第2話 「朝の日常」
第2話 「朝の日常」
ひろ「……ここに2人のキャンプ場を作ろう」
ルナ「はい」
たまこ「にゃー」
ひろ「あ、たまこも入れて。2人と一匹」
ルナ「そうですねw」
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ジリリリッ!ジリリリリッ!
目覚まし時計の音。
ルナ「んんっ!」
ジリリリリッ! ……チンッ。
ルナ「……んー」
朝、5時半。
私が起きる。いつもの時間。
ルナ「…………」
ルナ「……ねむ」
もぞもぞ。 もぞもぞ。
ルナ「……ふぁ……」
ルナ「…………」
隣のベッドでひろくんはまだ寝てる。
ひろ「……ぐー…ぐー……」
ルナ「……おはよ」
私は大きくあくびを一つしてから、ベッドから降りた。
トコトコ。 ぱたん。
部屋を出る。
春になったとはいっても、早朝はまだ寒い。
ルナ「……さむっ」
石油ファンヒーターのスイッチを入れる。
ピッ。
そのまま洗面台へ向かう。
顔を洗い、歯を磨く。
鏡を見ながら髪を整える。
ルナ「……んー」
……まだちょっと眠い。
パジャマから着替え、エプロンをつける。
ルナ「よし!」
ルナ「今日もやりますか!」
こねる。
こねる。
こねてパンっ。 こねてパンっ!
ルナ「……ぱんっ!」
食パン。
クロワッサン。
塩パン。
さくらもちパン。
エクスカリパン。
パンを丁寧に丁寧に成形していく。
そしてオーブンで、焼く。
ルナ「……よしっ」
焼いている間に朝ごはんの準備。
ルナ「♪」
ガチャ。 トコトコ。
2号がキッチンに入ってくる。
2号「ルナ、おはようございます」
ルナ「おはよー」
朝ごはんを作りながら、今日の仕事の話をする。
2号「今日はコテージ利用のお客様が2組いますね」
ルナ「あっ!そうだねえー」
2号「私、今朝はコテージを掃除しますね」
ルナ「わあ。たすかるー」
2号「はいっ!」
えっへん!
そんな話をしていると――
ガチャ。 トコ…トコトコ。
ひろ「うぃ……おはよ」
眠そうな顔のひろくんが入ってくる。
ルナ「おはよー」
2号「おはようございます」
私はひろくんと2号のコーヒーを淹れる。
コトッ。 コトッ。
ひろ「…さんきゅー」
2号「ありがとうございます」
二人はコーヒーを持ってソファーへ。
テレビをつけて、二人並んで朝のニュースを観ている。
TV「3年に一度の土器ミュージアムでは……」
ひろ「これでっかい土器だなあー」
2号「そうですねー」
「…………」
でっかい土器らしい。
ひろ「たまこ?……おーい」
ひろくんが部屋を見回す。
ルナ「たぶん7号ちゃんについていったんじゃない?」
オーブンからはパンの焼けるいい匂いがしてきた。
2号「そう言えば早朝にトイレに行った時、7号さんと出ていったの見ましたね」
ひろ「……最近あいつらずっといるなー」
ルナ「もしかして7号ちゃんにとられて嫉妬してるの?」
ひろ「……ずっと一緒だったのに……」
ひろ「…………」
2号「あら? 本気で落ち込んでるんですか?」
ルナ「ふふっ」
ルナ「でも夜は私たちの部屋で必ず寝るでしょー」
ひろ「……ああ……あんなに可愛かったのに……ああ……」
ルナ「……もしもーし?聞こえてないねーw」
2号ちゃんがひろくんを見る。
2号「ああ……子離れできない親ですか……」
ひろ「……あのぬくもりを……もういちど……」
ルナ「パパー?」
ルナ「巣立ちの時ですよー」
ガチャ。 ドドドドド。
4号「パパー、おはよー!」
5号「おはようございまっす!」
6号「おはおは!」
4号5号6号ちゃんが揃って起きてきた。
さっきまで静かだった部屋が、一気に賑やかになる。
ルナ「おはよー」
2号「おはようございます」
ひろ「……ううう」
3人がキッチンの方へ寄ってくる。
4号「いつ嗅いでもいいにおーい!」
5号「今日なにパンなにパン!?」
6号「なに?この棒みたいなパン!ウケるw」
きゃっきゃと騒ぎながら、3人はそのまま洗面所へ向かっていった。
私は人数分の食器を並べていく。
お皿。
コップ。
カトラリー。
いつもの場所に、いつもの人数分。
2号ちゃんがキッチンから私を見る。
2号「ルナ、8号さん起こしてきましょうか?」
ルナ「ううん。寝かせてあげて」
2号「……そうですか」
ドタドタ。 バタバタバタ。 ドタドタ。
4号5号6号ちゃんがキッチンに戻ってくる。
チンッ。
パンが焼けたとオーブンが合図をする。
ヤケタヨー…。
ルナ「お」
私はオーブンを開ける。
焼き上がったパンの匂いが部屋中に広がる。
ルナ「みんな~パン焼けたよー!」
ルナ「ごはんにしよー!」
みんな「はーい!」
ひろ「……たまこぉー」
8号「……ぐう……ぐう……」
3号「……スヤァ……」
朝日が山を照らす。
木々の間から差し込む光。
春の冷たい空気は、露を作り木の葉を濡らす。
森の中から遠くを見つめる1人と1匹。
7号「……たまちゃん……きれい……」
たまこ「……にゃー」




