開発区域、~一道学園~
「たくさん人は・・・いないかー、だよなぁ、こう言うのものんだけどさみしいな」
「そうですね、ほとんど避難しちゃってる感じですねー」
誠二と太一の二人が避難所に指定されている学園に着いた頃には避難があらかた済んでいて、人もたき火に集まっているくらいでまばらだった。
「まあとりあえず、これでもたべましょう」
そう言って、近くのたき火に座りリュックから病院で見つけてきた高級そうなお菓子をとりだす、細長いチョコレート系のお菓子で包み紙がおしゃれな感じだった。
「うん、やっぱりうまいなこれ」
「そうっすね、こんなのまた食べる機会があるかどうか」
などと話していると小さい女の子がこちらを見ているのに気づいて手を止める。
「誠二さん、ここであげなきゃ俺悪人ですかね」太一が誠二にポツリと呟くと太一が少し思案して頷く。
「はい、あげるよおいしいから味わってたべな」
太一が決心してにっこりと笑ってお菓子を渡すと、パアァッと明るい顔になり何回もおじぎしながら走っていった。
「あぁ、最後の1本だったのに・・・」
そうため息をつくと誠二が自分のお菓子をそっと差し出すと、それをみて嬉しそうな表情になる。
「あぁ、ありがとうございます誠二さん、格好いいっす惚れてしまいそうです」
「いや、俺そんなシュミないから」
などとやりとりをしていると後ろから女性の声がする。
「あの~先程はありがとうございます」
そこ言葉に反応して後ろを向くと、30前後程度のロングヘアーの女性と傍らにさっきの女の子が立っていた。
「いやいや大丈夫っすよ」「そうですよ奥さん、もらいもんですからお気にせず」
2人がそういいながら、いいよいいよと手をふると"ありがとうございます"と何回もおじぎしながら戻っていった。
それを見送ると空を見上げて、
「さてと、2人は無事病院ついたかな、だといいんだけど」
「お知り合いのお2人ですか? 大丈夫ですって今頃病院の方について俺らみたいに明日の救助ヘリまってますって」
太一に励まされると、そうだなと呟いて2人の事を考えながら赤みがかった夕焼けの空を見上げるのだった。




