第43話 カイルとの修行
話は豹たちに戻る
冒険者たちの治療後、ギルドマスターのところへ行っていた。
「ギルドマスター、お話があってきました」
冒険者たちは礼儀正しく話していた。
「開いとるよ、どうぞ」
冒険者とともに豹たちも中に入った。ギルドマスターは書類仕事をしているようだった。
「で、どうした?」
「冒険者の再登録をお願いしたくてきました」
ギルドマスターは仕事の手を止め、話を聞く姿勢になった。冒険者たちは自分たちの行いを反省し、また改めて1から始めたい事を伝えた。
「なるほど、どうしたんじゃ急に」
ギルドマスターはおそらくわかっていただろうが、確認した。するとあの後、豹たちと話す中で自分たちだけが不遇なのではない。そして、改めて自分たちには冒険者しかないことも再確認した事を伝えた。
「わかったよ、だが最後の確認じゃ、冒険者の再登録をするという事は、今までの功績がなくなるよ?いいのかい?」
「ああ、大丈夫だ。自分たちの実力不足を痛感した。戦闘も知識もだ。だからもう1度やり直す」
その言葉を聞いて、ギルドマスターは豹たちの方を向いて笑った。
「あんたたちに頼んで正解だったねぇ。流石だよ」
「たまたまだよ」
「この人たちが、素直、だった」
「そうですよ、まあ、これでも変わらなければドラゴンにでも相手させてましたよ」
豹の一言を聞き、冒険者たちは豹の方を見て
「またまたー、ご冗談を」
すると虎は笑いながら言った。
「ばーか、豹は本気だぞ。こういう時は本当にやる」
冒険者たちは青ざめた。ここで気づいておいてよかったと心の底から思った。
「さて、本題に戻るけどねぇ、再登録は却下だ」
その言葉に驚きすぎた冒険者たちは思考停止して口が空いていた。
「えっとー、ギルドマスター?なぜですか?」
冒険者の疑問にギルドマスターが答えた。
「まず、今回反省して、自分から言いに来たなら今後は改善されるだろう。なのでこのまま現在のランクで活動しなさい。それが嫌なら新人研修をもう一度受け直しなさい。そしてそこで学んだ事を次の世代に伝えなさい。それが償いというやつだよ。がんばんなさい」
「わかりました。ありがとうございます。精進します」
話がまとまったところで虎がある疑問を投げかけた。
「ところでよー、あんたたちの名前何ていうんだ?」
虎のその一言に真っ先に反応したのはギルドマスターだった。
「は?あんたたち、まさか自己紹介もしてないのかい?」
冒険者たちはドキッとした。
「あれー?しませんでしたっけ?ははは…」
ギルドマスターは冒険者たちに迫り、ゲンコツをした。
「いてー!すみません」
確かに、冒険者たちは豹たちの紹介の後、自分たちの紹介をしていなかった。
「改めまして、私たち4人は【火焔の剣】(かえんのつるぎ)と言います。俺がリーダーのゼンと言います」
「俺が剣士のガルです」
「同じく剣士のダダです」
「俺は火魔法が使える、魔法使いのベンです」
「以上4名で火焔の剣です。よろしくお願いします」
豹たちも改めて挨拶をした。ギルドマスターはため息をついたが、今後に期待すると伝え、解散させた。火焔の剣は明日新人研修に参加する旨だけ伝え、出ていった。豹たちも王城に戻っていった。王城に戻るとカイルが剣を持って待っていた。
「お帰りなさい。お待ちしておりました。早速特訓をお願いします」
カイルが剣を持っているのを見て、虎が一言。
「剣、いらねーぞ?」
カイルは不思議そうに質問した。
「えっと、剣術の修行をしてくれるのでは?」
「そーだぞ?」
「では、なぜ剣がいらないのでしょう?」
虎はあたりを見回し、頼んでおいた石と薪を探した。
「カイル、石と薪はどこだ?後、斧もいるわ、準備してくれ。豹、鷹、お前たちもやるか?」
「ええ、もちろん」
「やるよー」
カイルは信じれない様子で護衛に探すように言った。
「届きましたけど、これをどうするんですか?」
「カイル、質問いいか?」
虎はカイルに質問をした。
「なんでしょう?」
「ここに薪が300本ある。どのくらいの時間で全てに割れる?」
カイルは予想外の質問に少し戸惑っていた。
「絵、全てですか?えっと、1本1〜2分と換算して、5時間〜10時間ほどあればなんとか?」
「だよなぁ。俺らでもそれくらいだ」
「それはそうでしょう。それがどうしたんですか?」
虎は答えを言う前に次の質問をした。
「じゃあ、次の質問だ。カイル、お前ならこの石を割る時何を使う?」
「えっと、剣やハンマーなどですかね?」
その答えを聞いて、豹たちは少し安心していた。自分たちがおかしいのではなく、やはりあの2人がやばいのだと確認ができた。しかし、やばい人間に追いつくには、自分たちもやっていく必要があるため、この機会を利用して、やっていこうと決めていた。
「虎さん、今の質問はなんですか?意味があるようには思えないんですが…」
カイルは不服そうな顔をしていた。虎がその様子を見て先ほどの質問に答えた。
「うちの新メンバーは薪300本割るのに2時間かかる」
「へぇ、2時間ですか…2時間!?え、えっと…」
カイルは困惑していた。しかし虎は構わず説明を続けた。
「この石も素手で割る。いや、粉々にするな」
カイルはさらに困惑した。
「まあ、それがうちの新メンバーだ。だから俺らもそれに追いつけるように一緒にやる。それが最初の特訓だ」
カイルはまだ納得できていなかった。
「そんな作り話のような人本当にいるんですか?作り話ってことはないですよね?」
「まあ、信じねーよなぁ。俺らも最初は信じれなかったよ。ま、という事で、豹、よろしく!」
虎は急に豹に話をふった。豹はため息をつきながら石を取りに行った。
「カイル様、しっかり見ていてください。私もまだまだなのですが、一応お見せしますね」
そう言うと豹は石を投げ、構えた。目の前に石が落ちたところで、ふっと拳を突き出し、石を砕いた。カイルは信じがたい話が現実味を帯びてきて、少し怖くなった。
「と、まあこんな感じです。彼女はこれを粉々に砕きます」
「虎さんの戯言ではなかったんですね…素晴らしい」
カイルはやってみることにした。が、ただ遠くに飛んでいくだけだった。なんどやっても飛んでいく。豹みたいにその場で砕けなかった。
「はい、質問です」
「はい、カイルくん」
虎は慣れた様子でやりとりしていた。
「何度やっても飛んでいくだけです。どーすればいいでしょーか?」
「カイルの場合は威力が足りないからだな。シンプルな答えだ」
「威力を上げるにはどーしたらいいでしょうか?」
「それはまず自分で考えてみ。なんでもまずはやってみないとな」
カイルは色々考えながら続けた。そして豹たちも再開しした。




