第30話 別行動
翌朝、黎明の4人は一旦集合していた。
「さて、今後の予定をざっと決めておきましょうか」
「はいよ」
「はーい」
「お願いします」
豹はざっくりとした予定を説明し始めた。
「まず私たちは今日、冒険者ギルドへ行きます。その後クライ女王国へ向かうことになるでしょう。不本意ながら。はぁ。そして早くて3ヶ月、長くて6ヶ月くらいの以来になると予想されます。クライ女王国にいる間はミヤさんのおじいさんの家に手紙を出しますので、それで近況の確認をお願いします」
「送り返すときはどうしたらいいですか?」
「とりあえず到着したら、泊まる宿の名前を書きますので、そちらにお願いします」
「なるほど、了解しました」
「終わり次第合流する場所は、ミヤさんのおじいさんの家で構いませんか?」
「そうですね、もし八雲さんの家とかの場合は手紙に書きますね」
ある程度の打ち合わせが終了し、4人は一旦お別れした。
「皆さん、お気をつけて〜。あ、鷹さん、これ、一応渡しときます。必要ない方がいいでしょーけど、困ったら開けてください」
「うん?ありがと」
「ミヤちゃんも気をつけて帰省しろよ〜」
4人は手を降って別れた。元黒豹の3人は冒険者ギルドへ向かい、ミヤはワーク国を後にした。門を出て少し歩いていると、聞き慣れた声が聞こえてきた。
「おーい、ミヤー、こっちじゃー」
声のする方をみると、おじいちゃんと八雲がいた。
「あれ、2人とも、こんなところで何してるんですか?いやそれよりもどうやってきたんですか?」
と聞きながらミヤは八雲を見て理解した。
「あ、移動してきたんですね、誰にも見られていませんか?」
「なぜこんなにも普通のことを見られたらダメなんじゃ、じいさんにも注意しろとかなり言われたぞ」
「八雲さん、それ普通じゃありませんからね?」
おじいちゃんもウンウンと頷いていた。
「そんなことはなかったんじゃがなぁ」
「ミヤ、迎えには来たものの、帰りはどうする?歩くか?」
おじいちゃんは迎えには来たものの、ミヤが歩いて帰りたいなら、一緒に歩いて帰ろうと決めていた。
「いや、おじいちゃんたちがいいなら、早く帰って特訓したいの。だから、迎えに来てくれてて、超ラッキー!本当にありがとう」
ミヤのその言葉に2人とも嬉しそうにしていた。
「では、帰ろうか。あっちの木の陰に隠れて移動しようか」
3人は木の陰に隠れて、あっという間におじいちゃんの家に帰った。ミヤは家についてビックリ。なんと家はピカピカだったのだ。おじいちゃんと八雲のことだから、何もせず散らかっていると思っていたのだ。
「2人とも、なんかごめんなさい」
ミヤは2人のことを侮っていたことを謝った。
「やればできるんじゃ。はっはっは」
おじいちゃんは得意げに話した。ミヤも嬉しそうに、おじいちゃんに抱きついた。その後ミヤ達はのんびりとした時間を過ごし、特訓は明日から行うことにした。
ミヤと別れた元黒豹の3人は冒険者ギルドにきていた。
「おー、よく来たお前ら」
ガンロックは朝から元気だった。
「ギルドマスター、まず私たちにいうことはないですか?」
豹が真顔でそう言った。
「おう、すまん、忘れてたんだ。ガハハ」
ガンロックが笑っていると、奥から響がお茶を持ってきた。全員の前にお茶を置いた後、ガンロックの肩に手を置き、少し怒って詰めた。
「ギルドマスター、笑ってごまかせる状況ではないんですよ?新しいパーティーを結成してこれからというタイミングで忘れてましたは、ギルドマスターとして問題がありますよね?自覚が足りませんよね?わかっていますか?」
響に詰められたガンロックは流石に真剣に謝った。
「わしの落ち度だ。こんな時にすまない」
その姿を見てとらが少しからかった。
「流石のギルマスも響さんの尻に敷かれてるのか。面白いものが見れた」
「虎、結婚したら、そういうもんだ」
その会話を聞いていた響が退出しようとしていたが振り返り一言。
「あら、嫌なら離婚しますか?」
「すみませんでした」
妻は強し。と元黒豹の3人は感じていた。
「さて、本題に入るか。以来内容はクライ女王国周辺に出た魔物の討伐と調査だ」
「あれ、思ったより普通の内容じゃね?」
「うん、なんかいつもの無茶振りじゃない?」
虎と鷹が案外大丈夫か?と油断していると、追加の内容をガンロックが説明した。
「そして、【新人冒険者の研修。性根を叩き直してくれ。舐めすぎだ。お前たちのように強い冒険者がいない。育てろ】という伝言。【カイルがお前たちに戦闘術を教えてくれと希望だしている、頼む】という伝言。これを到着して2ヶ月で頼む。ということだ」
3人は改めて女王の馬鹿野郎と思った。
「待ってください、カイル様の戦術指導は構いません。彼の方は熱心ですから、よく話を聞いてくれますし、やりがいを感じます。ただ、新人冒険者の研修!?そんなもの自分たちの冒険者ギルドでやればいいじゃないですか!」
「そうだそうだ!向こうのギルマスもいるじゃねーかよ!」
「うん、あの人もすごい人。なんで?」
3人が疑問に思っていると、ガンロックが説明を始めた。
「向こうにはギルドマスターやベテラン冒険者に敬意を払わないバカが多いらしい。あいつらがどれだけの功績をあげているかも理解できないほどにな。人が増えるとこういうことが増えてくるんだよ。あのおっさんにできるなら、自分たちならもっとできるってな。で、ランクを無視して依頼を受けて命を落としそうになる奴も増える。だから女王はそれをなんとかして欲しいんだろ」
「それはわかりますが、向こうのギルドの問題は向こうで解決するべきでは?」
「うん。そう思う」
ガンロックもそう思ってはいるようだったが、なんとか協力するように3人に伝えた。
「まあ、実際のところは女王がお前たちに会いたいってのが理由だろうよ。女王に遠慮なく意見を伝える冒険者なんてお前らくらいだろ。それが楽しいんだよ」
3人は初対面で意見をズバズバ言い、意気投合したことを少し後悔していた。
「まあ、仕方ない。準備するかー」
「ですね、ミヤさんを待たせすぎないように急ぎましょう」
「うん、頑張ろう」
3人は準備を整え、クライ女王国へ出発した。




