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第32話 ミヤの焦りとお風呂

豹たちがクライ女王国へついた頃、ミヤは八雲とおじいちゃんと特訓していた。

「はぁはぁはぁ、どうですか?」

「まあまあ良くなってきたんじゃないか?」

「八雲さん、飛ばし過ぎじゃないですか?ミヤ、無理したらダメだぞ?」

特訓の影響か、裏の地形が少し変わっていた。

「わしは少しずつと言ってるんだぞ?ただ、ミヤがやめないんじゃ」

「私は、まだまだ強くなりたい。今離れている3人に負けないように。もっともっとできることを増やしたいんです。その為にはもっと頑張らないと。この数日、伸びた実感がないんです」

八雲とおじいちゃんは少し心配になっていた。努力することはいいことだが、何事もやりすぎは良くない。少し休むことも必要ではないかと思っていた。

「ミヤ、少し休憩しよう。カイン、紅茶でも入れよう」

「いえ、もう少しだけ」

その様子を見たおじいちゃんはため息をつき、ミヤに向かって魔法を放った。

「ウォーターボール」

バシャーンとたくさんの水がミヤにかかった。

「おじいちゃん、何するの!?ビショビショじゃない!」

ミヤはおじいちゃんの方を睨んだ。するとおじいちゃんはニコッと笑った。

「ミヤ、落ち着きなさい。何でもかんでもやり続ければいいというわけではない。休むことも大事だよ。伸び悩んでいる時こそ、一息入れてみなさい。とりあえず、お風呂に入っておいで。その間に紅茶を入れておくから、一緒に飲もう」

「…わかった」

水を被って少し落ち着いたミヤは、渋々お風呂へ向かった。身体を洗うと、いろんな汚れがたくさん落ちてきて、こんなに汚れてたんだと気づいた。そして湯船に浸かると自然にフーと声が漏れた。少し湯船に浸かりゆっくりしていると、少しずつ気持ちが落ち着いてきた。少し時間が経った頃、外からおじいちゃんと八雲の声が聞こえてきた。

「ミヤはまだまだ伸びそうですね」

「そうだな。だが、わしらが焦ってはいかん。時間をかけて成長させてやらんと、焦って行動すると、カイン、貴様みたいになってしまうかもしれんからな」

2人は笑っていた。

「八雲さんだって前回ミヤを気絶させたじゃないですか!焦ったんですからね?」

「もういいじゃろ、あの時はすまんかった。ミヤがわしを頼ってくれて嬉しかったんじゃ」

「わかりますけどね。まあ、それもあって今慎重になってくれているからいいんですけどね」

ミヤは湯船に浸かりながら2人の会話をこっそり聞いていた。

(2人って昔からの知り合いだったのかな?おじいちゃんのことカインって呼び捨てにしてるし)

「まあ、ミヤが焦るのもわかるがの。初めて組んだパーティーがあの3人で、向こうは上級冒険者、自分は駆け出しじゃからな。だが彼らが帰ってくるまで早くてもあと2ヶ月。それだけの時間があればミヤはおそらく彼らに追いつくどころか追い抜くぞ」

「焦らずじっくりとやってくれればいいんですけどね。焦ると集中が切れて上手くいかない。それで上手くいかずもっと焦ってさらに集中が切れる。疲れてくるとさらに…これがまた厄介なんですよねぇ。自分では気づくのが遅れるし、周りが言っても逆効果。大変ですよね」

「水をかけたのはいい判断じゃったかもしれんな」

「でしょ?まあ、少しイラっとしたのもありましたが、案外冷静になるものですよ」

2人は笑いながら話し続けていた。ミヤは2人の会話を聞き、涙を流していた。自分のことをこんなに考えてくれて教えてくれる人が2人もいること、そしてその2人に対して睨んでしまったこと。様々な思いが溢れ出ていた。ザブンと湯船の中に沈み、気持ちを落ち着かせた。そして窓から顔を出して2人を探した。

「おじいちゃーん、八雲さーん。上がったら紅茶お願いしまーす!あと、割と聞こえちゃってまーす。恥ずかしいでーす!」

2人はニコッと笑った。おそらくわざと聞こえるように話していたのであろう。ミヤには過保護になってしまうおじいちゃん2人。甘々な2人だった。

「風邪引かないようにしっかり温もってから出ておいで。紅茶も入れておくから」

「今日はしっかり休んで、明日もう一回やってみような」

「うん!」

ミヤはしっかり温まってからお風呂から出た。すると紅茶にご飯、いろいろな物が用意されていた。

「美味しそう、いただきまーす」

「どうぞ」

おじいちゃんと八雲と3人でご飯を食べ、紅茶を飲みしっかりと休憩した。ふと、今の現状を見てみたくなり、自分を鑑定てみた。

ピロン鑑定結果

ミヤ 人間( ) レベル25 火魔法適性◎ 火魔法レベル3 魔法適性◎ 称号: の弟子  の弟子

(あれ?なんか称号増えてるでもなんか見えない。なんでだろ?)

不思議に思いながら2人の方を見た。ふと、2人を鑑定してみたくなった。

(こっそりしてみよ。おじいちゃんの鑑定っていつぶりだろ?)

ピロン鑑定結果(何かの影響で全て見ることはできません)

カイン 人間 年齢:鑑定不可 レベル:鑑定不可 魔法適性◎ 称号:ミヤの師匠 救われた者

八雲 魔法適性◎ 称号:ミヤの師匠

(おじいちゃんの救われた者ってなんだろ?あとは2人とも私の師匠になってる、嬉しいな)

「おじいちゃん、ごめん、勝手に鑑定しちゃったんだけど、おじいちゃんの称号に救われた者ってあるんだけど、これ、何?」

その言葉を聞いたおじいちゃんは思わず紅茶を吹き出した。

「きたな!もーかかったんだけど!またお風呂じゃーん」

「すまんすまん、鑑定されたことに驚いてしまった。その称号は昔ある人に助けてもらったからついたんだと思う。わしもよくわからんのだよ」

「そーなんだー、その人には感謝だね。ちょっともう一回お風呂入ってくる」

「行ってらっしゃい。その間に掃除しとく」

ミヤはもう1度お風呂に入り紅茶を洗い流した。

「八雲さん、鑑定も少しずつ成長していますね」

「そうだな、やはりミヤの成長と同じように成長するみたいだな。少し気にしておこう。それにしてもカイン、ミヤに紅茶をかけるのはどうかと思うぞ?水がうまく行ったからと言って」

八雲はおじいちゃんをからかっていた。

「違いますよ、流石に動揺したんです!すみません」

「まあ、ミヤの成長は嬉しいことじゃないか。指導のしがいがあるな」

「そうですね、頑張りましょう。少しずつ」

2人は嬉しそうに今後の計画を経てていった。

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