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【エピソード 050】 タイ、スラー、レガートが似ている。タイとレガートの区別は、玉を繋げるか音符を繋げるか。フレーズで「弱強弱」「強弱強」の雰囲気。

【前書き】


当作品は、楽典をアニメで表現することを目的としています。文字を読んでアニメを想像する手間があります。楽典以外は余談ですので、次々とストーリーが続くジャンルではありません。


なぜ記号だらけの楽譜を見て、音にできるのか?

初心者向け楽譜の謎解きエンターテインメント。


▼ 登場人物

ハル、ミッツ、ステラ、ショージ …… 同じ中学校の生徒。

ヤッ子 …… 理科教師。プライベートでジャズピアノ。


楽譜の読み方「楽典」を、アニメ脚本っぽい形で説明します。


「一方的に教えるのではなく、疑問に応える」「アニメ表現を利用」です。




オリジナル『ガクテン』または『ガクテン♪ソフト版』から、「余計な物語りは不要、要するに音楽の話だけ」の需要に応えた、楽典に特化したものです。


そのため、ドラマチックな「キャラの魅力」「ラブ要素」「ジョーク」は無くなりました。


唐突に音楽の話になる「教育アニメ(エデュテインメント)」となりましたから、ストーリーには違和感があります。


「再放送や、Blu-rayの、長期的な繰り返し需要の視点から、web小説よりも、アニメで説明したい」という気持ちが強いです。




人間ドラマも含めたもの、アニメ化に向けての自由度(情報の取捨選択、話数変更など)は、オリジナル『ガクテン』または『ガクテン♪ソフト版』を、ご覧願います。


ここでは、人間ドラマなどが無く、音楽の情報だけが、連続している。レトロSFの宇宙食のように、味気の無いものです。



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【エピソード 050】 タイ、スラー、レガートが似ている。タイとレガートの区別は、玉を繋げるか音符を繋げるか。フレーズで「弱強弱」「強弱強」の雰囲気。


ステラ。ヤッ子に。「この線は、スラーですか?」


背景に、「ステラは、タイとスラーの違いを教わっていますが、よく似たレガートなどは教わっていません」を表示する。


ヤッ子「ああ、これな。スラーの仲間で、レガートとかフレーズとかだな」黒板の絵を全部消す。新たに楽譜。同じ音高の2つの音符。違う音高の2つの音符。


ヤッ子「同じ音高ならタイ。これは、さっきの話の通りだ。違う音高ならスラー。星山君、スラーのあると無しを、歌い分けてくれ」


ステラ「歌い分け……ですか。えーっと、スラーが無ければ「ターター」、スラーがあれば「ターラー」ですか」ステラ声を聞いて、ショージが後ろで喜び、小さく拍手。


ヤッ子「その通り。同じ音高の音符を繋げていても、タイではなくレガートの場合もあるぞ」


ミッツ。驚いて「嘘っ」


ヤッ子「タイは音符の玉を繋ぐ、レガートは音符を繋ぐ。と言えば紛らわしいが、こういうことだ」


ヤッ子。黒板に、同じ高さの4分音符が2つのセットを、4セット書く。玉を繋ぐ、下向きのタイ。玉を繋ぐ、上向きのタイ。棒を繋ぐレガート。繋げる線が無い。それぞれに「タイ」「タイ」「レガート」「何も無し」を指し棒で。


ヤッ子「玉と玉を繋ぐタイは、下向きでも上向きでも同じ意味だ」


ヤッ子「再び星山君。この、4つの歌い分けを頼む」


ステラ「はい、「ターーー」「ターーー」「ターラー」「ターター」」


ヤッ子「ありがとう。このように、レガートは「滑らかに」という指示だな」


ハル「音符の、玉を繋ぐのがタイで、棒を繋ぐのがレガートですね。ということは、スラーとレガートも、玉を繋ぐのがスラーで、棒を繋ぐのがレガートですか?」


ヤッ子「考え方は正しい。もう少し正確な表現なら、「棒を繋ぐ」ではなく「音符を繋ぐ」だ」


ハル「え? でも、ええーっと」


ヤッ子「結局は、「玉ではない」を示すために、「棒を繋げる」になる」


ハル「そう、そうです」


ミッツ「レガートと、スタッカートが、一緒なら、音価の「4分の3」で鳴らすのを終えるの意味ですよね」


ヤッ子「一般には、そう言われているが、曲によって、そうではない解釈もある」


ミッツ「あたしは、ピアノの先生から、そのように教わりました」


ヤッ子「ピアノという楽器の特性があるが、「曲によって」と「楽器によって」や、「曲の解釈によって」もある」


ハル「ピアノは、音が出た瞬間は大きな音で、そこから先は、音が小さくなるだけ。バイオリンや、吹奏楽器だったら、鳴らしながらクレシェンドができるんですよね」


ステラ「あ、それ、吹奏楽部で教わりました。トロンボーンでは、音が出た瞬間を弱く、そこから強くして、急に音を止めることもできるって」


ステラ「楔型なら音価の4分の1、スタッカートなら音価の半分、スタッカートとテヌートなら音価の4分の3。スタッカートとレガートも、音価の4分の3。とはいえ、その違いを演奏で実現するのは、難しいって」


背景に、いくつかの記号を組み合わせたものを表示する。


ミッツ。ステラに。「音を鳴らす続ける時間と、音の強さも工夫して、「滑らかに」を表現するよね」


ステラ「はい。トロンボーンなら、音色も気を付けます」


ハル。ミッツとステラの会話を、顔の向きを変えながら、聞いている。ハルにとって、演奏表現は、守備範囲外なので。


ヤッ子「レガートは、スラーをたくさんの音符に広げたような書き方もある」背景に、棒が上向きで同じ高さの4分音符が4つを、2セット。レガートを、音符の下( )玉の側)の例と、音符の上( )棒の側)の例。


ヤッ子「ただし、この書き方は、フレーズと同じ。フレーズとは、句読点のようなもので、「ここまでが、ひとつの区切り」の意味だ」


ヤッ子「私はピアノ演奏が中心だから、フレーズの区切りは強弱で表現することが多い」


背景に楽譜。横長に6小節で、同じ高さの音符が並んでいる。2小節ずつのフレーズが3つ。フレーズに合わせて五線をグラデーションで塗りつぶす。フレーズの両端が薄い色、フレーズの中央が濃い色。


薄い色に指し棒で「フレーズの始まりと終わりは、弱く」、濃い色に指し棒で「フレーズの中央は強く」と記す。


ヤッ子「ピアノの、ソロの演奏では、このような表現をすることがあるが、これは「フレーズの表現方法の一つ」だ」


ハル「逆の、始まりと終わりが強くて、途中が弱い演奏って、あるんですか?」


ヤッ子「例えば、こんな曲があったとする」


ヤッ子。ピアノで、右手で長調の音階を2オクターブ( )主音が3回、使われる)、下から上に行き、そのまま続けて上から下に戻る。これを3回繰り返す。下の主音を鳴らす時、左手は主和音を鳴らす。


まずは、これを、強弱の無い、平坦な演奏。


ヤッ子「今のは、フレーズの無い演奏だ」


ヤッ子「始まりと終わりを弱くする演奏を、動きで表すと、こうなる」脇を絞めて、両肘を曲げる。手の平を上向きに、手を握る。そこから、両手を開きながら前に出し、戻って来る。これを繰り返す。


ヤッ子「これを演奏すると、こうなる」フレーズの始まりと終わりが弱い演奏。


ヤッ子「では、早坂君の考案した演奏は、動きで表すと、こうなる」バレーボールを真上に放り、落ちて来たのを受け取る。これを繰り返す。ボールが、天井よりも高く上がっていることを表すために、目でボールを追い、戻るまでの時間も設ける。


ヤッ子「これを演奏すると、こうなる」フレーズの始まりと終わりが強い演奏。


ヤッ子「どのような曲の、どのような場面で、どちらが適しているか、思い付いたら実験するのが面白いな」


ミッツ。ヤッ子に向かって。「クレッシェンドや、デミヌエンドの記号もありますよね」


ヤッ子。ミッツから問われたが、ステラが答えたがっているのが見えたので、ステラに促すように。「音の強弱を変える記号だな」


ステラ「横長の、こんな記号ですね」黒板の所に行き、横長の不等号記号を書く。


ハル「見たままの形だね」


ショージ「素敵だよ、ステラちゃん。でも、文字で書くこともあるって、知ってるかい?」


ステラ。自分の不備を指摘されたような気持ちになり、困惑する。「え?」


ハル。ステラを気遣う。「それは聞きたいな。ステラも、いい機会だから、教えてもらおう」


ステラ。少し安心して、ハルに。「はい」


ショージ。黒板に、不等号記号のクレシェンドとデミヌエンドを、左右に並べて書く。


クレシェンドの記号の下に、「crescendo」「cresc.」を書き足す。


デミヌエンドの記号の下に、「decrescendo」「decr.」「diminuendo」「dim.」「デクレシェンド」を書き足す。


ヤッ子「これらを、正確に書けるのは、大したもんだ」


ステラ「そんなに、あるんですか?」


ステラは、吹奏楽部員の中では、自分の音楽の知識が少ないことを気にしている。


ハル「暗記はしなくて、いいと思うよ。いざ、実際に書いてあるのを見た時、調べればいいだけだし」


ミッツ「路線図や時刻表と同じ。暗記していなくても、必要な時のために、資料があるんだし」


ハル「暗記していることの利点は2つ。調べる手間が減ることと、暗記しているのを自慢すること」


ショージ。ステラに近寄り。「ステラちゃんのための、資料になる利点もあるよ。いつでも、僕を資料にしてね」


ステラ。ちょっと困惑。


ハル「どれくらいの度合いで、大きくするか、小さくするかを、こうして書くこともあるな」


ハル。ショージの書いた、黒板の不等号記号のクレシェンドとデミヌエンドの、中間と左右に、「ff」「mp」などを書き足す。


次回は …… 【エピソード 051】 フレーズの区切り。レガートとフレーズの違い。ショージは『ユーモレスク』がだらしない。「付点8分音符と16分音符」は、シャッフルに似ている。



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