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第49話 ルーレット

「さぁて、お望み通り全部片付けたよ。お待ちかねのまぐ夫の番だからね、覚悟はいい?」

 ディッドのスイッチが完全に入ってる……嫌な予感がする、その状態のフルパワーじゃもしかしたら今までとは違う結果になるかも知れない。不慮の事故的な……


「うわぁ~、耳が〜耳が〜!!」

 うるさい!それに反応遅い!デカブツ、今はそれどころじゃない!


「ふん、やれるもんならやってみな。チンタラやってねえでこんな遺跡とっとと潰しちまえばいいんだよ?」

 火に油を注ぐな!ディッドの血管がブチギレそうになってる……どうすんだよ、俺、止める力も方法も無いよ……デカブツもまだうるさいよ……


「おるぅりゃぁぁぁぁっ!!」

 あ、終わった。ディッドの本気のフルスイングだ…‥


 マグの反射スピードじゃアレは絶対避けらんないだろうな。アレを耐えられる人間は存在しないよ、きっと。








「ああああ〜!目が〜!まぐ夫〜!ちくしょ〜!!」

 ディッドが苦しんでる。因みに俺も苦しんでる。


「ほら、行くぞ。ラックは自分のバディなんだからちゃんと着いてきてくれよ。」

「やっと…耳が聞こえて……って何がどうなっているんですか?」


 ディッドがマグに襲いかかった瞬間にマグは何かを握り潰した。その掌の上には光る球が現れ、そして弾けるように周囲を真っ白に染め上げた。………コイツも身内に使う道具じゃないだろ?おまえらマジでおかしいんだよ!ラッキーは時間差で苦しんでたおかげで目潰しを直視しないで済んだっぽいな。なんか腹立つ。


「次はまた室内か。サラマンダーと牙蛙、相変わらずバカの一つ覚えの大量か。取り敢えず今回は自分一人で突っ込んでみる。バディはサポートしてくれれば良い。弾はまだ残ってるよな?」

「ええと………、はい、大丈夫です……」

 俺とディッドはチカチカした目で遅れて声のする方へ辛うじて着いて行く。ラッキーはキョドりながらもマグの指示に従っている、主体性が無いな。


「マグオ……コロス……」

 仲間に向ける言葉じゃないだろ、でも俺も全く同感だ。


「うう、やっと目が落ち着いてきたな。とは言えマグは本当に一人で平気なのか?」

 平気じゃなくて痛い目会っても別にいいけどな。



 最初は機械(俺は絶対マーシーとは呼ばない)からの爆弾の砲撃だった。先頭の何匹かが吹っ飛び、後ろの集団がマグ目がけて襲い掛かってくる。飛び掛かってくるのをラッキーが後方から狙い撃っていく、が投擲が追いつかず魔物が大波の如くマグを覆い潰そうとしてきていた。


 爬虫類とかああいう見た目のヤツって毒持ち多いよな。解毒する前に押し潰されたらマズいかもな。まあ、なんか自信満々だから放っとこ。


 マグは右手に持った鉄球を握り潰す。その後直ぐに左手の鉄球も握り潰し胸の前で合掌する形に手を合わせた。するとマグの正面に半球状の赤い光の壁が現れた。


「何だあれ?」

 光の壁に飛び込んでくる奴は、それに触れた瞬間に水が蒸発するかのように煙になっていく。この魔物は知能が本当に無いらしく、目の前で仲間がいなくなるのに次々と光の壁に飛び込み、存在を消し去っていったのだった。


「なんか面白いことやってるね。しばらく様子見ておいてあげるよ。」

 ディッドも見たことのない状態に興味を持ったのか成り行きを見守ることにしたらしい。確かに不思議な見た目だしな。ただ、魔物も流石に異常に気付き迫って来なくなっていた。


「仕上げをいくか。」

 マグはボソッと一言発し、また2つの鉄球を握り潰し胸の前で合掌をする。すると今度は黄色い光の半球体が現れ風船が膨らむように前方に拡大していく。そしてそれは赤い半球体を押し広げるようにして……そのまま遺跡の壁にぶつかる迄拡大していった、触れたモノ全て蒸発させながら。


「う…わ…」

 俺は声が出なかった。やっぱりコレは放っといてはいけない奴だ。ただの変態ならまだ可愛げがあるが、こっち側に覚醒したら人類の脅威に成り得ると思う。何なの?俺たちがコントロールしなきゃいけないの?


「おい、まぐ夫。そんなスローモーションじゃ回り込まれたら殺られるぞ。詰めが甘いな。」

「うるせえなクソディッド、分かってるよそんな事。脳ミソの無い奴には使えんのは見ただろ?その内オマエも避けらんないの作ってやるよ。」

「スピードの問題じゃないな。見た目で警戒される時点で避けられる可能性があるだろ?」

「確かにそうだが味方が巻き添え食うわけにはいかないだろ?安全面も考えなきゃならないのが難しい所なんだよ。」

「……」

「」

 ……………………


 こんな感じで研究所にいる時に色々開発していたらしい。このマグはマッドサイエンティスト全開で、それにディッドが殺戮の夢と希望を上乗せしてヤバイ兵器を作り続けてたんだと。



 なんだ、全ての元凶はディッドか。散々殴り倒してこのマグを生み出したんだからな。じゃあ面倒見なくっちゃならないか。







 

 ふざけんなよ!?次から次へと理解できない問題増やしてくんじゃねえよ、バカディッド!おい、頼むよデカブツ……俺たちは協力しなきゃいけないんだよ……何で目ぇキラキラさせてんだよ?


 分かっちゃいたけど疎外感が凄いな。まともって辛いよ、しかも何の抑止力も無いんだぜ、俺。

 



 危機感持って行こうよ……ねえ、みんなでさ…………


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