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ドラゴの子  作者: わる
第一幕 - 第九環:『岩の荒野』
83/90

ドラゴの学校「第三回」

白く無限に広がる空間は、しばらくの間、空虚な沈黙に包まれていたが、やがて……


ポンッ! どこからともなく、座り心地の良さそうな二つの肘掛け椅子と、ダークウッドのローテーブルが現れた。まるで最初からそこにあったかのように。その片方の椅子には、少し緊張したような、甘い微笑みを浮かべた金髪碧眼の短い髪の少女が座っていた。


彼女の隣には、彼女にしか見えない半透明の姿で、より大人びて威厳のある彼女自身の姿をした女性が、退屈そうに頬杖をつき、優雅なため息をついていた。


ミッカ:「やっほー、ミッカだよ!」 ※元気いっぱいにカメラに向かって手を振る。


アルマ:※どこか神秘的な声を優しく響かせて。「そして、私がアルマよ!」


二人、目に見える者と見えない者は、存在しないカメラの方を向き、完璧にシンクロした笑顔で大げさに両手を広げた。


二人:「「『ドラゴの学校』第三回へようこそ!!」」


ワァァァァ! 虚無の空間から拍手喝采と紙吹雪が爆発するように沸き起こり、数秒間お祭り騒ぎの音で満たされた後、現れた時と同じくらい突然に消え去った。パチパチパチパチ!!


アルマ:「始める前に言っておくわ! これはスペシャル版よ!」


ミッカ:「そう! つまり、本編のストーリーとは関係ない非正史ノンカノンのお話です!」


アルマ:「このスペシャルは、作者が『本編でわざわざ語るほどでもないな』と思った設定や裏話について解説するためのものよ!」


ミッカ:「なので、もし興味がない方は……」


アルマ:「遠慮なく次のエピソードへ進んでちょうだい!」


ミッカ:「あれ……第三回? お姉ちゃん、第四回じゃないの?」


アルマ:「チッチッチ……」 ※舌を鳴らし、人差し指を振って否定する。「そこが間違っているわ、私の可愛い妹よ……これは間違いなく『第三回』よ」


ミッカ:「でも、クリスマス編は? あれで第四回にならない?」


アルマ:「クリスマス編は『スペシャル』よ」


ミッカ:「でも、私たちが今やってるのもスペシャルじゃないの?」


アルマ:「クリスマス版は『スペシャルのなかのスペシャル』だと思いなさい!」 ※誇らしげに胸を張り、天井を指差す。


ミッカ:「すごい!!」


アルマ:「コホン! とにかく! 今日はみんなが一番気になってるであろうテーマについて話すわよ!」


ミッカ:「今日のテーマは……」


※完全に何もないところからラムザが出現。姉妹のちょうど真ん中に現れた三つ目の肘掛け椅子に座り、穏やかで涼しげな微笑みを浮かべている。


ラムザ:「『第十環』についてです」


アルマ:「先ほどはご自身のエピソード、お疲れ様でした。お兄様」


ラムザ:「ありがとう、親愛なる妹よ」 ※姿勢を正し、教授のような威厳のある超真剣な眼差しを読者に向ける。「本日の『ドラゴの学校』では、このラムザ先生が第十環……ひいてはその唯一のバイオームについてお教えしましょう」


ミッカ:「『樹海』だね!」


アルマ:「第十環全体を囲む広大な沼地であり、全十環の中でも最大のバイオームなのよ」


ラムザ:「樹海の生物多様性は途方もない規模です。世界でも数少ない、霊的生命体が棲息する場所の一つですからね」


ミッカ:「精霊といえば、皆さん知ってましたか? 古の木々(エンシェント・ツリー)は一本だけじゃないんです! 第十環のあちこちに何百本もあるんですよ!」


※突如、さっきまで存在しなかった本棚に寄りかかるようにしてテセウキが出現。その横には、彼の臆病な友人である『樹液の子』も一緒に寄りかかっている。単にカッコつけたいからという理由だけでそのポーズをとっている。


テセウキ:「だが、すべての古の木に『樹液の子』がいるわけじゃねぇんだぜ」


樹液の子:「オカナタ・デ・オグロ!」


アルマ:※ひどく疲れた顔でこめかみを揉む。「誰か翻訳家を呼んできてちょうだい」


作者:「お前が翻訳家だろ」


ラムザ:「テセウキくん、君ももう少し登場の仕方を工夫しなさい。いつも棚に寄りかかって現れますね」


※その指摘にショックを受けるテセウキ。横にいる樹液の子も、顔は空っぽの仮面のはずなのに、なぜか一緒に本気でショックを受けた顔をしている。


テセウキ:「な、ラムザの兄貴だっていつも同じ現れ方じゃねえか!」


ラムザ:「僕はソレルの三人組を完成させないといけませんから……」


ミッカ:「とにかく!!」 ※読者の画面に飛び出さんばかりの勢いで。「『樹液の子』はお母さんの木自身の血、つまり樹液そのものなんです! 木の細胞みたいなものですね!」


テセウキ:「あいつら、そこに住む生命体から離れようとしないんだよな……」


※ダイアンヤがどこからともなく出現。彼女は快適そうに座り、周りの誰よりも賢く見せるためだけに、非常にエレガントな女性用スーツと度の入ったメガネを着用している。


ラムザ:「あなたも登場のパターンを変えませんね?」


ダイアンヤ:※ラムザを完全に無視して。「彼らは沼地そのものの存在と言っても過言ではないわ! 這いずる膿疱と同じようにね! あのネバネバした……」


※画面に、雑に切り抜かれた這いずる膿疱の「.png」画像が貼り出される。そのモンスターはなぜかキャスター付きのオフィスチェアに座っており、何百本もある触手の一本で、湯気の立つティーカップを優雅に持っている。


ミッカ:「それ、本当にふさわしいの? なんていうか……」


ダイアンヤ:「第十環のドラゴも忘れてはいけないわ! アンフィプテレよ! 翼を持ち、ドラゴンの頭を持った蛇のような姿をしているの!」


※またしても静止画の「.png」画像が画面に浮かび上がる。今回はあの威厳あるアンフィプテレだが、これまた学校の椅子に座っている(物理法則にツッコミを入れてはいけない)。そして不可解なことに、翼の先端でティーカップを持っている。


ミッカ:「……もう何も言わないでおくね」


レグルス:「こいつは傑作だな!」


テセウキ:「お前どこから湧いて出た!?」


ラムザ:「ダイアンヤさん、そもそも『ドラゴ』とは正確には何なのでしょう?」


ダイアンヤ:「素晴らしい質問ですわ、ラムザ様……」


アルマ:「ドラゴ、あるいはドラゴンというのは、原初の竜の近縁にあたる生物の『グループ』のことよ。アンフィプテレや、ミッカが序盤で倒したワイバーン、ミッカが序盤で戦ったバジリスク、それから……」


ミッカ:※冷や汗をかきながら。「私の虐殺リストの発表はもうそのへんでいいんじゃないかな……」


ミッコ:※どこからともなく現れて。「でも、古代王国には変な生き物がうじゃうじゃいるぜ! ドラゴもそうだし、何よりエレメンタル(精霊)がな!」


テセウキ:「でお前はどこから出てきたんだよ!? 作者、お前らの登場シーン書くのすらサボり始めてるじゃねぇか!」


作者:「……」


レグルス:「そう呼ばれちゃいるが、エレメンタルは精霊じゃない。あいつらは『概念』だ。マナから生まれ、その概念のままに生きる。だから俺たちは闇のエレメンタルを怒らせるわけにはいかなかったんだ」


アルマ:「それに、樹液の子らとキノコの精霊との間にある生と死のサイクルを壊すわけにもいかなかった。それは『循環のエレメンタル』が大切に守っていたものだからね! つまり、それが意味するのは……」


※気まずい沈黙が白い部屋を包み込む。想像上のタンブルウィード(回転草)が風に吹かれて転がっていく。


ミッカ:「……意味するのは……?」


作者:※彼方から聞こえる疲れ果てた声。「カット! 終わり! 第十環はデカすぎるし、設定ロアが多すぎる! 残りを書くのがめんどくさくなった! 今日のエピソードはここまで!」


テセウキ:「はあ!? まだ始まったばっかりだろ!」


ラムザ:※立ち上がり、見えないネクタイを締め直しながら。「そういうことなら、本日のラムザ先生の授業はこれまでとしましょう。水分補給を忘れずに。それではまた次回」


※画面が唐突に暗転する。


アルマ:「怠惰な作者ね……」

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