第5話 成長と動き
魔王城
「魔王様、ご報告です。人間界でかなり高濃度の魔力を感知。今までにない数値を表示しております。」
「なに?そんな人間がまだいたのか?」
「おそらく。同胞ではないので、おそらく人間かと」
「わかった。私から父上にも報告しておこう。魔王を引退したと言っても、まだまだ現役でいれる人だからな。とりあえず、今はそちらで調査を頼む。」
「かしこまりました」
「なぜ、私に代替わりした途端人間たちは暴れ出すのだ。憎たらしい。」
その頃ミヤは
「八雲さん、おはようございます。今日も特訓お願いします!」
「おはよう、今日から制御の練習をしていくぞ」
「はい!」
「じゃあ、まずは、人差し指の上に蝋燭サイズの火を出してみよう」
「やってみます…」
ジュッ、ボカーン!と爆発音。
ミヤの髪は爆発の影響でボサボサになり、まさかの結果に流石の八雲もポカーン。少し間が空いて、八雲が言った。
「ミヤ、お前は魔力を出すとき0か100しかできていない。1の魔力で十分なものに対して100の魔力を注ぐと、そりゃ今みたいになる。じゃあどーするか。自分の魔力から1だけを出せるように訓練するしかない。」
「なるほど…(今まで魔法が使えなかったから、火よ出ろ!くらいにしか考えてなかった…魔法って深いんだなぁ…)」
「さぁ、やってみなさい」
「はい」
ミヤが改めて火を起こす。
ボッという音がなり、指先に蝋燭サイズの火がついた。
「やったー!できました!」
「…」
ジュッという音がなり、あっという間に消えてしまった。
「あ、消えちゃった…」
「次は今のを長くキープする練習だな」
「はい、頑張ります!(地味なことだけど、大事なんだろうな。)」
日も暮れ始めた頃、魔法が少しずつ使えるようになった実感もあり、ミヤは嬉しそうに笑っていた。
「八雲さん、今日はありがとうございました!少しずつだけど、魔法を使えるって実感が湧いて、嬉しいです!」
「…ミヤだからじゃろ」
八雲は小声で答えた。
「え?なんですか?」
「いや、なんでもない。これからも色んな魔法を使えるといいのぉ。」
「はい、いっぱい練習します!(私は火の適正があるってわかったし、いっぱい練習して、おじいちゃんを支えるぞ)」
「どれくらい成長したか、家に帰ってまた鑑定でもすると良い」
「今します!八雲さんにも伝えたいので!」
ピロン鑑定結果
ミヤ 人間( ) レベル4
火魔法適正◎ 火魔法レベル1 魔法適正◎
「火魔法適正が増えてます!やった!」
「よかったのぉ、さあ、家まで送って行こう」
「ありがとうございます。(いつも思うけど、八雲さんの送って行くって、一瞬すぎてびっくりするんだよなぁ)」
「着いたぞ。」
「ありがとうございました。おじいちゃんただいまぁ!」
「おかえり、どーした?嬉しそうだな?」
「あのね、今日わね!」
ミヤが祖父に今日の話をしようとすると、
「わしは帰るぞ。」
と八雲が帰ろうとした。
「あ、ありがとうございました!また明日!(もっと魔法のこと知れたらいいな)」
ピロン。
(あ、無意識に八雲さん鑑定しちゃった。まあどーせ見れないし)
「え!?」
鑑定結果。 八雲 魔法適正◎ 以上
(え、ちょっと見えた!)
「八雲さん!ちょっと…」
ミヤが呼びかける頃には八雲はもういなかった。
(八雲さんのステータス、少し見えた。なんでだろ?鑑定も成長ってするのかな?)
不思議に思いながらも、今日あったことをおじいちゃんに話したくて、そんなことすぐに忘れてしまったミヤだった。
王城
「国王様、3人より報告書が届きました。」
「わかった。あとで読んでおく。」
「では、こちらに置いておきます。」
国王は1人になってから、報告書を開いた。
「鑑定の娘ミヤは魔法の訓練を始めました。最初は爆発が起こったりしていましたが、今は順調に火魔法が使えるようになっています。か…。他には…」
最後まで読んだ国王の顔は少し険しくなった。
「今会うのは少し危険かも知れんな…だが、会う必要が出てきた。さて、どうしたものか…」
(それにしても、突然消えた?鑑定にそんな能力はないぞ。見間違いだろう。)
何かを書くワーク王。
「おい、これを黒豹に届けてくれ」
「かしこまりました、急ぎますか?」
「急ぎ届けてくれ。だが、依頼内容の期日などは特に決めてないと伝えてくれ」
「かしこまりました」
(初代様、いよいよ覚悟を決めなければいけないかも知れません…)




