【エピソード 029】 アレグロやアンダンテは、雰囲気を表す言葉。メトロノーム記号の数字はBPM(ビート/分)。ステラの鞄が開いていて、ハルが楽譜の旗の向きが逆だから気になる。
【前書き】
なぜ記号だらけの楽譜を見て、音にできるのか?
初心者向け楽譜の謎解きエンターテインメント。
▼ 登場人物
ハル、ミッツ、ステラ、ショージ …… 同じ中学校の生徒。
ヤッ子 …… 理科教師。プライベートでジャズピアノ。
楽譜の読み方「楽典」を、アニメ脚本っぽい形で説明します。
「一方的に教えるのではなく、疑問に応える」「アニメ表現を利用」です。
オリジナル『ガクテン』または『ガクテン♪ソフト版』から、「余計な物語りは不要、要するに音楽の話だけ」の需要に応えた、楽典に特化したものです。
そのため、ドラマチックな「キャラの魅力」「ラブ要素」「ジョーク」は無くなりました。
唐突に音楽の話になる「教育アニメ(エデュテインメント)」となりましたから、ストーリーには違和感があります。
「再放送や、Blu-rayの、長期的な繰り返し需要の視点から、web小説よりも、アニメで説明したい」という気持ちが強いです。
人間ドラマも含めたもの、アニメ化に向けての自由度(情報の取捨選択、話数変更など)は、オリジナル『ガクテン』または『ガクテン♪ソフト版』を、ご覧願います。
ここでは、人間ドラマなどが無く、音楽の情報だけが、連続している。レトロSFの宇宙食のように、味気の無いものです。
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【エピソード 029】 アレグロやアンダンテは、雰囲気を表す言葉。メトロノーム記号の数字はBPM(ビート/分)。ステラの鞄が開いていて、ハルが楽譜の旗の向きが逆だから気になる。
ミッツ「イタリア語が、ローマ字読みできるのは、ローマがイタリアの首都だから。本当にわかったのかな」
ハル「なぜか、「ローマ字」の由来になっているローマは、ローマ字読みしたら「ロメ(ROME)」だな。なぜだ?」
ミッツ「ハルもよく言っているように、世の中には、まだまだ、科学で説明できないことがある」
ステラ「アレグロ、アンダンテ、モデラート。イタリア語だって聞いたけど」背景に、それぞれのイタリア語「Allegro」などと、そのカタカナのフリガナ。
ミッツ「ああ、速度を表す言葉。アレグロは速いテンポでこう、アンダンテはゆっくりでこう、モデラートは中くらいでこう」それぞれ、手拍子する。テーブルをコツコツ叩く方が自然だが、この後に手拍子での説明があるので、ここでも手拍子する。
ハル「こうって言われても、あいまいだな」
ミッツ「そう。イタリア語で「快活に」とか、これは、雰囲気を表す言葉なの。でも、あいまいだから、メトロノームの数字も使われるようになった」
ハル「ああ、楽譜の最初に書かれてある、あれか」背景に楽譜を空想する。楽譜のページの左上に書かれている「4分音符=140」などの表記を、「これ」と指し棒。
ミッツ「そう、あれは、手拍子を、メトロノームに合わせようってこと。拍子記号の音符が使われているよ」
背景にメトロノーム記号と、手拍子だけの楽譜のセットを、いくつか。メトロノーム記号の音符と、拍子記号の分母と、手拍子の音符を繋ぎ、「4分音符で統一」と記す。他の拍子でも、「8分音符で統一」などと記す。
「2/4」「3/4」「4/4」拍子は、メトロノーム記号に4分音符を使用する。「2/2」「3/2」拍子は、メトロノーム記号に2分音符を使用する。
ミッツ「このように、手拍子だけの楽譜で使われている音符を、メトロノーム記号に使う」
ハル「絶対か!」
ミッツ「あたしに逆らう気?」
ステラ。鞄に付いている、メルヘンの人形を出して、「ケンカしないでよぉ」
ミッツ「ステラちゃん、やさしいー、すてきー」
ハル「この戦争を止めたのは、メルヘンだったことは、歴史の表舞台には出て来ない」
ミッツ。「6/8」拍子の、楽譜とメトロノーム記号を、2セット。8分音符が6つの楽譜では、メトロノーム記号に8分音符を使う。付点4分音符が2つの楽譜では、メトロノーム記号に付点4分音符を使う。
ミッツ「「6/8」拍子は、本当はこうだけど、テンポが速いと手拍子が大変だから、こんな書き方をすることもある」
ミッツ。8分音符が6つの手拍子をする。「これが、もっと速くなると……」速く手拍子。「……あーあ、疲れる。だから……」速い手拍子と、付点4分音符の手拍子を、交互に。「……こうすると、楽だよね」
ミッツ。付点4分音符の手拍子をする時は、8分音符の細かいタイミングで「タララタララ」と歌う。
ハル「この、メトロノーム記号の通りに、手拍子の楽譜を書けばいいってことだな」
ミッツ「そう。「6/8」拍子なのに、8分音符を使わないこともあるんだよね」
ステラ「「6/8」拍子で、2つのメトロノーム記号を使い分けるのは、速さの違いですか?」
ミッツ「そうだよ。ゆっくりなら8分音符で手拍子できる。速ければ付点4分音符で手拍子する」サンプルで、手拍子と歌。
ゆっくりの例。『モーツァルトの子守歌(♪眠れ良い子よ)』は、手拍子と歌が合っている。
速い例。『フニクリ・フニクラ』は、手拍子は付点4分音符を使う。歌い始めは白玉なので、途中の「♪フニクリフニクラ」の部分を歌う。
ハル「メトロノーム記号は違うけど、それ以外、五線と音符は同じなんだよな」
ミッツ「そうよ」
ステラ「その、140って、単位は何ですか?」
ミッツ「BPM。1分間のビートの数ってこと」紙に「B/M」と書く。指し棒で「B」に「ビート、拍」、「/」に「パー、割合」、「M」に「ミニッツ、分」と書く。
ミッツ「メトロノームはミニッツ、あたしはミッツ」
…… しばらくお待ちください ……
ハル「BPMが60なら、1分間に60回だから、1秒に1回か」
ミッツ「エグザクトリィ。メトロノームが発明されたのは、ベートーベンが生きていた頃で、ベートーベンは早速、メトロノームを取り入れたの」
ステラ「いつ頃の話ですか?」
ミッツ「メトロノームの発明が1850年頃で、ベートーベンが1870年頃まで生きていたはず」背景で、誤りを訂正。ミッツの言った2つの年に×印で、メトロノームが「1816年」、ベートーベンの没年が「1827年」と訂正。
背景のこの訂正は、店内のポスターにぼんやりワイプ。ファミリーセットか何かの、値下げするポスター。値下げ額は、「1850円→1816円」「1870円→1827円」の2種類。
ハル「あっ、メモする。えっと、メトロノームが……」鞄からノートを出して、メモをしようとする。
ミッツ。慌てて「あっ! メモしないで!」
ハル「なんで?」
ミッツ「ううーん、なんでかなあ?」と、誤魔化す。
ミッツ。心の声。「(だって、全くのデタラメではないけど、メモされたら誤りだって、ばれちゃう)」
ハル「作曲者の生きた年代を知るのは、大切だろう?」訂正が店内のポスターに変化する手法は、このタイミングで使っても良い。
ステラ「イタリア語が使われているのは、楽語だけですか?」
ミッツ「ローマ数字も使われている」紙に、ローマ数字を1から11まで書く。
ローマ数字は、環境依存文字なので、当脚本では用いない。
ミッツ「ローマ数字は、右側に「1」を書くと「プラス1」、左側に「1」を書くと「マイナス1」の意味になるんだよ」
ミッツ。ローマ数字に添えて、アラビア数字を書く。ローマ数字の4は5の左に1、ローマ数字の9は10の左に1。
ミッツ「音階の番号にも、ローマ数字が使われる。そういえば、ハル、鍵盤モノサシを持っていたよね」
ハル「ああ」
ミッツ「曲は、大まかに長調と短調があって、長調ならドが主音、短調ならラが主音。主音から数えて何番目かを、ローマ数字で表すんだよ」
ステラ「あ、ノートを出すんで、ちょっと待ってください」
ステラ。さっき、メトロノームの話題の時にもノートを出していたのを忘れて、鞄を開ける。そこで、既にノートを出していたことに気付く。今度は、鞄を閉めるのを忘れる。
口が開いたままの鞄からトロンボーンの楽譜が見えている。紙が逆さまなので、最後の段だけが見えている。ハルが気になっている。
ハル。心の声。「(あれが、トロンボーンの楽譜か。ちょっと単純な曲かな? メインメロディの部分ではなく、機械的な伴奏部分かな)」
ハル。心の声。「(でも、おかしいな、あの楽譜、音符の旗が左右逆だ。トロンボーンだから特別なのか、逆にする書き方には意味があるのか。楽譜は、基本的にはどの楽器でも同じだけど、楽器によって少し特徴があるのかな)」
ミッツ。ノートを受け取り、書き始める。
画面の上方に「ド、レ、ミ……」と、ローマ数字の大文字で「1、2、3……」。
画面の下方に「ラ、シ、ド……」と、ローマ数字の小文字で「1、2、3……」。
ハル。ミッツがメモしているノートも見るが、ステラの鞄の口から見えている楽譜が気になっている。
ミッツ「聞いてる? ハル」
ハル「あ、聞いてる聞いてる」
ミッツ「ステラちゃん、気を付けてよ、ハルがさっきから、鞄を覗き込んでる」
ステラ「え? やだ、見ないでください」鞄を閉める。
次回は …… 【エピソード 030】 向かい合った二人の間に楽譜を置き、逆さまに見て『鏡』の合奏。コードをローマ数字で表現するのは、主音から数える。転調すると数え直す。
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