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【エピソード 072】 変拍子ではない。2拍子と4拍子の違いは、指揮してわかる。不完全小節は、変拍子ではなく、演奏者は小節線が点線の気持ちで。

【前書き】


当作品は、楽典をアニメで表現することを目的としています。文字を読んでアニメを想像する手間があります。楽典以外は余談ですので、次々とストーリーが続くジャンルではありません。


なぜ記号だらけの楽譜を見て、音にできるのか?

初心者向け楽譜の謎解きエンターテインメント。


▼ 登場人物

ハル、ミッツ、ステラ、ショージ …… 同じ中学校の生徒。

ヤッ子 …… 理科教師。プライベートでジャズピアノ。


楽譜の読み方「楽典」を、アニメ脚本っぽい形で説明します。


「一方的に教えるのではなく、疑問に応える」「アニメ表現を利用」です。




オリジナル『ガクテン』または『ガクテン♪ソフト版』から、「余計な物語りは不要、要するに音楽の話だけ」の需要に応えた、楽典に特化したものです。


そのため、ドラマチックな「キャラの魅力」「ラブ要素」「ジョーク」は無くなりました。


唐突に音楽の話になる「教育アニメ(エデュテインメント)」となりましたから、ストーリーには違和感があります。


「再放送や、Blu-rayの、長期的な繰り返し需要の視点から、web小説よりも、アニメで説明したい」という気持ちが強いです。




人間ドラマも含めたもの、アニメ化に向けての自由度(情報の取捨選択、話数変更など)は、オリジナル『ガクテン』または『ガクテン♪ソフト版』を、ご覧願います。


ここでは、人間ドラマなどが無く、音楽の情報だけが、連続している。レトロSFの宇宙食のように、味気の無いものです。



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【エピソード 072】 変拍子ではない。2拍子と4拍子の違いは、指揮してわかる。不完全小節は、変拍子ではなく、演奏者は小節線が点線の気持ちで。


▼ Bパート


ハル、ミッツ、ステラ、ショージ。下校中。公園で、小学生が『茶つみ』で手遊びしている。


ショージ。ステラに向かって「知ってるかい? 『茶つみ』って変拍子なんだぜ」


ステラ「変拍子って、何でしたっけ? 教わったような気がするけど」


ショージ。得意気に「変な拍子ってこと」


ハルとミッツは、耳打ちしながら、にやにやしている。


ショージ「いいか、数えるぞ。♪なつもちーかづく……」


背景に、歌詞と拍の数字。


1行目「な、つ、も、ち、か、づ、く」で7。


2行目「は、ち、じゅ、う、は、ち、や」で7。


3行目「トン、トン」で2。


ショージ「ホラ」


ステラ「本当だ。全然気づかなかった」


ショージ「ついでに、『ハッピーバースデー』も、そうだぞ。♪ハッピ……」


背景に、歌詞と拍の数字。


1行目「ハッピ、バース、デイ、トゥー」で4。


2行目「ユー、ー、ー」で3。


3行目「ハッピ、バース、デイ、トゥー」で4。


4行目「ユー、ー、ー」で3。


5行目「ハッピ、バース、デイ、ディア」で4。


6行目「スーテ、ラ、ー」で3。


7行目「ハッピ、バース、デイ、トゥー」で4。


8行目「ユー、ー、ー」で3。


ステラ「えーっ! これもそうだったんだ」


ショージの鼻に花が咲く。


ミッツ。ショージの肩を、トントンと叩く。「もしもし、ショジショジ君」


ショージ「変な呼び方をするな」背景に、ショージの名前「東海林・翔児( )しょうじ・しょうじ)」と表示。


ミッツ「『茶つみ』も『ハッピーバースデー』も、普通の拍子なのですが、よろしいですか?」


ショージ「だって、今、ちゃんと数えただろう」


ミッツ「『ハッピーバースデー』は、拍を1つ間違えていたし。ねえそうでしょ」ステラに同意を求める。


ステラ「そんな気がしたけど、黙っておいたの」


ショージ。鼻に咲いていた花が萎れる。「そ、そんなぁ……」


ミッツ「『茶つみ』は4拍子、『ハッピーバースデー』は3拍子。ここで楽譜を書くのは大変だから、これを見て」と、肩の後ろを指す。


背景に『茶つみ』と『ハッピーバースデー』の、歌詞と数字。歌詞の休符部分には、休符を書く。スペースの関係で、最初の部分だけ。「1拍目からではない」がわかるように、小節線も書く。


ミッツ「この歌が勘違いする理由は、歌の始まりが1拍目じゃないからだよ」


ショージ「そうだったのか……」


ミッツ「それから、『ハッピーバースデー』では、ここ……」歌詞を指す。「で、1拍多く数えていたよ」ウインク。


ショージ「ステラちゃんも、ウインクして」


ステラ。両目を瞑る。


ハル「歌の始まりから、「1、2、3」と数えたから、おかしくなったんだ」背景に『茶つみ』の歌詞と、正しい拍の数字と、誤りの拍の数字。


ステラ。納得する。


ステラ「4拍子と2拍子って、違うんですか?」


ハル「あ、それは俺も知ってる。教わった」


ステラ。喜んで「ほんとですか! 教えてください」


ハル「これは、指揮をすればわかる。最後の拍は「次の小節の準備」として、大きく腕を上げて、次の1拍目で、「ドン!」と腕を下げる」最後の拍と、最初の拍の身振り。


ハル「『かえるの合唱』を、4拍子で指揮すると……」歌いながら指揮する。「……こうなる。2拍子なら……」歌いながら指揮する。「……こうなる」


ショージ「どっちでも、同じかな」


ミッツ「2拍子か4拍子か、はっきりとこだわっている曲もあれば、あれこれ理由はあるんだろうけど、拍子が変えられている楽譜もあるよ」


ハル「例えば?」


ミッツ「ピアノ編曲された楽譜を見ると、4拍子の曲が2拍子に編曲されてたり、その逆もあったり」


ミッツ「びっくりするのは、ちょっと『かえるの合唱』で説明すると、こんな曲……」楽譜。4/4拍子で、「♪かえるの」が4分音符で1小節。「……があったとして」


ミッツ「ピアノ編曲では……」楽譜。4/4拍子で、「♪かえるのうたが」が8分音符で1小節。「……のようになっていたりするよ」


ハル「そうなると、2拍子でも4拍子でも、どっちでもいいのかな?」


ショージ「「3/4」拍子と「6/8」拍子は、同じだよな。どっちも、音価の足し算をしたら、同じだから」背景に「音価」と、そのフリガナ。五線無しで8分音符が6つ、符桁で繋げない。


ミッツ「違う! 違うよ」背景に楽譜。ショージの思い描いた音符が、分身の術で上下に分かれ、上段は「3/4」拍子、下段は「6/8」拍子。符桁の繋げ方が違う。「ほら、違うでしょ」


符桁を使わない表記を、分身の術で分けて、符桁を使う表記に変えることで、旗の本数と符桁の本数が連携していることを、改めて示す効果がある。


ハル「そう。ギターの伴奏楽譜でも、そうなっていた」背景に楽譜。「3/4」拍子と「6/8」拍子で、8分音符だけでギターのアルペジオ伴奏。符桁の繋げ方と、アルペジオの使い方が違う。


ハル「ところで、この曲は変拍子なのか?」ギターケースから楽譜集を出す。『結婚行進曲』( )メンデルスゾーン)を出す。


ミッツ。ハルの楽譜を受け取り「へぇ、ギター用に編曲されているんだ。こんな曲も弾くの?」


ハル「弾かないけど、知っているから読んだ。これは、「4/4」拍子の曲だろう?」ハ長調からト長調に変わる、不完全小節の箇所を指す。「ここ、拍が足りない小節が続いている。でも、新しい拍子記号が書いていない」


ミッツ「確かに。普通は、拍子が変わるところで、新しい拍子記号を書くもんね」背景に楽譜。「一般的な、拍子が変わる例」として、4分音符ばかり。3拍子、4拍子、2拍子と変わる箇所に、拍子記号がある。


ハル「でも、ここでは拍子記号が書かれていない。何かの間違いかな」


ハル。楽譜集の、該当の場所を、ミッツ達に見せる。背景には、改ページを省いた、見やすい状態にした楽譜を表示する。この楽譜は、ミッツのセリフの「点線だという気持ち」まで表示を続ける。


ミッツ「これは正しいの。ここ、もしも小節線が無かったら、ちょうどいいでしょ」


ハル「それはそうなんだけど」


ミッツ「不完全小節といって、大きな区切りなら、小節線を書くこともあるよ。これは、小節はリズムの区切りなのに、小節の途中で細分したい時に、小節線を使う」


ハル「うーん。どの小節も、同じ拍だから、聞きながら踊れるのに、変な所で拍を崩したら、聞いていて混乱する」


ミッツ「だーかーらー。拍は崩れないの。聞いている人は、小節の途中に小節線があるとは気付かない。気分としては、小節の途中を細分する小節線は、点線だという気持ち。楽譜を読む演奏者向けの区切り線だ」


背景に表示しているままの楽譜の、不完全小節にしている小節線が、色付きのぼんやり点滅をしながら、点線になったり、実線になったりする。


ハル「うーん、よくわからんが、聞いていて拍が崩れないんなら、いいかなあ」


ミッツ「そうだよー。確か、この曲だったら、ホラここも」


ショージ「え? 不完全小節がどこにあるか、知ってたの?」


ミッツ。当然のように「うん、ピアノの楽譜で、弾いたことあるから」


ミッツ「それから……っと、あ、やっぱり」


ステラ「何ですか?」


ミッツ「曲の始まり。8分音符の3連符だから、4分音符が1つ分。たったこれだけの小節でしょ」


ハル「そう、これも気になってた」


ミッツ「最初の小節が3拍足りなくて、こういう場合は、最後の小節で調節して、ぴったりになっている……」最後のページを開く。ちゃんと4拍ある。「……なっていないこともある」


ハル「じゃあ、この楽譜は、間違いなのか?」


ミッツ「あたしが間違えたんじゃない。文句があるなら、出版社に言いなさいよ」


ミッツ「でも、まあ、ぴったりにならない楽譜も、多いけどね」


次回は …… 【エピソード 073】 不完全小節でリピートしても、聞いている人には気付かれない。トレモロを、トロンボーンとギターで。ギターのトレモロの指が気持ち悪い。巻き舌や、のどちんこ。口笛のタンギング。



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