【エピソード 058】 音符の玉は「右上がりと右下がりの2種類限定」「白と黒の2種類限定」ではなかった。音符の玉の、あれこれ。記譜と演奏が違う場合も、普通にある。
【前書き】
当作品は、楽典をアニメで表現することを目的としています。文字を読んでアニメを想像する手間があります。楽典以外は余談ですので、次々とストーリーが続くジャンルではありません。
なぜ記号だらけの楽譜を見て、音にできるのか?
初心者向け楽譜の謎解きエンターテインメント。
▼ 登場人物
ハル、ミッツ、ステラ、ショージ …… 同じ中学校の生徒。
ヤッ子 …… 理科教師。プライベートでジャズピアノ。
楽譜の読み方「楽典」を、アニメ脚本っぽい形で説明します。
「一方的に教えるのではなく、疑問に応える」「アニメ表現を利用」です。
オリジナル『ガクテン』または『ガクテン♪ソフト版』から、「余計な物語りは不要、要するに音楽の話だけ」の需要に応えた、楽典に特化したものです。
そのため、ドラマチックな「キャラの魅力」「ラブ要素」「ジョーク」は無くなりました。
唐突に音楽の話になる「教育アニメ(エデュテインメント)」となりましたから、ストーリーには違和感があります。
「再放送や、Blu-rayの、長期的な繰り返し需要の視点から、web小説よりも、アニメで説明したい」という気持ちが強いです。
人間ドラマも含めたもの、アニメ化に向けての自由度(情報の取捨選択、話数変更など)は、オリジナル『ガクテン』または『ガクテン♪ソフト版』を、ご覧願います。
ここでは、人間ドラマなどが無く、音楽の情報だけが、連続している。レトロSFの宇宙食のように、味気の無いものです。
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【エピソード 058】 音符の玉は「右上がりと右下がりの2種類限定」「白と黒の2種類限定」ではなかった。音符の玉の、あれこれ。記譜と演奏が違う場合も、普通にある。
ヤッ子「それから、音符の玉が×マークで書かれているのは、「不定音高」だ」背景に漢字とフリガナ。
ヤッ子「打楽器など、ドレミで表現できない場合、玉の代わりに×マークを使う。こうすることで、音を出すタイミングは指定できる」
ミッツ。ハルに向かって。「第7話で、自分で答えてたでしょ。音符の玉が、太い棒になった「ストローク」のこと。あれと似てるよ」背景に、第7話のストロークの楽譜を、ハルが「音を出すタイミングは、指定できます」と言っているを表示する。
ハル「え? ああ、そう……だ。ストロークと同じで、音の高さを指定できないが、タイミングの指定はできるって、あれと似ているのか」
ヤッ子「歌でも、ドレミで表現できないことがあるな」マイケルジャクソンの真似で「ポゥッ!」と歌う。
ヤッ子「早坂君が、いつか、音楽室で、電池を使って、相撲の呼び込みを再現していただろう。あれも、一種の不定音高でもあるな」
ミッツ。急にラップを歌い始める。「♪相撲の、呼び込みも、辻売りだって、ふてーオンこぅ」
ヤッ子「そう、ラップも、一種の不定音高だな」
ハル「でも、この楽譜は、ギターで普通に演奏する曲ですよね。ドレミで表現できますよ」
ヤッ子「ギターを、コツコツ叩くことがあるだろう?」
ハル「あ、そうか」
ヤッ子「打楽器の楽譜は、玉の形があれこれあって、面白いぞ。詳しくは、それぞれの打楽器の奏者に聞いてみてくれ」
ミッツ「ヤッ子先生、お手上げ?」
ヤッ子「そうなってしまうのは、それだけ多様だってことだ。特に、ドラムスには……」背景にドラムス。「……「基本的」と呼ばれる配置はあるが、個人の好みで自由な組み合わせをする」
ヤッ子「だから、五線のどこが、どのドラムなのか、シンバルなのか、万人に共通な記譜は無い」背景に「記譜」と、そのフリガナ。
ハル「でも、バンド譜では、ドラムスの楽譜が載っていますよね」背景に、バンド譜のサンプルと、その前面に「バンド譜」と、そのフリガナ。
ヤッ子「一応は、基本的と呼ばれる配置での記譜だ。正確なことは曲を聞いて確認したり、バンドメンバーと実際に演奏しながら、自由に変更することもある」
ハル「はあ、そうなんですか」
ヤッ子。黒板に×と白玉を書く。「音符には、白玉と黒玉があるだろう」
ヤッ子「全音符と2分音符は白玉、4分音符から短い音符は黒玉。会話で「白玉で」と言えば、「長い音価の音符で」という意味だ」余白に音符の例。
ヤッ子「打楽器の場合、白玉と黒玉は、このように書き記す」
ミッツ「打楽器に白玉があるんですか?」
ヤッ子「まあ、実際には、叩いてすぐに音が消えるものもあるんだが、楽譜の見やすさのために、2分音符で書くことがある」
ヤッ子「逆に、細かな音符なのに、ピアノでペダルを踏んだまま、つまり、弦の振動が自然に消えるまで鳴り続けるようにすると、次の音符が鳴り始めても、さっきの音は鳴ったままだろう」
背景に16分音符のグリッサンドの楽譜と演奏。先頭近くの玉に、差し棒で「この玉の音は、まだ鳴っている」と記す。
ヤッ子「実際には音が鳴っているのに、鳴っていないように書いている例では、シンバルがあるな」
ヤッ子「シンバルが「シー」と鳴って、太鼓が「タタ」と鳴る。連続して「シータタシータタ」の演奏を、楽譜では、太鼓が鳴る時にはシンバルの音は消えているように書かれているが、実際にはシンバルは鳴り続けている」
背景に、ドラムスの演奏する姿。右手でシンバル、左手でスネアを鳴らす。楽譜と、ピアノロールを表示する。
ピアノロールには、実際に鳴っている音を表すオシロスコープの線(ギザギザや波線)を重ねる。シンバルはピアノロールよりも長く音が鳴り、スネアはピアノロールよりも短時間で音が止まる。
ハル「音符は、「この時間、音を鳴らし続ける」って決まっているんですよね」
ヤッ子「その指示だが、場合によっては、その指示を「守っているつもり」ということもある。おもちゃの木琴も、叩いてすぐに音が消えるが、鳴っているつもりだろう?」
ハル「なるほど。楽譜の通りに音を鳴らし続けることができないこともありますね」
ヤッ子「音符っていうのは、「音を出し続ける時間」を、厳格に示している。しかし、表記上は厳格でも、実際に演奏する場合には、「厳格なつもり」ということもあるんだ」
ハル「なるほど。楽譜を音に再現するためには、楽譜をきちんと読む。そして、楽器による工夫があるから、楽譜とは違った演奏になることもあるんですね」
ヤッ子「そうだ」
ヤッ子「打楽器では、白玉と黒玉だけでなく、菱形もあって、面白いぞ」黒板に、菱形の白玉と黒玉を書く。
ハル「菱形は、どういう意味ですか?」
ヤッ子「だから、それは打楽器奏者に聞いてくれ。ギターでも、倍音で、ああ、「ハーモニクス」と言った方がいいかな、菱形の玉が使われていることがあるだろう」
ハル「音符の玉は、右上がりと右下がりの、2種類だけって、ミッツから教わったけど」
第2話の、ミッツが自信たっぷりに「あはは、大丈夫だって、2種類限定!」と、Vサインをする場面を再掲する。
ヤッ子「そんなことはないのは、今、見た通りだ」
ヤッ子「更に言えば、ギターのTAB譜(タブふ)では、フレット番号の数字が書かれているぞ」背景に、TAB譜とギターを、上下に並べる。
ハル。ミッツを睨む。「ミッツーーー」
ミッツ「仕方ないでしょ、ピアノじゃ、まず見ない音符だもん」
ヤッ子。なだめるように、柔らかな笑顔で頷く。
次回は …… 【エピソード 059】 フェルマータは「延ばす記号」ではなく「停止記号」だから、違う音価に付いても大丈夫。手拍子は、全部の声部、全部の段で、全員が同時にという、大前提がある。楽語の混乱は多い。
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