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第43話 朝だよ

 何だろな、昔のことを夢見てた。そう言えばあれからノンストップだな。2回逃げ出そうとして捕まって、3回目は未然に無言で威圧されたっけな。その後は……ラッキーとか、マグとかと……そういや敵強くなりすぎてない?アイツラはいいよ、異常だもん。でもやっぱ俺は違うんじゃねえ?今回だってやらかしたもんな……ん?そうだよ、確か俺ザックリやられた気が………


 そうだ!俺死んだのか?何の痛みも苦しみもなかったな。その点は良かったかもな。


 て、イテ。いてて?…痛って〜ぇぇぇぇぇぇぇ!!




「かあああああああああっ!!!!」

 喉がくっついて上手く音が出ない。あの研究所で一週間ぶりに声を出した時より更に厳しいぞ!?


「アルさん?」

 うん、そうだよ。返事できないけどな。


「あああああ、アル君!動かないで、無理すると駄目だから、傷口開いちゃうから気を付けて!」

 傷?やっぱりあの時やられたんだな。


「フン。」

 あ、ディッドもいた。お前はいつも通り澄ましてんな。






「ふふふ………ふいいいぃぃ………ふえええええええぇぇぇぇぇん!!!」

 ええ?何?どうしたディッド?見たこと無いぞそんなトコ?


「ほほう、起きたか小僧。いいザマじゃな、わしがおぬしを助けてやったんじゃぞ。」

 ?フォネト?俺を助けた?何がどうなってんだよ、本当に。どうでもいいか………まだ眠い………




「アル君!?…………意識が…また無くなった様だからみんな静かにしてあげて。今度起きた時のために色々準備しないとね。」

 部屋の温度が少し上がった。心が軽くなったのを皆が感じていた。







「なるほどね、正直痛みも何も感じなかったからあんまり死にかけた実感がないよ。」

 再び目覚めた後、一通り今までのいきさつを教えて貰った。

「みんな、ありがとうな。迷惑かけたようですまなかったな。」


「全くだよ。アルはそんなに無茶しなくていいんだよ。今度からはコッチから離れない様にしといてよね。」

 勝手に離れるのはお前の方だ。俺が追いつけるわけ無いだろが。………まあ、心配してくれたのは分かった、今は何も言わないでおいてやる。


「迷惑なんてとんでもないです!私がいたらないばっかりにアルさんに苦労ばっかりかけて……でも、本当によがっだでずぅぅ。」

 言葉を交わす度にじるじるなんか流しやがる。もういい加減に落ち着いていいぞ、デカブツ。


「アル君、自分は今まで研究だけで生きてきたんだよ。人と人との繋がりなんてほとんどが自己利益の為だと思ってたんだ。勿論大事な人もいるし、会って楽しい人もいる。でもね、君達といて頭より先に心で動くってことを思い知らされるんだよ。とても眩しくてね、自分もそうなる為にこれからも一緒にいさせてくれるかい?」

 何を真顔で言ってんだか、マグなんて放っといたら大量殺戮兵器で人間殺しまくっちゃうだろ?まだ暫く俺達と一緒にいて世界を回っときゃいいんだよ。


 なんだよ、みんなして俺に異様に話しかけてきやがって。そりゃあ聞いた感じでは死んでてもおかしくない感じだけど、今のお前たちはなんか歯がゆいからやめて欲しいよ。へへ、全くもう。


「どうじゃ?わしに借りを作った感想は?ざまあないのう。」

 フォネトは挑発してくる。結構イケイケだな、このジジイ。

「ああ、そうらしいな。アイツラに本当のこと伝わったって? でもな、アイツラ自身が必死に考えて各々責任を負う覚悟で行動してくれたんだ。俺だけ一人で背負うのもズルいだろ?あの時の話はもう大した事ないから忘れて貰っていいよ。助けてくれてありがとうな。」


「おぬしはのう……そんな反応じゃあ、わしの溜飲は下がらんじゃろが!……妬ましいのう、マグは。わしと同じ腐れ研究者のくせしておぬしらの様なものと旅しとるなんてのう。

 マグにはわしの医療関係の資料を渡しておる。今後なにかの役にたつじゃろうて。なに、国王に言われたからじゃよ、しょうがなくじゃからな。」

 ひん曲がってんなこのジジイ。気持ちはありがたく受け取っておくよ。羨ましそうな目でマグを見てんじゃないよ。30歳位若かったら付いてきてたんじゃないか?拒否するけど。


 俺が動けるようになるまでまだもう少しかかるらしい。そういやここは王都らしいな。なんか振り出しに戻った感じだ。それだけ4人で行動するのが型になってきたって事かな? しばらくこのパーティーでいいか、それなりに楽しいしな。……ってじゃない!死にかけてんじゃん俺!駄目だ駄目だ!勘違いするなよ、レベルが合ってないんだからなアイツラと。


 命を大事に。心掛けろ、アルゼ。



 一つ危惧する所があるんだよな。……まず俺、出血多量が凄かったらしい。運が良いことに血の気が抜群に最高峰の多さの殺戮狂と、血を内包する器のとんでもないキャパシティを持つデカブツが近くにいたんだと。誰とは言わないけど。

 しかもさ、手術なんだけど……臓器移植って言ってたんだよ。なんか鬼の内臓が俺の中にいるらしい。更にデカいのの血も絶え間なく供給されてたんだってな………





 あのさぁ、それってホントに人格に影響とか及ぼさないのかな?

 


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