第6話 冒険へ
黒豹の3人へ、王都からの書状が届く。
「ついにきましたよ、2人とも」
「何がだよ?」
「…?」
「ミヤさんを王都へ招待しろとの事です」
「あー、ついにか。で、なんて言って連れてく?」
「…コクコク」
「それについてはこちらに任す。と…」
「は!?そこはこっち任せなのかよ!ムカつくぜ」
「さて、どうしたものか…いい案はないですかね?」
「…あの子、強くなってる…冒険者、どー?…」
(鷹がしゃべったー!?)
心の中で驚く豹と虎だった。
「なるほど、それはありかもしれませんね…」
「いい案だと思うけどよー、どーやって切り出すよ?てか、いつまでに連れてこいなの?」
「特に指定はありません。なので、少し時間をもらうように伝えましょうか。1ヶ月。1ヶ月ミヤさんと行動し、冒険者に登録するように促してみましょうか」
「足りるか?それ…」
「…」
虎と鷹は不安そうな顔をしていた。
「まあ、とりあえずやってみましょう。無理ならまた時間をもらえばいいんですよ」
「了解した」
「…コク」
「さぁ、あとはどのようにして進めるか…」
豹が少し考えていると虎が突然、
「よし、いい事思いついた。そこは俺に任せとけ!どーにかなるだろ!」
軽く笑いながら言った。
「不安ですが、まあそこまで言うなら任せます」
「…」
鷹はまだ不安そうだった。
数時間後。
「おっはようございまーす!」
虎が大きな声で八雲の家の前で叫んだ。
「ちょっと、いきなり何を叫んでるんですか!?」
豹が注意していると、中からミヤが出てきて、
「あれ、虎さん、それに豹さん、鷹さん、おはようございます。どーしたんですか?こんな朝早くから」
と不思議そうに聞いた。
「ミヤちゃん、一緒に魔物狩り行かね?」
「え?魔物狩り?」
「そ、魔物狩り!デート誘おうとしたんだけど、この辺店全然知らないからさ、俺のカッコいいところ見せて惚れてもらおうと思って!」
自信満々に言う虎。
(まさか、これがいい事!?)
と、驚く豹と鷹。
「えっと、これから八雲さんと魔法の練習をしようと思ってて…」
「え、じゃあ尚更いいんじゃね?魔物と実戦的に練習した方が、上手くなるんじゃね?」
「そーなんですかね…?」
「それに俺らがいた方がもし危なくなっても助けられるじゃん?」
「んー…」
ミヤが悩んでいると、
「いいんじゃないか?実戦も必要な頃じゃろう」
奥から八雲が言った。
「いいんですか?まだファイアーボールだけですけど…」
「調整はある程度できておるから、少し実戦をしてみてもいいじゃろう」
「よし、けってーい!準備できたらいこーぜー!」
(また上手くいってしまった…)
豹と鷹は少し呆れたようにそう思った。
「ミヤ、実戦だが、あまり無理はせんようにな」
八雲が少し心配そうに声をかけた。
「はい、危なくなったら黒豹の皆さんに助けてもらいます」
「任せろ任せろ!」
「お主たち、ランクは?」
ランクとは冒険者が依頼を達成するごとに評価され、一定の評価となると次のランクへ昇格できるという仕組み。
単独のランクとパーティーでのランクがあり、駆け出しならGランク。そこから順番にF、E、D、C、B、A、Sというランクになっている。
そして、SSランクも存在するらしいが、これは魔王を討伐したとされる勇者カインに与えられたランクである。
つまり普通はSランクが最高ということになる。
「俺らのパーティーAランクだ。強いぞぉ!」
「本当ならそろそろSランクに上がれるはずなんですが、どこかの誰かさんの素行が悪くて、なかなか…」
「…コク」
「おい、俺のせいか!?」
黒豹が揉めているのを見て、ミヤが
「ははは、皆さん仲良しですね!」
と笑い、少し和やかな雰囲気となった。
「まあ、Aランクなら心配ないじゃろう、ミヤ、いっておいで」
「はい、わかりました、黒豹の皆さん、よろしくお願いします」
ミヤと黒豹は森へ入って行った。
「さて、わしはあやつのところへ行くかの」
そーいうと、八雲は消えた。
行き先はミヤのおじいちゃんの家。
「おじいちゃん、おるかのー?」
そー声をかけると中から笑いながらミヤのおじいちゃんが出てきた。
「もー、八雲さん、やめてくださいよ」
「ミヤが冒険に行ったぞ」
「そーですか、冒険に…」
「魔法のとっ」
「え、1人でですか!?」
驚いて思わず聞き直したミヤのおじいちゃん。
「いや、黒豹という冒険者たちとじゃ」
「ランクは?弱いやつじゃないんでしょーね?」
「Aランクらしいぞ?Sランクに上がれそうじゃが、1人癖の強いやつがいるようで、まだ上がれないらしいぞ」
「なんですかそれ…不安ですねぇ…」
「なぁに、いざとなったらわしらが行くんじゃ」
「まあ、そーですね。今日も紅茶でいいですか?」
「そーじゃの」
2人はゆっくり紅茶の準備を始めた。




