表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/75

第35話 撤退

 100%だ、いや120%の確率でで物事にあたってくれ。ふざけんな、45%ってなんだよ?半分以下じゃねえか!はっちゃけてんじゃねえよ!そういうのは一人でやってくれ。

「コラッ、クソマグ!絶対許さないからな!洞窟から出たらぶっ飛ばしてやるからな!」


「はっはっはっ、無事出られたらお願いするよ。取り込まれたら自分でも窒息しそうだし、消化もされちゃうだろうしね。」

 怖いこと行ってんじゃねえよ!マジで外出たら毒喰らわしてぶっ飛ばしてやる!そうすりゃ少しは堪えんだろ?

 ラッキーに俺は小脇に抱えられつつマグを睨む。まあね、他力本願で逃げてるけど怖いもんは怖いんだよ。


「凄いね、透明の壁が迫ってくるみたいだね。ニョキニョキ伸びてくるトコ切ったら萎れてくんだけど、こんなんじゃ大きすぎて倒せそうもないよね。」

 歩く位の速度でスライムが迫ってくるのですぐにまずい状態と言う訳では無いのだが、触手を伸ばして摂り込もうとしてくる。それをディッドが切断しつつ逃げていた。

 結構執念深いなこのゼリー。目も脳ミソも見えないのにな。


「何が効くか試してみるよ。まずは火、っと。」

 マグが火を付けた道具を投げると、一瞬動きが鈍ったのだが包みこんで消化してしまった。その後凍らしてみたり雷みたいなものを発生させたりもしたのだが、これと言った決定打には至らなかった。


「どうすんだ?このまま入口まで戻っても外まで追ってくるんじゃないのか?」

 今は迫る壁だが、表に出たら全方向から攻めてくるだろう。どうにか洞窟内で決着を着けておきたい。


「大体分かったよ。それじゃあディッド君、この弾をさっきと同じ様によろしく頼むよ。

 で、ラック君は4の弾を当てて欲しいのだけど、その後で腰のポーチにある8の弾で追撃して貰いたいんだ。」

 よし、何でもいいから頑張ってくれ。上手くいったらさっきのことは不問にしてやる。


「いくよ~、おりゃ。」

「こちらも行きます、ふん!」

 一段階目が反応する。スライムの内部に空気が膨張してるように見える。何かのガスが発生したのだろうか?


「続けて行きます!ふん!」

 スライム内部の空間にラッキーの2個目が着弾すると青白い炎がゆっくりと広がってゆく。その炎が触れた所がゆっくりとダメージを負っているように見える。


 スライムが逃げるスピードとほぼ同じスピードで消滅していってるのが見て取れた。なんか、必死に逃げるスライムを見ると俺まで切なくなってくる。感情ないなんて言って申し訳ないな。プルプル震えるゼリーから恐怖と苦しみを感じてしまう。

 ゆっくりと確実に消えてく自分の肉体…………マグの作る兵器ってエグすぎないか?戦争で人間相手に使っちゃいけないだろ………


 呆然としていたのだが、スライムの奥のほうが堰き止めていたものがあったようだ。

 凝らした俺の目がその物体を確認できた。




「おい!逃げるぞ!奥から水が流れ込んでくる!!スライムが洞窟に栓をしてたんだ!一気に来るぞ!!」

 ヤバイぞ、きっと飲まれて死ぬのは俺だけだ。このままだと俺がドンケツになってしまう。足元が悪くて上手く前に進めない。必死に逃げているとふいに足の接地感が無くなった。


「ラッキー、パス!」

「了解です!」

 あれ?なんだろうこの懐かしい感覚。全然嬉しくないんだけどな。あの時は上から下だったけど、今度は後ろから前だな。いいよ、生き延びる為なら大人しく荷物になるから頑張ってくれよ。

 自然に体を丸める。身も心も球になったようだ。俺の人間としてのプライドは生き残る為にはちっぽけなもんだよ。もう何でもいいや。





「よーし、ゴール!」

「ふざけんな!キャッチする奴がいない所に投げ…………ぐはっ……」

 入口が見えた頃には鉄砲水は違う方向に流れて行き、危機は去っていた。去っていたのに最後に投げられた。……その前にデカブツもそれ以上パスする必要無かったよな?バツの悪そうな顔して俺の事を伺ってんじゃねえよ。


「あれ?ここの滝弱くなってない?」

 お前、まず俺に謝れ。地面に這いつくばってる姿見えてんだろうが。が、確かに滝の流量が減っている。


「途中で水の流れが変わる分岐があったからね、そっちにほとんど持ってかれてたよ。三人とも移動が速すぎだよ、一応問題無くなった辺りで声かけたんだけどね。聞こえなかったかな?」

 俺にはマグの声は届いてたよ。バカ二人は聞こえない振りしてたんだろう、俺の死角でグータッチをしてる気配が感じられた。クソが。



「結局もう洞窟探検は終わりだね。じゃあ湖目指そうか。」

「いい加減にしろ!今日はもう休憩!!俺は限界だ!」

 正直身体が痛いんだよ。トドメは何か分かってんだろ?


「そうですね。色々道具も使いましたし、マグさんもまた準備しておいた方がいいと思います。何がいきなり襲ってくるか分からないですし、しっかり休んだほうが良いと………ハイ…」

 せめてもの罪滅ぼしのつもりかデカブツ?そんなんじゃ誤魔化されないからな。




 マジで調子に乗るとヤバイ奴ばかりじゃないのか?ウチのバカ共は…………はぁ。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ