第3話 提案と再会
黒豹が来てから1週間後
「ミヤ、少し魔法の練習をしてみるか?」
「え!?ほんとですか!?」
八雲からのまさかの提案に驚くミヤ
「でも、私魔法がそもそも発動しないので、どーしたらいいのか…」
「あー、それはちょっと考えがあるというか、まあ、うん。」
「なんですかそれ?」
「まあ、今日の仕事が終わったら、そっちの村にでも行ってやろうかの」
「あ、私の村でやるんですか?でも、家にはおじいちゃんがいるんですけど、大丈夫ですか?」
「構わんよ、むしろ好都合だよ」
「え?どーゆーことですか?」
「…」
(答えない、なんだったんだろう?)
お昼過ぎ、いつものように八雲のむちゃくちゃな行動のおかげ?で仕事が終わり、ミヤの村へ向かう準備をしていた。
「何か必要な物はありますか?」
「ミヤのおじいちゃんは何か好きな物はあるか?」
「おじいちゃんですか?んー、紅茶ですかね?」
「…紅茶か。懐かしいな」
「?」
「さあ、向かおうか」
「こっちです、行きましょう」
「あー、ここでいいぞ」
「ここでってなんですか?」
「わしに捕まってくれ」
「はぁ?こーですか?」
ミヤが八雲の袖を掴むと
「移動」
ミヤがえ?という間もなく、ミヤの家の前にいた。
「……………」
理解が追いつかないミヤ。
「ここがミヤの家か?」
「あ、はい、そーだと思います、たぶん(え、八雲さんの家の前に居たよね?どーゆーこと!?ここ、ほんとに私の家?)」
「とりあえず中に入ろうか」
「いや、その前に説明してください!」
「ん?何がだ?」
「今の移動です!なんですか?」
「わかってるじゃないか、移動だ。」
「そーじゃなくて!あーもー!やっぱり普通じゃない」
「まあ、いいじゃないか。入らせてもらうぞ?」
家の中に入ると、おじいちゃんがニコッと
「おかえり、ミヤ」
「ただいま、おじいちゃん。この人が前に言ってた訳のわからないおじいちゃんの八雲さん」
「ほぉほぉ、この人が八雲さんか、孫がいつもお世話になってます」
「…紅茶、持ってきた」
なぜか少し笑っているように見える八雲の顔。
「私入れますね、座っててください」
ミヤが台所へ向かうと、
「八雲さん、おひ…」
「元気そうじゃの、カイ…」
「ははは、あの時の…」
「それはお前が…」
小さい声で会話が進んでいる。ミヤはそんなことには気づかず、さっきの移動について考えていた。
2人がミヤの家に移動した直後。
(なんだ今の!?消えたぞ!?)
突然ミヤが消えたことに驚く虎、大慌てで残りの2人のところへ戻った。
「おい、消えたぞ。居なくなったんだ!」
「消えた?何がですか?」
「監視対象だよ!急に消えたんだ」
「そんな訳ないでしょー?寝てたんじゃないんですか?」
「…コクッ」
「ばか、俺はこんな感じだが、任された仕事だけはきちんとするだろ!本当に消えたんだ。」
「確かに、あなたは言動にかなり問題はありますが、仕事には誇りを持っていますからね。では、事実として、どーしてそーなったんでしょうか?」
「わからない、ほんとに消えたんだ。(もう1人誰か居たような気がしたが…)」
「あとで実際に行って確認してみましょう」
ミヤの自宅にて。
「紅茶入りましたよぉ。何話していたんですか?」
「ミヤはちゃんと弟子ができていますか?と聞いていたんだよ」
「まだなーんにも教えてもらえてないよー。でも、今日初めて教えてくれるって八雲さんから言ってくれたんだ!嬉しくて嬉しくて」
「こんな普通なじいさんに教えてもらうのがそんなにいいかのぉ?」
「普通じゃないでしょー?笑」
笑いながらおじいちゃんが答えた。
王都。
「国王様、失礼します。こちらの書類の確認をお願いします」
「あぁ、わかった」
「またそちらの本を読んでいらしたんですか?」
「あ、あぁ、初代様の手記だ」
「どんなことが書かれているんですか?」
「それはお前が気にするようなことではない!」
怒りを露わにした国王。
「申し訳ありません、失礼します」
逃げるように出ていく兵士。
「ふぅ、どうしたものか…」
閉じられた本の表紙はこうだ。
【ワーク1世の手記】
初代ワーク王の手記だ。




