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【エピソード 026】 音階スライドで耳コピが楽に。調号の並び順は、平行四辺形っぽいが、ト音記号だけの事情。調号を見て音階スライドを合わせる裏ワザ。ヨナ抜きでアドリブすると。

【前書き】

なぜ記号だらけの楽譜を見て、音にできるのか?

初心者向け楽譜の謎解きエンターテインメント。


▼ 登場人物

ハル、ミッツ、ステラ、ショージ …… 同じ中学校の生徒。

ヤッ子 …… 理科教師。プライベートでジャズピアノ。


楽譜の読み方「楽典」を、アニメ脚本っぽい形で説明します。


「一方的に教えるのではなく、疑問に応える」「アニメ表現を利用」です。




オリジナル『ガクテン』または『ガクテン♪ソフト版』から、「余計な物語りは不要、要するに音楽の話だけ」の需要に応えた、楽典に特化したものです。


そのため、ドラマチックな「キャラの魅力」「ラブ要素」「ジョーク」は無くなりました。


唐突に音楽の話になる「教育アニメ(エデュテインメント)」となりましたから、ストーリーには違和感があります。


「再放送や、Blu-rayの、長期的な繰り返し需要の視点から、web小説よりも、アニメで説明したい」という気持ちが強いです。




人間ドラマも含めたもの、アニメ化に向けての自由度(情報の取捨選択、話数変更など)は、オリジナル『ガクテン』または『ガクテン♪ソフト版』を、ご覧願います。


ここでは、人間ドラマなどが無く、音楽の情報だけが、連続している。レトロSFの宇宙食のように、味気の無いものです。



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【エピソード 026】 音階スライドで耳コピが楽に。調号の並び順は、平行四辺形っぽいが、ト音記号だけの事情。調号を見て音階スライドを合わせる裏ワザ。ヨナ抜きでアドリブすると。


▼ 場面変更


先生ちゃん。先生は、吹奏楽の先生。


説明用の別世界。背景は無地。


先生「調号の♯も♭も、増えて行くのは、規則性があります」


先生「調号で、♯と♭が混在することはありません」


先生「調号の♯も♭も、まずはここに付いて、次はここに付いて、次はここに付いてというように、増えます」


先生「2つ目が付く時は、1つ目は消えないし、移動もしない。3つ目が付く時も、1つ目と2つ目はそのままで、単に3つ目が付け足される」


先生「何個目を付けるのも、これまでの♯も♭もそのままで、単に増えるだけです」


ヘ音記号に♯が6つの調号と、♭が6つの調号を表示する。6つの調号の並び方がわかりやすいように、調号の背景に平行四辺形を重ねる。


先生「♯の増え方は、何となく、右上がりのように見えるね。♭の増え方は、右下がりのように見えるね。ということは、♯も♭も、最初の2つまで、どこに付くのかを覚えたら、3つ目からは、ゆっくり考えながら書けるんだ」


先生「このような並び方は、ヘ音記号だけでなく、ト音記号でも、ハ音記号でも同じだよ」ヘ音記号、ト音記号、ハ音記号の全部に、♯と♭が6つの調号。ト音記号に♯が6つの調号も、右上がりの形。


先生「と、言いたいけど、ト音記号の、この♯が、五線からはみ出しているね。だから、仕方なく、この♯だけは、1オクターブ下に書くんだ」


ト音記号に♯が6つの調号の、ラの♯が分身の術で分かれ、五線内に移動する。分身の術で分かれる時、元の♯は、水色になって「名残り」のような表示。


先生「ラに♯を付けていたけど、五線からはみ出しているから、五線内のラに書く。五線の外でも、五線の中でも、ラだから、同じ意味だよ」


先生「もしかすると、ト音記号の調号の、ラの♯が、こんな書き方だから、「調号に規則性は無いのかも」という誤解になるのかもね」


▼ 場面変更


吹奏楽部の、部室内の別な場所。


音楽の先生は、ハープ( )ダブルアクションハープ)の近くで立っている。


生徒。音楽の先生に質問。「先生、楽譜って、やっぱり読めないと、いけないんですか?」


音楽の先生「「いけない」ということはありません。僕にとっては、とても便利でしたが、誰しもが便利かといえば、そうとも限りませんね」


生徒「便利だとは思うんですが、難しくて、だから、やる気が出ないんです」


生徒「楽譜そのものが楽しければいいんですが、演奏を楽しむために、我慢して学ぶっていうのが、面倒なんです」


音楽の先生「楽譜そのものを、謎解きとして楽しんでいる生徒がいますよ」ハルを指す。


▼ 場面変更


吹奏楽部の、部室内の別な場所。


さっきの、ハルとショージの、鍵盤モノサシの話の続き。


吹奏楽の先生「闇雲に規則性を見付けるのは難しいでしょう。スライドしながら、調号と同じズレを探すのは面倒なので、裏ワザを教えよう」


吹奏楽の先生「調号に♯がいくつあっても、最後の♯のところに、音階スライドの「シ」を合わせる。♭がいくつあっても、最後の♭のところに、音階スライドの「ファ」を合わせる」


画面の左上に、♯1つの調号と、「最後のここがシ」の指し棒。画面左下に、♭1つの調号と、「最後のここがファ」の差し棒。


♯1つの右隣に、♯2つの調号で「最後のここがシ」。♭1つの右隣に、♭2つの調号で「最後のここがファ」。このように増えて行く。


増える時、最初は五線が画面いっぱいに大きかったのが、増えながら小さくなり、全部が画面内に収まるようにしても良い。


または、画面いっぱいに、上段に♯系、下段に♭系の2つの五線。「♯、指し棒、「ここにシ」の文字」が移動しながら、「♯」が既定の場所に置き去り(分身の術で増える)で、調号の♯が増える表現。


ショージ「あ、それ言おうと思ったのに」


吹奏楽の先生「もうひとつ、これは、大して役立たない裏ワザだが、調号に従って、ピアノの鍵盤を、下から上に、上から下に、順番に鳴らすと、何となく「ド」に聞こえる鍵盤がある」


ショージ。吹奏楽の先生の言葉を聞いて、ピアノで、ニ長調の音階を、3オクターブくらい、何度か往復する。


吹奏楽の先生「おおっ、ありがとう。それだよ、やって欲しかったのは」


ショージ。音階を演奏しながら、Dの鍵盤に近付くとゆっくりになり、Dの鍵盤で演奏を終える。


ショージ「この鍵盤が、「ド」のように聞こえただろう?」


ハル「はい」ショージの指を見て、Dの鍵盤であることを確認する。


ショージ「だから、音階スライドの「ド」を、この鍵盤に合わせるんだ」


ハル「うーん、なるほど。でも、自宅にピアノがありませんし、ピアノがあっても、調号に従うだけで精一杯なので、これがドに聞こえるような、滑らかな演奏ができません」


吹奏楽の先生「そうですね。初心者向けではない、「大して役に立たない」というものでした」


ショージ「絶対音感を持っていたら、「ドに聞こえる」の言い回しに、違和感がありそう」


吹奏楽の先生「忘れないうちに言っておくけど、「調号」は「調子記号」の略だよ」背景に、「調号」「調子記号」の文字と、そのフリガナ。


ショージ「え? 「調号」って、略した言い方だったんですか?」


吹奏楽の先生「実は、そうなんだ」


吹奏楽の先生「好きな歌があって、楽譜が無くて、そんな時、「耳コピ」をすることがあるよね」


ハル「耳コピって、何ですか?」


ショージ「耳でコピーする。絶対音感があれば、曲を聞いたらそのまま楽譜に書けるよな」


ハル「らしいけど、絶対音感って、都市伝説もある」


ショージ「いや、都市伝説ではない。絶対音感を持つ人は、実在する」


吹奏楽の先生「早坂君が言ったのは、絶対音感を持つ人の噂をすると、嘘もあるという意味ですよ」


ショージ「ああ、なるほど。で、耳コピだが、聞いた音楽を楽譜にするために、絶対音感を持たなかったら、楽器を頼りにするよな。それが、聞いた音をコピーする、耳コピだ」


ハル「楽譜にコピーするのが、耳コピなんですね」


吹奏楽の先生「まあ、そうでもあるけど、楽譜に書かないまでも、聞いた曲を口真似するのだって、耳コピと言えるかもね。さっき僕が言ったのは、楽器でメロディを弾くとか、そういったことだよ」


吹奏楽の先生「どの鍵盤が、どの高さなのか、よくわからない時に、手探りで全部の鍵盤を試行するのは、効率が悪いし、混乱もする」


吹奏楽の先生「もし、その曲が、「ああ、終わった」という感じで終わっていたら、その最後の音の鍵盤に、音階スライドの「ド」を合わせる。最後の音だけなら、探す手間は小さいよね」


吹奏楽の先生「最後の音を頼りに、音階スライドを合わせたら、メロディは音階に選ばれた鍵盤で試すと、当たることが多いよね」


吹奏楽の先生「和音も、音階に選ばれた鍵盤が使われていることが多い」


ハル「曲の終わりが、そんな感じじゃなかったら?」


吹奏楽の先生「その場合は、曲の途中で、休憩のような区切りがあるだろう。区切りの最後の音は、音階スライドの「ソ、シ、レ」のどれかのことが多い」


吹奏楽の先生「そうでなくても、メロディの一部を手探りで鳴らしてみて、どの黒鍵が使われているかで、どの調号なのかを推測することもできる」


吹奏楽の先生「これは、調号に慣れたら、できるようになるから、早く慣れたら便利ってことだ」


ショージ「そう、「よく使う鍵盤」なんだから、当たる確率が高い。ペンタトニックで試してもいいし。とにかく、「よく使う鍵盤」なんだから、当たる確率が高い」


ハル「そう、その、ペ、ペタンコピンク? 5つを選ぶ」


ショージ「ペンタトニック」


ハル「そうそう、それ」


ショージ「普通の長音階なら、音階スライドの「ドレミ……」の7つ、それよりも少ない5つの選び方で、黒鍵だけの方法を使ったんだ」両手でゆっくりの演奏例、早い演奏例、時々「キャンキャン」を入れる演奏例。


ハル。思い出す。「そういえば、第1話で、ヤッ子先生から教わっていました。黒鍵だけを使うとって」


ショージ。がっかりする。「なんだ、これも知っていたのか」


ハル「他にも、選び方はあるんですか?」


ショージ「あるさ。7つよりも多い選び方や、その時々のコードによって選び方に偏りがあったり」


吹奏楽の先生「選び方はいくつかあるけど、有名なのは、ドから数えて4番目のファと、7番目のシを抜く「ヨナ抜き」で、さっき東海林君が黒鍵だけを弾いたのは、嬰ヘ長調のヨナ抜きです」


背景に、音階スライド。長音階に数字。「四七抜き」と、そのフリガナ「ヨナぬき」。音階スライドを鍵盤モノサシに当てて、「黒鍵だけ」と表示。


吹奏楽の先生「ヨナ抜きは、日本では古くから馴染みがあって、偶然にも、スコットランドから日本に輸入された歌にも……」周囲の雑談の声が大きくなって、話をやめる。


次回は …… 【エピソード 027】 調号とハープの関係。ハープとピアノの、グリッサンド対決。吹奏楽部の演奏で、草原を飛ぶ。吹奏楽部には、移調楽器がたくさん。移調楽器は、ギターのカポと同じ。



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