第44話 カウントダウン
冒険者ギルドの依頼を受けて約1ヶ月後
「豹さん、おはようございます」
「兄貴、おざーす」
「鷹さん、おはよう」
豹たちは冒険者ギルドの中心となっていた。本人たちはこんなになると思っていなかったが、あれから毎日冒険者ギルドに通い、指導を行った結果、まずは虎が荒くれ者たちから兄貴と呼ばれるようになり、豹が実はスパルタであるという噂がどこかから広がり、そういうのが好きな冒険者たちが殺到し、鷹は他の2人が怖くて近寄れなかった冒険者たちが皆集まり、かなり静かな特訓が行われていた。それからというもの、冒険者ギルドの雰囲気は一変した。荒くれ者たちも、礼儀を少しずつ覚え、ギルドマスターへの態度も変化。周りの冒険者へも少しずつ敬意を払うようになり、他の冒険者も荒くれ者に対する印象が変化していた。最初は1パーティーから始まった変化が、約1ヶ月で冒険者ギルド内へ伝播し、最初とは比べ物にならない位活気があった。豹たちはギルドマスターに呼ばれていて、奥の部屋に入った。
「梅さん、おはようございます」
「梅ちゃん、はよー」
「梅ちゃん、おはよう」
ギルドマスターは仕事の手を止めて豹たちの方へきた。
「朝から大人気だねぇ、3人とも」
「寄ってくるなら野郎じゃなくて、女の子がいいわ!」
豹に寄ってくるのはいつも問題児の野郎ばかりだった。
「まあ、みんな同じようなものだよ」
「そーです、結局はみんな冒険者なんですから、変わりませんよ」
豹の言葉を聞いた虎が少し怒った。
「誰が言ってんだてめー!知ってるぞ、この数週間の間に、街で豹のファンクラブができてるらしいじゃねーか」
その言葉に豹は動揺した。
「何を言っているんですか、そんなもの知りませんよ」
「兄ちゃん、昨日も、ファン?の子に、プレゼント、もらってた」
豹は鷹の口を塞ごうとしたが、間に合わなかった。それを聞いた虎は発狂しそうになっていた。
「はいはい、あんたたち、兄弟でじゃれ合うのはそれくらいにして、本題に入るよ。約1ヶ月御苦労さん。おかげでこのギルドもいい変化が怒ったよ。ありがとう。これが報酬だ」
するとギルドマスターは予定よりも多い報酬を渡してくれた。
「梅さん、少し多いですよ?」
「いいんだよ、予定よりも早く依頼達成となったし、予想よりもいい結果が出ているんだから上乗せくらいするよ。最近ではギルド受付の応募が増えてきてるんだよ。あんたらのおかげだ」
ギルドマスターの言葉に少し嬉しそうな豹たち。
「まあ、またなんかあったら依頼してきな。まあ次は黎明にだがな」
「じゃあ、今依頼しておこうかね」
「今かよ!なんだ?」
するとギルドマスターは1枚の書類を出した。内容は黎明の新メンバー紹介。報酬は晩ご飯1食。期限はなし
「いつでもいいから達成しな。さ、出て行った出て行った」
そう言ってギルドマスターは3人を追い出した。3人は少し寂しそうな顔をしていたが、次はミヤも連れてきていいと言われたので、楽しみになった。
「さて、あとは王城への挨拶ですね。それが終わったら出発しましょう。ミヤには手紙であと1ヶ月後には到着すると知らせていますので、大丈夫です」
「なんとかなったなぁ。カイルはまだまだやりたそうだったけどな」
「でも、カイル様も、できるようになったね」
カイルはこの1ヶ月他の指導内容は行わず、ずっと薪割りと石割りを行っていた。最初は全くできなかったが、日を重ねるごとに徐々に上達し、今では石割りもできるようになっていた。今では朝起きて薪割りをし、寝る前に石割りをするという生活が普通となっていた。
「さ、王城へ向かいましょう」
3人は王城へ向かった。
数週間前、おじいちゃんの家
「ミヤ、手紙が…」
ドカーーーン!!!!!
おじいちゃんがミヤに手紙を持って行っていると、すごい音がなった。
「できたー!完成!あれ、おじいちゃん?」
おじいちゃんは砂ぼこりが全身にかかっていた。
「あー、おじいちゃんごめん。あれ、それは?」
おじいちゃんは少し咳払いをしながら手紙を渡した。
「3人からの手紙だよ」
ミヤは嬉しそうに走ってきた。
「見せてー。なになに?あと2、3日で依頼が終わりそうだから、そこから1ヶ月かけて帰ります。よかったー、間に合って。みんな依頼達成早すぎるよ」
ミヤはそのまま手紙を読み進めた。
「帰ったら、俺らの成長を見せたい。楽しみにしててくれ!これは虎さんだな。少しご飯作れるようになったから、帰ったら味見してね。これは鷹さんかな?修行って料理修行してたんじゃないよね?でも、みんな頑張ってるんだなぁ。よし、私も完成度をあげよう」
ミヤが手紙を読んでいると、八雲が近づいてきた。
「3人からの手紙か?」
「はい、あと2.3日で依頼が終わりそうだから、あと1ヶ月でこちらに帰ってくるそうです」
すると八雲は何か考えていた。
「送って行ってやろうか?」
「え、3人のところにですか?いいんですか?お願いします」
今回のミヤは早く3人に会いたいという気持ちが強いようで、八雲の提案に即答した。
「いいぞ。やりたいことがあれば待っててあげるから、帰りも連れて帰ってやろう」
「やったー!じゃあ、2日後に出発でもいいですか?一応クライ女王国の少し前に連れて行ってくれますか?流石に女王国の中に急に現れたら問題なので」
「わかったよ。2日後だと少し早いかもしれないぞ?1日待つことになってもいいのか?」
「待ちますよ!なんなら門の前に立っといて、みなさんが出てきたところを驚かそうと思っています」
ミヤは少し悪そうな顔をしていた。
「わかった。じゃあ、そうしよう。では、残り2日で完成度をあげようかの」
「はい、お願いします」
(みんなに少しは追いついたかなぁ)




