【エピソード 067】 コードの「D/A」は、「D」「A」どっちのコードか。根音以外をベース音に。ギターで使わない弦。最も低い音なのに、ベース音にしないのは、ベースのメロディ。
【前書き】
当作品は、楽典をアニメで表現することを目的としています。文字を読んでアニメを想像する手間があります。楽典以外は余談ですので、次々とストーリーが続くジャンルではありません。
なぜ記号だらけの楽譜を見て、音にできるのか?
初心者向け楽譜の謎解きエンターテインメント。
▼ 登場人物
ハル、ミッツ、ステラ、ショージ …… 同じ中学校の生徒。
ヤッ子 …… 理科教師。プライベートでジャズピアノ。
楽譜の読み方「楽典」を、アニメ脚本っぽい形で説明します。
「一方的に教えるのではなく、疑問に応える」「アニメ表現を利用」です。
オリジナル『ガクテン』または『ガクテン♪ソフト版』から、「余計な物語りは不要、要するに音楽の話だけ」の需要に応えた、楽典に特化したものです。
そのため、ドラマチックな「キャラの魅力」「ラブ要素」「ジョーク」は無くなりました。
唐突に音楽の話になる「教育アニメ(エデュテインメント)」となりましたから、ストーリーには違和感があります。
「再放送や、Blu-rayの、長期的な繰り返し需要の視点から、web小説よりも、アニメで説明したい」という気持ちが強いです。
人間ドラマも含めたもの、アニメ化に向けての自由度(情報の取捨選択、話数変更など)は、オリジナル『ガクテン』または『ガクテン♪ソフト版』を、ご覧願います。
ここでは、人間ドラマなどが無く、音楽の情報だけが、連続している。レトロSFの宇宙食のように、味気の無いものです。
◆ ご感想を頂けると嬉しく思います。ログイン不要ですので、お気楽に一言をお願いします。
◆ 「評価」はログイン必要ですが、「感想」はログインせずに、どなたでも書けます。
【エピソード 067】 コードの「D/A」は、「D」「A」どっちのコードか。根音以外をベース音に。ギターで使わない弦。最も低い音なのに、ベース音にしないのは、ベースのメロディ。
▼ Bパート
ハルの自宅。
このBパートは、ハルの自室場面だけなので、気分転換に、他の登場人物の自宅の場面を挿入しても良い。
自室でギターを弾いている。父親が入って来る。
ハルはベッドに座っているので、父親は勉強机の椅子に座る。
ハル「ここ、コードが2つ書いてあるけど、どっちを弾けばいいの?」ギター弾き語りの楽譜には、「D/A」と、横並びの表記。
父親「これは、Dはコードで、Aはベース音だ」
ハル「ベースと合奏なの?」
父親「いや、そうじゃない。ギターでコードを鳴らす時、「ラを一番低い鳴らし方で」という指示だ」
父親「これは「分数コード」といって、本当は、分数のように上下に書きたいが、こうして左右に書くこともあるんだ」
ハル「分数?」
父親「そう。計算しないが、分数っぽく上下に書く。上の方には普通のコードネームで、和音の指定。下の方にはベース音で、単音の指定。ここでは「A」は「ラ」の単音だが、「A」と書けばコードにも使えるから、勘違いを誘う」
ハル「ベースギターで、コードは弾かないの?」
父親「ここで言う「ベース」は、楽器の「ベースギター」じゃなく、「ベース音」の意味だ。だから、必ず単音だ」
補足として、「お父さんは、アッパー・ストラクチャを知りません」「アッパー・ストラクチャは、第12話で、話題になります」を表示する。
これにより、視聴者に「必ず単音」以外の表記があると、予告できる。
ハル「え? コードのDは、「レ、ファ♯、ラ」が鳴っていれば、いいんじゃない?」
父親「和音構成音はそうなんだが、特別に「最も下の音」だけ指定することがある。それがベース音。ほら、楽譜でも、そうなっているだろう」楽譜は「4/4拍子」で8分音符のアルペジオ。
ハル「まあ、そうだけど、Dを押さえたら、自然にそうなるでしょ。第6弦は押さえなくて、ミは和音構成音じゃないから、第5弦のラが最も低い音になる」
父親「ところが、ただのDが書いてある場所なら、一番低い音はレのはずだ」
ハル。確かめる。「あ、ほんとだ。気付かなかった」楽譜。レで始まる小節ばかり。ここも、ここも、ここも。
父親「これからは、楽譜を読む時に、コードを押さえて楽譜の通りに弾くだけでなく、コードネームとベースの関連を見ると、納得できるよ」
ハル「あれ? これは、ただのDなのに、レよりも低いラが使われている」楽譜。3拍目に5弦のラがある。
父親「ああ、これは、和音の一部というより、ベースのメロディだな。ギターなのに、ベースギターの演奏も兼ねている」
父親「ギターじゃなくて、ピアノなら、ソロ演奏なのに、ベースでメロディができる」
ロックンロールのベースのメロディ。「ド、、ミーソラソ」を父親がギターで弾き、ピアノ演奏に滑らかに移動し、エレキベースを含むバンド演奏に滑らかに移動する。
ハル「そんな風に、ベースでメロディを演奏すると、どれが和音のベース音なのか、わからないよ」
父親「そうだな。まあ、今のは、比較というか、わざとややこしい例を出した。簡単に、メロディっぽい、よく使われるといえば、これだな」
父親。軽く演奏。コードのDで、「4弦、1から3弦」の繰り返しをする。コードのDで、「4弦、1から3弦、5弦、1から3弦」の繰り返しをする。
父親「このうち、ベースはこの演奏だ」4弦と5弦を交互に。
画面の下部に、コード図。鳴らした瞬間の弦は色が変わる。弦の全体の色が変わるのではなく、押さえたフレットの右側、振動する範囲だけ色が変わる。
画面の上部に、楽譜。文字の「1から3弦」「4弦」「5弦」を差し棒で示しておく。鳴らした瞬間の音符は、色が変わる。
父親「だから、ここは、ただのDでいい」
父親「だが、こうする時は、「D/A」と書く」5弦をベースにした「5弦、1から3弦」の繰り返し。
父親「ストロークで弾く時は、和音構成音が鳴っていればいいってだけじゃなく、一番低い音に気を付けるといいな」
父親。ノートにコードポジションを書く。Dでは5弦と6弦に×、D/Aでは5弦を○の開放弦にする。
父親「コードを押さえた弦は、必ず弾く。では、押さえていない弦は、弾くのか、弾かないのか」このセリフと共に、コード図に説明の矢印が表示される。
父親「ここにマルがあれば、開放弦といって、押さえていないけど弾く」コード図の4弦に「開放弦」と、そのフリガナ。
父親「ここにバツがあれば、この弦は弾かない」
ハル「必ずしも、6本の弦の、全部を弾けばいいってもんじゃないんだ」
父親「そうなんだ。出版社によって、うーん、銘柄によってと言った方がいいかな、押さえていない弦に、「○」や「×」が書いてあるものと、書いてないものがあるんだ」
ハル「このコード表を使うのは、和音構成音とかを、よく知らない時期だから、僕もそうだけど、押さえない弦こそ、弾くのか弾かないのかを明示してほしい」
父親「普通は、ベース音は、コードの根音を鳴らす。でもな、時々、根音以外をベース音にしたい時がある。作曲者のこだわりだな」
ハル「そんなに違うもんかな」
父親「人によっては大した違いは無いと感じることもあるし、でも、そのほんのちょっとが、気付かなくても、なんかいいもんさ。料理の隠し味みたいなもんだ」
父親。楽譜で、「C、G7、C」と「C/G、G7、C」を書く。「これは完全終止のコード進行だが、ただのCよりもC/Gを使った方が、ぐっと終止感が強い」
ハル「ほんと?」
父親「本当さ。今度、多岐ちゃんの所に行ったら、確かめてみるといい」背景にミッツの顔を描き「蜜霧多岐(みつきり・たき)」「ハルの従姉」と添える。
ハル「わかった」
次回は …… 【エピソード 068】 『アルルの女』の『メヌエット』が、カノン進行を使わない理由を推測。ベースのメロディ。
◆ ご感想を頂けると嬉しく思います。ログイン不要ですので、お気楽に一言をお願いします。
◆ 「評価」はログイン必要ですが、「感想」はログインせずに、どなたでも書けます。




