【エピソード 021】 鍵盤モノサシで音程の確認。完全系と長短系。鍵盤ドーナツは、時計の文字盤に似ている。ハルが父親からギターをもらい、明日は楽器店でメンテナンス。
【前書き】
なぜ記号だらけの楽譜を見て、音にできるのか?
初心者向け楽譜の謎解きエンターテインメント。
▼ 登場人物
ハル、ミッツ、ステラ、ショージ …… 同じ中学校の生徒。
ヤッ子 …… 理科教師。プライベートでジャズピアノ。
楽譜の読み方「楽典」を、アニメ脚本っぽい形で説明します。
「一方的に教えるのではなく、疑問に応える」「アニメ表現を利用」です。
オリジナル『ガクテン』または『ガクテン♪ソフト版』から、「余計な物語りは不要、要するに音楽の話だけ」の需要に応えた、楽典に特化したものです。
そのため、ドラマチックな「キャラの魅力」「ラブ要素」「ジョーク」は無くなりました。
唐突に音楽の話になる「教育アニメ(エデュテインメント)」となりましたから、ストーリーには違和感があります。
「再放送や、Blu-rayの、長期的な繰り返し需要の視点から、web小説よりも、アニメで説明したい」という気持ちが強いです。
人間ドラマも含めたもの、アニメ化に向けての自由度(情報の取捨選択、話数変更など)は、オリジナル『ガクテン』または『ガクテン♪ソフト版』を、ご覧願います。
ここでは、人間ドラマなどが無く、音楽の情報だけが、連続している。レトロSFの宇宙食のように、味気の無いものです。
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【エピソード 021】 鍵盤モノサシで音程の確認。完全系と長短系。鍵盤ドーナツは、時計の文字盤に似ている。ハルが父親からギターをもらい、明日は楽器店でメンテナンス。
音楽の先生。黒板に音程の長短系の「重減-減-短-長-増-重増」と、その下に完全系「重減-減-完全-増-重増」で、「重減-減」「増-重増」が合流している。
音楽の先生「ここで二股に分かれていますね。2度、3度、6度、7度は、こちらです」図の上の「重減」から「重増」の道をマルで囲む。
音楽の先生「1度、4度、5度、8度は、こちらです」図の下の「重減」から「重増」の道をマルで囲む。
音楽の先生「鍵盤モノサシで、短3度がありましたね」
ハル「はい」
音楽の先生「短3度よりも、半音長いと、長3度です」指を「短」から「長」に移動する。
ハル「あ、その図は、半音長いと短いの並び順ですね」
音楽の先生「そうです、説明書きを忘れていました」図に大きな左右向きの矢印を記し、「半音短くなる」「半音長くなる」を添える。
音楽の先生「長3度よりも、半音長いと、増3度です」
ハル「え? それって……」鍵盤モノサシを見ながら「……完全4度と同じ距離ですよね」
音楽の先生「そうです。でも、完全4度とは呼ばずに、増3度と呼びます」
ハル「あ、なるほど、同じ距離なのに、呼び方が違うんですね。ミ♭と呼ぶか、レ♯と呼ぶかの違いのように」ヤッ子を見る。
ヤッ子「察しがいいな。コードのCの仲間で、Cmのミ♭を、レ♯と書いたら、Cの仲間ではないという話と同じだな」
音楽の先生「素晴らしい。そこまで理解していましたか」
ハル「鍵盤モノサシに無かった、半音6つの距離は、ドから数えると……えーっと、この黒鍵ですね」鍵盤モノサシを指す。
ハル「これだと……」黒板と鍵盤モノサシを交互に見ながら「……増4度、または……」黒板と鍵盤モノサシを交互に見ながら「……減5度、ですか?」
音楽の先生。感心して唸る。「丁寧さに感心します」
ハル「ありがとうございます」
ヤッ子「実は、ファからシも、増4度だぞ」
ここからの、ハルの確認手順と独り言を、ヤッ子と音楽の先生は、微笑んで見ている。
ミッツが、ハルの手元を見たくて、近付こうとするが、ヤッ子が制する。振り返ったミッツに、ヤッ子が微笑みながら、唇に指で「静かにしよう」を示す。
ハル「え?……ファ、ソ、ラ、シ。だから、4度で……」指折り数えて、4度と知る。
ハル「頂いた鍵盤モノサシで、4度の見本は、これだ。高いドから、下に向かって、ソまでは、「完全4度」だ」鍵盤モノサシの、ソから上のドまでの「完全4度」が、ぼんやり色変わりする。
ハル「今、知りたいのは、ファからシまでの4度は、「なに4度」かで、そのために、見本の完全4度と比べる」
ハル「ファからシまでは、この距離」鍵盤モノサシの黒鍵側を、ファからシまで、指でトントンと辿る。トンと叩くと、鍵盤モノサシに赤い点が付き、点と点の間が赤い直線で繋がる。水平の折れ線グラフっぽく見える。
ハル「ソからドまでは、この距離」同じく、指でトントン辿る。さっきの赤い折れ線グラフの、少し下の位置に、同様にソからドまで、青い点と直線が描かれる。
ハル「見本と比べて、同じなのか、長いのか、短いのか……。1つだけ長い」
ハル「見本が「完全」だったので、それより1つだけ長いのは……」黒板の、「完全」の右隣を見る。「増」と書かれている。
ハル「「増」だから「増音程」だ。今は、4度の話。「なに4度」かを知りたかった。「増音程」の「4度」だから「増音程」だ」
ハル。顔を上げて。「増4度です!」
音楽の先生「丁寧ですね」
ハル「ありがとうございます。これって、ややこしいから、「あれ? 今は何を知りたかったのか」を、時々、確かめながらしないと、迷子になります」
ヤッ子「ということは、シからファは、減5度だ」
ハル「もう、混乱します」
ヤッ子「その鍵盤モノサシは、音程の入門として、「下のドから上方向の白鍵は、長と完全だけ」「上のドから下方向の白鍵は、短と完全だけ」を、覚えたばかりの確認用だ。それ以外の範囲の確認は、これから自分でできるだろう」
ハル「はい、その話は、行く行く……」
ヤッ子「では、早坂君の興味に沿った、おもちゃを紹介しようか」
ハル「おもちゃ?」
ヤッ子「鍵盤モノサシが、このように曲がって、更に曲がって、円形になったものだ」黒板に、1オクターブ(ドからシまで)の鍵盤モノサシを書く。鍵盤モノサシの奥側(黒鍵側)を内側にして少し湾曲した絵。もっと湾曲した絵。
この、湾曲した絵は、途中経過なので、鍵盤モノサシっぽいという略した絵にする。最後はドーナツの形になる。ドーナツの内側が黒鍵側、外側が白鍵側。
ヤッ子「こんな風に、鍵盤モノサシが曲がって、円形になった、鍵盤ドーナツだ」
ヤッ子「パズル、組み合わせ、パターンといったものが好きだろう?」
ハル「はい。コードもそれっぽいなと期待しています」
ヤッ子「半音6つ分の距離だけが無い、ということに、自分で地道に気付いたんだ。このおもちゃも楽しめるだろう」
ヤッ子「円形にしたから、黒鍵の形に違和感があるが、大切なのは、ここだ」内側の円の、12等分の刻みを指す。
ヤッ子「ギターのフレットが、12までで1オクターブの区切りになり、13番目からは、最初の1番目からと同じだな。だから、12等分なんだ」
音楽の先生「その刻みは、キーにも役立ちますよ」
ハル「キー?」
音楽の先生「ハ長調、Cメジャーキーなどです。ト音記号とセットで書かれている、♯や♭に関係します」背景に、調号の例をいくつか。
ミッツ。ピアノに駆け寄り、『メヌエット ト長調(♪レーソラシド、レーソーソー)』(バッハ)を、ちょっと弾く。
ミッツ「これの話をしたでしょ。その時、全部のファに♯が付くのは、強い絆って言ったよね」
ハル「だから、その、強い絆って、何だよ」
ミッツ「これが、キーの話」
▼ Bパート
ハルの自宅。
天袋から鍵盤ハーモニカを出す。塩ビの口の部分には、カビが付いている。台所で洗い、チューブを接続して演奏してみる。出にくい音がある。
ハルの母親が来る。
ハル「ねえ、お母さん。ピアノかギターか、どっちか欲しいんだけど」
母親「だったら、ギターにしなさい。お父さんのが、あるから」
父親。帰宅。
ハル「お父さん、このギター、使ってもいい?」
父親「おっ、懐かしい。弾きたいのか」
ハル「うん。弾くというより、楽譜の謎解きに使いたいんだ」
父親「そうか。まあ、何にしても弾くんだから、修理しないとな。よし、あした、一緒に楽器店に行こうか」
ハル。喜んで。「ホントに?!」小さくガッツポーズ。
次回は …… 【エピソード 022】 ギターでカポ3でAmを弾くとCmが鳴る。ギターでカポ3で「Em、Am、B7」を演奏すれば「Gm、Cm、D7」が鳴る。AmからC♯mまでは、同じ形。カポタストがあれば。
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