させた。激怒したドラゴンは空に向かって首を伸ばし、男を真っ二つに引き裂こうと顎を大きく開けた。戦士は燃え盛る牙に向かって自由落下していく。浅黒い肌と険しい顔立ちの周りで、長い黒髪が混沌と鞭打つ。彼は恐怖に無頓着なまま、ただ討伐することだけに目を細めた。
最後のミリ秒で、銀色の致命的な破片の雨がモンスターの鼻先に降り注ぎ、その集中力を粉砕して噛みつきを逸らした。完璧な隙を突き、戦士は落下の慣性を利用し、空中の軸で体を回転させて残忍な踵落としを放った。落下中、彼の脚の周りに純金の装甲が形成され、天から落ちる隕石の圧力でドラゴンの頭部の中心に激突した。
ズドガァァァァァァンッ!!
その凄まじい攻撃は獣の頭を岩に叩きつけ、土埃のカーテンを舞い上がらせた。しかし、モンスターの顎は恐ろしいほど開いたままだった。炎の喉の奥から、壊滅的な火の息が発射された。そのエネルギーの反動で戦士は本来の標的から遠くへと弾き飛ばされ、灼熱の炎の奔流が、灰の一直線を描きながら地面を切り裂き、森の境界へと進み、倒れた少年たちを覆い尽くそうとした。
空中で強制的な後退を安定させた「黄金の騎士」の猛烈な視線は、火葬の軌道上に罪のない命を見つけた瞬間、驚愕へと変わった。
「トルネード!今だ!!」男は肺の底から咆哮した。将軍たる絶対の威厳を込めて。
見えない空気の織物そのものが、その命令に絶対的な応答を示し折り畳まれた。何もないところから猛烈な風の奔流が噴出し、地面にいる子供たちを飲み込んだ。絶え間なく流れる渦巻きが若者たちを迎え入れ、彼らを雲に向かって目が眩むような螺旋へと引き上げ、地面を空しく舐める炎から彼らを奪い取った。
ゴォォォォォォォッ!!
螺旋状の重力に吊るされ、一行は唖然として天空を見上げ、誰がこの大気圏の奇跡を操作したのかを理解しようとした。全員のはるか上に、一人の女性の堂々たる姿が浮かんでいた。オレンジ色の髪が嵐の下で輝いている。彼女の下半身は、彼女を空中に留めているサイクロンの絶え間ない突風と完全に融合しており、その瞳には、制御された嵐の穏やかな怒りが反映されていた。
「なぜ、このような場所に子供たちがいるのですか!?」女性はフォーマルで厳しい口調で問い詰め、救出された一人一人を観察した。しかし、彼女の厳格な表情は、若い金髪の少女に視線を固定した瞬間、完全に崩れ落ちた。「アルマ……?」
地上では、リヴァイアサンが後ろ足で岩を引き裂き、その巨大な体を再び持ち上げようと頑強に抵抗していた。青い結晶の嵐がその周囲で暴力的に凝縮し、巨大な筋肉を氷河の抱擁で閉じ込め、地形を揺るがすような咆哮をドラゴンから引き絞った。
拘束の中心地点では、機敏な女性が氷を操っていた。長いツインテールに結ばれた紺色の髪が背中で鞭打ち、彼女は両腕を前に突き出している。鉄の脚当てが魔法の過負荷に耐え、鎧のない胴体は異常なほどの努力で弓なりに反っていた。肘の高さまで氷が融合し、汗と浮き出た血管が、冷気を制御するために要求されるタイタンのような代償を映し出していた。
「そこで耐えろ、アイス!」長いプラチナブロンドの髪を持つ男が、彼女の近くで爆発的なダッシュで風を切り裂きながら叫んだ。彼は荒れ果てた大地に足を根付かせ、己の両腕を引っ張った。太く、信じられないほど高密度の白熱した汗が彼の肌から溢れ出し、純粋な銀の液体の滝を形成した。かすれた咆哮と共に、彼は手のひらを上に向けた。溶けた金属の巨大な水たまりが俺の命令に従い、深淵の波のように上昇し、巨獣全体を純銀の装甲でできた牢獄の下に埋葬した。
「今だ、ユメちゃん!」液体金属の戦士は暗い空に向かって叫んだ。
絶対的な混沌の震源地に、シュールなほどの軽やかさで浮かんでいる彼女がいた。
信じられないほど小柄な少女が、夢の中を散歩するような穏やかな姿勢で漂っている。脆い体は、パステルカラーと繊細なフリルで飾られた不釣り合いなゴシック風の服に包まれていた。布の袖は彼女の小さな手を越えて伸び、壊れた重力と共に揺れ動いている。
銀色の頭の上には、その大きさによって形を崩した雄大な魔法の帽子が乗っており、脈打つ力の繊細で光り輝く光輪と空間を共有していた。美しくも半開きのオッドアイ——輝く黄金色と淡いピンク色——を持つその小柄な少女は、エーテルで装丁されたページを持つ彼女の巨大な魔導書を、自身の周りで優雅に軌道を描かせていた。
彼女はドラゴンの牢獄に向かって、その小さな両腕を伸ばした。言葉は、原初の星々と同じくらい古い言語で歌われる子守唄のように、彼女の小さな唇から紡ぎ出された。
「死せる世界々の塵よ……王の砕けぬ天秤を縁取る白熱の糸よ。怒りの杯よ、その中身を注ぎ出せ。幾千の時代の刃よ、天空より降り立ち、生ける者を分かち、神聖なる光そのものから影を切り離せ」
カァァァァッ!!
巨大で怒り狂う怪物のうなじの上に、見事なルーンの迷宮が黄金の輝きを放って爆発した。ユメはその兵器の配置に対して、二色の瞳をわずかに見開き、彼女の幼い声から絶対的な宣告が下された。
「《黄金の剣》」
ゴゴゴゴゴッ……!!
ルーンの光線が応えた。大気が轟音に屈し、形成されつつある創造の恐怖に道を譲る。完全に燃え盛る黄金で鍛造された巨大な天の剣が、魔法陣の次元の門を越えて実体化し、黙示録的な速度で落下した。それは雲を切り裂き、地面に縛り付けられた鱗に覆われた悪夢の心臓へと、容赦のない盲目の刃を深く沈めた。
ズドォォォォォォォンッ!!
巨大な黄金の刃が標的に突き刺さり、戦場を飲み込むほどの土埃と破片の巨大な雲を巻き上げた。この黙示録的な衝撃によって生まれた隙を突き、風の女性は空中で回転した。
「しっかり掴まってて!」トルネードが叫んだ。
ヒュゥゥゥゥッ……
気流が緩やかな螺旋を描いて降下し、五人の若者たちを険しい峡谷の底へと安全に降ろした。岩の間の不安定な避難所は、ソリドル帝国艦隊の生き残りたちの隠れ家として機能していた。兵士たちは血を流し、灰色の鎧は深くひび割れ、生存者たちの顔には極限の疲労が重くのしかかっていた。
負傷者たちの中から、浅黒い肌を持つ一人の大柄な男が際立って見えた。引き裂かれた軍服の下の堂々たる体格と広い筋肉は、彼が怯える少年たちに向けた優しい眼差しと温かい微笑みとは、劇的なほどに対照的だった。
「どうしたんだい?これは一体、トルネードさん?」男は呟いた。彼がダイアンヤとミッコを支え、深淵の縁から遠ざけるように導くその深い声は、安心感を与える静けさを伝えていた。
「戦場のど真ん中にいたの。ゴールド様が助けろって」嵐のドラゴの子は宙に浮いたまま、親しげな口調で答え、少年たちをその心優しい男に引き渡した。
彼女は、自分と同じオレンジ色の髪を持つ、非常に青白い肌の若い戦士の隣に優雅に着地した。彼の呼吸は周囲の空気を濃く絶え間ない霧へと凝結させており、それがこの場所を怪物の視界から隠していた。
「スチーム、ギデオン、この子たちを頼むわ」彼女は二人に指示を出し、その目は遠くの土埃の雲に固定されていた。「私は前線に戻らなきゃ」
「了解……」スチームがため息をついた。
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