【エピソード 065】 調号を見て、長調と短調の音階スライドを合わせる方法。長調と短調の判別に、「最後の音が」と教えた理由。
【前書き】
当作品は、楽典をアニメで表現することを目的としています。文字を読んでアニメを想像する手間があります。楽典以外は余談ですので、次々とストーリーが続くジャンルではありません。
なぜ記号だらけの楽譜を見て、音にできるのか?
初心者向け楽譜の謎解きエンターテインメント。
▼ 登場人物
ハル、ミッツ、ステラ、ショージ …… 同じ中学校の生徒。
ヤッ子 …… 理科教師。プライベートでジャズピアノ。
楽譜の読み方「楽典」を、アニメ脚本っぽい形で説明します。
「一方的に教えるのではなく、疑問に応える」「アニメ表現を利用」です。
オリジナル『ガクテン』または『ガクテン♪ソフト版』から、「余計な物語りは不要、要するに音楽の話だけ」の需要に応えた、楽典に特化したものです。
そのため、ドラマチックな「キャラの魅力」「ラブ要素」「ジョーク」は無くなりました。
唐突に音楽の話になる「教育アニメ(エデュテインメント)」となりましたから、ストーリーには違和感があります。
「再放送や、Blu-rayの、長期的な繰り返し需要の視点から、web小説よりも、アニメで説明したい」という気持ちが強いです。
人間ドラマも含めたもの、アニメ化に向けての自由度(情報の取捨選択、話数変更など)は、オリジナル『ガクテン』または『ガクテン♪ソフト版』を、ご覧願います。
ここでは、人間ドラマなどが無く、音楽の情報だけが、連続している。レトロSFの宇宙食のように、味気の無いものです。
◆ ご感想を頂けると嬉しく思います。ログイン不要ですので、お気楽に一言をお願いします。
◆ 「評価」はログイン必要ですが、「感想」はログインせずに、どなたでも書けます。
【エピソード 065】 調号を見て、長調と短調の音階スライドを合わせる方法。長調と短調の判別に、「最後の音が」と教えた理由。
ヤッ子「楽典は、自分だけで楽譜を読むことに役立つ」
ヤッ子「音楽理論は、会話に役立ち、作曲に役立つ」
ハル「あれっ、転調って、ミッツから聞きました。ゲオルギアの話で」
ヤッ子「ゲオルギアは、怪しい商品の、あの店だな」背景に、第5話の店の景色を表示する。
ハル「長調なのに、短調の特徴が出たら、短調に転調したのかの判断が難しい」
ハル。受け取った、短調の音階スライドを見る。「なるほど、ラからラまでですね」
ヤッ子「そうだ。音階は「どこから始まって、どこで終わる」も大切だからな」
ハル「ファとソに、右向きのカーブ矢印が付いていますね。調号でこれが白鍵だったら右隣にする♯が付いて、調号でこれが♭だったら右隣にするナチュラルが付くんですね」
ハル「もし、音階スライドのファやソが、調号で♯だったら、どうなるんですか?」
短調の音階スライドで、嬰ト短調に合わせる。
ヤッ子「その場合は、ファやソが、ダブルシャープになる」背景に、ダブルシャープの説明。「ナチュラルの白鍵の、右隣の右隣」「黒鍵になるか白鍵になるかは、場合による」を添える。
ハル「何だか、強引な感じですね」
ヤッ子「教科書には、長調の音階は1種類なのに、短調では3種類あると書かれている。3種類を覚える必要があると考えたらうんざりするが、半音高くすることが、よくあるってだけだ」
ハル「そういえば、音階って「よく使う音高を選んだもの」でしたね」
ヤッ子「そこで、主要三和音も、主音から数えて1番目と4番目と5番目の、主音と下属音と属音を根音とした、主和音と下属和音と属和音なんだ」
背景に楽譜。上段に長調、下段に短調。それぞれで、「主音」「下属音」「属音」と、「主和音」「下属和音」「属和音」を示す。
音階スライドを、長調と短調の2つを表示する。それぞれに、「主和音」「下属和音」「属和音」を、それぞれに「根音」「3度音」「5度音」で示す。
ヤッ子「転調する前は短調だから、短調の音階スライドのラを、Dに合わせる」
ヤッ子「そこで、『ハバネラ』の調号を見ると」
ハル「調号は♭が1つですね。主和音の探し方は、曲の終わりの音ですよね。ここは、曲の終わりではありませんよ」
ヤッ子「確かに曲の途中だが、「休憩の区切り」というより、「いったん、ここで終わった感じ」だろう。だから、それが主音で、Dの鍵盤に、音階スライドのラを合わせるんだ」
ハル「区切りの終わりの瞬間に、調号が変わっています」
ヤッ子。微笑んで、芝居じみた演技で。「うーん、困ったな。では、これまでの主音は何か、主和音は何か、どうやって特定するんだ?」微笑みながら、ハルに答えを促すように見る。
ハル「最初の音ならどうです? これって、「レ、ファ、ラ」の和音ですから、それが主和音だと思うんですか」
ヤッ子「どうして、「レ、ファ、ラ」なんだ?」
ハル「コードに使われている音、「和音構成音」でしたっけ? それをオクターブ違いで移動するって、よくありますよね」
ハル「楽譜を見たら、レ、ラ、ファが順番に鳴っています」
ヤッ子「分散和音、アルペジオとも言う」
ハル「そう、和音が分散して鳴っている。レ、ラ、ファを、オクターブ違いの移動をして、積み重なるようにしたら、「レ、ファ、ラ」になります」
ハル「あー、ややこしい。「レ」の鍵盤に、音階スライドの「ラ」を合わせるなんて言い方をすると。えーっと、英語で「D」の鍵盤に、音階スライドの「ラ」を合わせるって言えばいいかな」
背景に、『ハバネラ』の最初の分散和音の、和音構成音のオクターブ移動。玉の中に「レ」などの音名を書き、オクターブ移動した転回形を、いくつか横に並べる。「隙間が無いので、これが基本形和音」と指す。
ヤッ子「「音名」と「階名」の違いは、知っているだろう?」
ハル「はい。音名は、鍵盤にマジックインキで書いて良い。階名は、音階スライドに書いてあるもの……。あっ、そうか、鍵盤モノサシに、音名を書けばいいのか」
ハル。念のため、ヤッ子を見る。ヤッ子が笑顔で頷いたので、鍵盤モノサシの白鍵部分に、英語の音名を記入する。
ハル「これが主和音だと思います。主和音がわかれば、主音もわかって、調の特定ができます」
ヤッ子「その通りだ」
ハル「ヤッ子先生は、「最後の音で特定」って教えてくれましたが、最初の音でも特定はできますよね」
ヤッ子「もちろん、そうなのだが、最後の音を使うように教えたのは、理由がある。楽譜が無い時に、耳で聞いて、楽器の音を出して確認する場合だ」
ハル「耳コピですね」背景に「耳コピ」と「耳で聞いた音を頼りに、楽器で演奏したり、楽譜を書くこと」と表示。
ヤッ子「音楽に不慣れな時期に、和音を特定するのは難しいだろう?」
ハル「そうですね」
ヤッ子「メロディを特定するのも難しいが、和音の特定よりは、メロディの特定の方が簡単だ」
ハル「はい」
ヤッ子「歌の終わりでは、メロディが主音のことが多いが、歌の始まりでは、主音以外から始まることも多いんだ」
ハル「あっ、そうか」
ヤッ子「歌の始まりは主和音で始まることが多いが、和音の特定が難しい。ではメロディでと思っても、メロディの始まりは多彩。だから、歌の終わりを使おうって教えたんだ」
ハル「そこまで考えていたんですね」
ヤッ子「そこで、この曲の主音は、Dの鍵盤だと、特定ができた」
ハル「じゃあ、なぜDの鍵盤に、ラを合わせたんですか?」
ヤッ子「音階スライドは、長調と短調と、2つあるだろう。Dの鍵盤に、長調のスライドの「ド」を合わせるか、短調のスライドの「ラ」を合わせるか」
ハル「どっちのスライドを使うのか、見分ける方法は?」
ヤッ子「調号と合っているかだ」背景に調号の図をいくつか。指し棒で「ト音記号などとセットで書かれている、♯や♭が「調号」です」と記す。
ヤッ子「長調のスライドの主音の「ド」を、鍵盤の主音の「D」に合わせると、調号と合わないだろう? 短調の主音の「ラ」を「D」に合わせると、調号と合う」
ハル「あ、本当だ」
ハル「吹奏楽部の見学に行った時、調号の最後の♯や♭に、音階スライドを合わせるって聞いたんですが、長調だけですか?」第4話の場面を思い出す。
ヤッ子「おっ、いい情報を持っているな。最後に、何を合わせるのか、具体的に、何だ?」
ハル「はい。ええーっと」鍵盤モノサシの裏に自分で書いていた、メモを見る。
ハル。棒読みのように、メモを読む。「最後の♯に、音階スライドのシを合わせる。最後の♭に、音階スライドのファを合わせる」
ヤッ子「素晴らしい。その情報は、長調にだけ有効なのか、短調でも有効なのか」
ハル「どうなんでしょう」
ヤッ子「これは、「言われてみれば、当たり前だね」なんだが、どっちでも使える」
ハル「そうなんですか?」
ヤッ子「なぜなら……。なぜだと思う? ヒントは「長調と短調の違いは、要するに何か」だ」
ハル「ええーっと。ドで終わる、ラで終わる」ちょっと考える。
ハル。謎解きができて、安堵の表情。「音階スライドの、区切りが違うだけ。「どこから始まって、どこで終わる」が、違うだけ」
ヤッ子「そうだ! その通り! さあ、詳しく説明してみよう」
次回は …… 【エピソード 066】 はっきり転調と、一時転調。『月の光』は、フォルテからデミヌエンドか、ピアニシモからクレシェンドか。最もわかりやすい書籍は? ヤッ子がハルに心配。
◆ ご感想を頂けると嬉しく思います。ログイン不要ですので、お気楽に一言をお願いします。
◆ 「評価」はログイン必要ですが、「感想」はログインせずに、どなたでも書けます。




