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【エピソード 059】 フェルマータは「延ばす記号」ではなく「停止記号」だから、違う音価に付いても大丈夫。手拍子は、全部の声部、全部の段で、全員が同時にという、大前提がある。楽語の混乱は多い。

【前書き】


当作品は、楽典をアニメで表現することを目的としています。文字を読んでアニメを想像する手間があります。楽典以外は余談ですので、次々とストーリーが続くジャンルではありません。


なぜ記号だらけの楽譜を見て、音にできるのか?

初心者向け楽譜の謎解きエンターテインメント。


▼ 登場人物

ハル、ミッツ、ステラ、ショージ …… 同じ中学校の生徒。

ヤッ子 …… 理科教師。プライベートでジャズピアノ。


楽譜の読み方「楽典」を、アニメ脚本っぽい形で説明します。


「一方的に教えるのではなく、疑問に応える」「アニメ表現を利用」です。




オリジナル『ガクテン』または『ガクテン♪ソフト版』から、「余計な物語りは不要、要するに音楽の話だけ」の需要に応えた、楽典に特化したものです。


そのため、ドラマチックな「キャラの魅力」「ラブ要素」「ジョーク」は無くなりました。


唐突に音楽の話になる「教育アニメ(エデュテインメント)」となりましたから、ストーリーには違和感があります。


「再放送や、Blu-rayの、長期的な繰り返し需要の視点から、web小説よりも、アニメで説明したい」という気持ちが強いです。




人間ドラマも含めたもの、アニメ化に向けての自由度(情報の取捨選択、話数変更など)は、オリジナル『ガクテン』または『ガクテン♪ソフト版』を、ご覧願います。


ここでは、人間ドラマなどが無く、音楽の情報だけが、連続している。レトロSFの宇宙食のように、味気の無いものです。



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【エピソード 059】 フェルマータは「延ばす記号」ではなく「停止記号」だから、違う音価に付いても大丈夫。手拍子は、全部の声部、全部の段で、全員が同時にという、大前提がある。楽語の混乱は多い。


ハル「ヤッ子先生、それから、フェルマータも知りたいんですが」


ヤッ子「ああ、停止記号だな」


ハル「へ?」


ヤッ子「フェルマータは、停止記号と言ったんだ」


ハル「フェルマータは、延ばす記号じゃないんですか?」


ヤッ子「結果的に延ばすことになるが、停止記号だ。手拍子を、一時的に停止する」


ハル。ミッツを睨む。「ミッツーーー」


ミッツ「そうでしょ、2倍から3倍、延ばすんだって教わったよ」


ヤッ子「音を延ばすのなら、「ゆっくりにする」や「一時的に、ゆっくりにする」を意味する「リタルダンド」の方法もある」


ヤッ子「逆に、テンポを速くする指示もある」


背景に、「リタルダンド」の表記「ritardando」「rit.」「ritard.」に、フリガナ「リタルダンド」を添える。


同時に、「アッチェレランド」など、いくつかの速度変更の用語を表示する。カタカナ表記が複数あれば、併記する。カタカナ表記は、資料の対象年齢や、出版年代により、異なる場合があるため。略式表記があれば、併記する。


ヤッ子「どの場合でも、演奏者の全員が揃って、手拍子のテンポを変える」


ヤッ子「で、早坂君が知りたいのは、AさんとBさんの2声があって、異なる音価にフェルマータがあれば、どっちの音価を2倍すればいいか、ということではないのかな?」


背景に、CM明けでハルが迷った楽譜を表示する。「どっちを基準に、2倍の時間に延ばすのか?」を添える。


ハル「その通りです。どっちでショ?」


ヤッ子「手拍子は全員が同時に。全部の声部、全部の段で、同時に手拍子するという、大前提がある。だから、フェルマータで全員が一斉に手拍子を停止して、また、全員で一斉に再開する」


ヤッ子「手拍子が停止した時に、ある担当は4分音符の時に停止、ある担当は2分休符の時に停止。だから、担当している箇所によって、2倍延ばすのか、3倍延ばすのかは変わるが、手拍子の再開は同時だ」


ミッツ。突然の大声。「あっ!」


ハル「どうした?」


ミッツ「そうだよ、停止記号だよ」


ヤッ子。ミッツの気付きを、こっそり喜ぶように、微笑む。


ミッツ「だって、楽譜の途中で曲が終わった時に……」


ハル「そんなこと、あるか。楽譜の途中なのに、曲が終わるなんて」


ミッツ「違うって。一度は楽譜の最後まで演奏して、リピートとかで戻って、途中で終わる時ってこと」


背景に、楽譜の最後まで演奏し、戻って、途中で終わるという演奏順を、厚みを持った帯の矢印で表す。第2話でステラが自宅で勉強したような、「きしめんのような、厚みのある帯」の矢印の表現。


ハル「ああ、そういえば、そういうものもあったかも」


ミッツ「そこで、終わりの場所には、フェルマータが書いてある」


ハル「最後の音符にか?」


ミッツ「違う。小節線に」


ハル「フェルマータは、音符か休符に付くものだろう?」


ミッツ「だから、違うって。こんな風に、フェルマータを書くの」黒板に、簡単な楽譜を書く。複縦線( )縦線が二重線)の上にフェルマータ、下に「fine.」の例。


ミッツ「楽譜によっては、「fine.」だけのものもあるけど、フェルマータも書くってことは、フェルマータは手拍子を「一時的に止める」だけでなく、「もう手拍子しない」って意味じゃないかな?」




▼ Cパート


先生ちゃん。音楽の先生。


説明用の別世界。背景は無地。


先生「世界中で、多くの人が音楽を楽しんでいます」


先生「仲間内で演奏を楽しんでいて、「ちょっとこれを教えて」と教わることもあれば、音楽教室で学ぶこともあるでしょう」


先生「教わる方は、知らないから教わる。教える方は、どうすればわかってもらえるか、思案する。そこで、わかりやすい説明方法を考案したり、それから、うっかりミスで、誤ったことを教えてしまうことがあります」


先生「これまで縁が薄かった楽器の楽譜を見て、初めて知る事柄もありますね」


先生「正しくはないけど、誤りではなく、わかりやすい説明もあるものです」


先生「仲間内だけで伝わるスラング、方言の用語を、一般的な用語だと勘違いして広めてしまうことも、あるでしょう」


先生「資料も、作成者の考えにより、異なっていることがあります」


先生「実際、音符の部品の名前すら、資料によって異なってることがあります」


音符の各部の名称を表示する。玉の呼び名「符頭」。棒の呼び名「符幹」「符尾」。旗の呼び名「符尾」「符鉤」。鉤の呼び名「鉤」「鈎」「符桁」。


「鉤」と「鈎」の漢字も異なる。


先生「自分が手にした資料だけが正しいと思うより、資料によって異なることは、覚えておいてほしい」


次回は …… 【エピソード 060】 台所のコップで、グラスハープ。ト長調の音階が「ド、レ、ミ、ファ♯、ソ、ラ、シ、ド」ではない理由。ト長調で使っている音と、ト長調の音階の違いは、音階スライド。



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