【エピソード 064】 短調の音階スライド。転調は何が変わるか。「主音の音名が変わる」か「長調と短調が入れ替わる」の、どちらで転調。音階スライドの位置か、短調と長調の音階スライドを交換で転調。
【前書き】
当作品は、楽典をアニメで表現することを目的としています。文字を読んでアニメを想像する手間があります。楽典以外は余談ですので、次々とストーリーが続くジャンルではありません。
なぜ記号だらけの楽譜を見て、音にできるのか?
初心者向け楽譜の謎解きエンターテインメント。
▼ 登場人物
ハル、ミッツ、ステラ、ショージ …… 同じ中学校の生徒。
ヤッ子 …… 理科教師。プライベートでジャズピアノ。
楽譜の読み方「楽典」を、アニメ脚本っぽい形で説明します。
「一方的に教えるのではなく、疑問に応える」「アニメ表現を利用」です。
オリジナル『ガクテン』または『ガクテン♪ソフト版』から、「余計な物語りは不要、要するに音楽の話だけ」の需要に応えた、楽典に特化したものです。
そのため、ドラマチックな「キャラの魅力」「ラブ要素」「ジョーク」は無くなりました。
唐突に音楽の話になる「教育アニメ(エデュテインメント)」となりましたから、ストーリーには違和感があります。
「再放送や、Blu-rayの、長期的な繰り返し需要の視点から、web小説よりも、アニメで説明したい」という気持ちが強いです。
人間ドラマも含めたもの、アニメ化に向けての自由度(情報の取捨選択、話数変更など)は、オリジナル『ガクテン』または『ガクテン♪ソフト版』を、ご覧願います。
ここでは、人間ドラマなどが無く、音楽の情報だけが、連続している。レトロSFの宇宙食のように、味気の無いものです。
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【エピソード 064】 短調の音階スライド。転調は何が変わるか。「主音の音名が変わる」か「長調と短調が入れ替わる」の、どちらで転調。音階スライドの位置か、短調と長調の音階スライドを交換で転調。
ヤッ子「短調には、音階が3つもあって、ややこしいと思わないか?」
ハル「あ、思う思う、思います。なになに的短音階ですね。メロディ的短音階とか」
ヤッ子「簡単に言えば、「よく使う音高」が、短調では多いのだが、どんな風によく使うのかの説明のために、3種類あるってことだ」
ヤッ子「私にとっては、ソに♯を付けたいことがとても多い、ファにも♯を付けたいことも少し多い。私は、単純に「そのようなことが多い」と思うだけだが、「なぜなのか」の理由で命名した」
音階スライドの「ソ」を、カーブの矢印で「半音上げたいことがとても多い」を表示する。
音階スライドの「ファ」を、カーブの矢印で「半音上げたいことが少し多い」を表示する。
ヤッ子「どんな時に、なぜ使いたくなるのかの意味から、「自然短音階」「和声短音階」「旋律短音階」の3種類だ。♯やナチュラルを、短調のダイアトニックコードに付けることもあるし、メロディに付けることもある」
ヤッ子「だから、臨時記号が付いても、ダイアトニックコードは音階に選ばれた音だけってことに違いない」
ハル「増えたら、「よく使う」じゃなくなる。結局は、全部が「よく使う」じゃないかと思います」
ヤッ子「ははは、まあ、そうだな。短調では、「ソ」を「ソ♯」にすることがあるが、長調では「ソ」のままだ。長調なのに「ソ♯」が使われたら、「長調なのに、短調の特徴がある」と思う」
ハル「あ、それが、第6話で、ステラから質問のあった「長調と短調」の話で出た、「短調の特徴」ですか」
ヤッ子「そうだ。ただし、短調の特徴でもなく「ソ♯」が使われることもあるがな」
ハル「楽典って、「そういう場合もある」が多いですね」
ヤッ子「第1話で、楽典と音楽理論は、一部の重なりがあると言ったな。これまでの話での「そういう場合もある」というのは、どちらかと言えば、音楽理論の話だ」
ヤッ子「実は、楽典は、音の高さを表す上下方向と、時間の経過を表す音価の、2種類の表記だけなんだ」背景に、1段の楽譜。上下方向の矢印で「音の高さ」、右向きの矢印で「時間経過」を表す。
ヤッ子「そこに、音楽理論の「よく使う」の、和音や調や、その他のあれこれの「便利なもの」の説明が、膨大になっている。楽典と共に、膨大な「よく使う」が、負担になる」
ハル「このアニメは、余談も多いですが、楽典の「よく使う」「便利なもの」の説明も多いですね」
ヤッ子「第1話で、楽典と音楽理論の話をしたが、ざっくりと、大雑把に、乱暴な言い方をすれば、楽典は「上下方向と右方向」で、音楽理論は「よく使う」だ」
ハル「すごい。視聴者から「それは違う」の批判をされそうですが、僕が欲しいのは、そういった分類の情報です」
ヤッ子「導音は、「主音の半音下」だから、イ短調ではシャープが付き、ハ短調ではナチュラルが付く」
ハル「主音の、半音下を含ませるから、そうなるってことですね」
ヤッ子「だから、ここで臨時記号が使われても、転調したのではない」
ハル「転調?」
ヤッ子「ああ、そうか、早坂君には、まだ転調の話をしていなかったか」
ヤッ子「要するに、調の名前が変わることだ。「ハ長調」なら「ハ」と「長」の、どちらかが変わるのが、転調だ」
背景に図を表示。スロットマシンのように、「主音の音名」と「長短」が入れ替わる。指し棒で「どちらかが変われば、転調」を表示する。
ヤッ子。本棚から『ハバネラ』(ビゼー)の楽譜を出す。
ヤッ子「ここで、調号が変わっているだろう。このように、曲の途中で調が変わることが、転調だ」転調の前後を演奏する。
ハル「なるほど」
ヤッ子「音階スライドがあるだろう。あれの、ドを合わせる鍵盤はどこか。この曲で、転調した後は、Dの鍵盤に合わせる」音階スライドのドをDに合わせる。
ハル「調号に♯が2つありますから、音階スライドでもその通りですね」
ヤッ子「Dの鍵盤が主音なのは、曲の最後がDの鍵盤で終わっているからだな。そこで鳴っている和音はメジャーコードだから、キーはDメジャーだ」セリフの前から、背景に「キーはDメジャー」と表示しておき、セリフに合わせて色が変わる。
ヤッ子「日本語で言えば、ニの鍵盤で終わり、長和音だから、ニ長調だ」背景に、「調はニ長調」と表示。「キーはDメジャー」と並べる。
ハル「長調と短調の話の通り、長だらけですね」
ヤッ子「そうだな。では、転調する前はどうか。短調だから、短調の音階スライドをプレゼントしよう」短調の音階スライドを渡す。
長調の音階スライドは、「ド」から「ド」までの1オクターブ。短調の音階スライドは、「ラ」から「ラ」までの1オクターブで、「ソ♯」と「ファ♯」は、控え目に書いてある。
ハル「すごいですね。まるで、今日はこの話をすると知っていたかのように、用意していたんですか?」
ヤッ子「まあ、そういうことにしておいてくれ」
ハル「要するに転調は、音階スライドの位置がズレたり、短調と長調の音階スライドを取り替えることですか?」
ヤッ子「さすがだな。その通りだ」
ヤッ子「短調と長調の、どちらの音階スライドを使うか、どの位置に音階スライドを合わせるかというのが、転調であり、楽典だ」
ヤッ子「転調の前後で、「どの調から、どの調に」という関係には、名前が付いていて……」
ハル。言葉を挟む。「兄弟の関係とか、親子の関係とかですか? ある人からは親でも、ある人からは姉だったり」
ヤッ子。微笑む。「そうだ。その間柄には、たくさんの名前があるだろう。転調にも名前があり、音楽理論だ」
ハル「うーん……。これまで、たくさんの話を聞きましたが、楽典は簡単で、音楽理論は難しい」
ヤッ子「その感想も、正しい」
次回は …… 【エピソード 065】 調号を見て、長調と短調の音階スライドを合わせる方法。長調と短調の判別に、「最後の音が」と教えた理由。
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