第28話 国王の称号
「全部、超美味しいんですけど。国王様は毎日こんなのを食べているんですか?」
ミヤはどの料理も美味しくて感動していた。そして言っていたように、ものすごい勢いで料理を食べていた。
「ミヤよ、誰も取ったりせんからゆっくり食べていいぞ」
国王はあまりの早さに心配していた。
「国王様、言ったでしょ?飯食わしとけば何とかなりますよって」
虎が笑いながらそう言うと、ミヤの方からナイフが飛んできた。
「おい、あぶねーな!ミヤちゃん!?殺す気か!?」
「失礼な虎さんはこの世から消えればいい」
ミヤは笑いながらフォークを構えてもう1度投げようとしていた。
「ごめんごめん、でもだいぶ落ち着けただろ?」
「まあそうですけど…」
ミヤは少し納得がいかない様子だった。しかし、ご飯を食べて落ち着いたのは事実だった。
「さて、食べながらだが、少しずつ話そう。ミヤよ、鑑定はいつから使えるんだ?」
国王はミヤがリラックスしたことを確認して、本題に入った。
「初めて見えたのはおじいちゃんですね。だから、3歳くらいだったと思います。でも、昔すぎてどんな内容が見えたとかは覚えていないんです」
(そーいえばあれ以降おじいちゃん鑑定していないな。見たら怒るかなぁ。まあ、こっそり見てみよ)
「そうか、今はどの程度使いこなせるんだ?」
「全くだと思います。レベル差があると見えませんし、ノイズがかかることもあります。でも、許可してもらえたときは割としっかり見えてるんじゃないですかねぇ。どの程度がMAXかはわかっていません」
ミヤが説明した後、国王は少し考えていた。
(許可か…まだ許可をするべきではないだろうな…もう少し聞いてみるか)
「その許可でどの程度のことがわかるんだ?具体的には」
「そうですね、現状、過去の事、称号を持っている人なら称号。あとは魔法が使えるなら適正とか。あとは人に知られたくない事も少し見えてしまいますね。国王様の場合は国家機密とかも見えてしまうかもしれませんね。なので許可はやめましょう」
ミヤは笑いながら言った。国王も笑いながら、
「そうだな、まだ知られたくないことは色々あるからな。だが、まあ、鑑定はしてもらう必要があるんだ。儂の現状を把握したくてな」
国王は真剣な表情でミヤに伝えた。ミヤは不思議そうな顔をしていた。
「ミヤよ、食事を終えたら、少し2人で話すことはできないか?」
豹、虎、鷹は少し警戒した。それに気づいた国王は、
「心配するな、別に手にかけようとか危険な真似はせんよ。ただ、鑑定をした時に周りに知られたくないこともあるだろ?お前たちもあったんじゃないのか?」
豹、虎、鷹は身に覚えがあったので、納得し、許可を出した。食事が終わり、ミヤと国王以外は外に出た。
「すまないな、ミヤ、急にこのような状況になって」
「いえ、構いませんよ。それで、どうしたんですか?」
国王は少し沈黙した。
「ミヤよ、私を鑑定してくれないか?そして、結果を教えてほしい。ただ、その鑑定結果は他言無用で頼む。ただ、鑑定を許可する訳ではなく、勝手にミヤが鑑定してくれ。すまないな、矛盾した言い方をして」
「いえ、構いません。国王様って大変なんですね。何もわかってないですけど…では、鑑定しましょうか」
すると、国王は少し待つように言った。そして一呼吸した。
「よし、頼む」
ミヤは頷いて鑑定をした。
「鑑定」
ピロン鑑定結果(妨害があるため、表示できる情報に限りがあります)
カイゼル・ワーク5世 123歳 レベル99 称号:真実を知る者 悩みもがく者 状態:不安 今ではないと考えている
「すみません、見えたのは国王様の名前、年齢、レベル、称号、不安になっていること、今ではないって考えている。ってことですかね?何か悩み事ですか?」
国王はミヤの質問に答えようとはしなかった。
「称号はなにがあった?」
「えっと、真実を知る者と悩みもがく者の2つです。あとは何かに妨害されていて見えないってなってます」
国王は少し安心した表情をしていた。
「ミヤ、またいつか鑑定を依頼するかもしれない。その時がきたら、また頼めるか?」
国王からの以来にミヤは笑顔で答えた。
「もちろんです。私で力になれることがあればやりますよ!」
「ありがとう。私自身も自分の気持ちが理解できない時があるから、その時はまたお願いする。今日はありがとうな」
ミヤはご飯のお礼を伝えてから出ようとした。すると国王が呼び止めた。
「ミヤ、鑑定は人を幸せにする為に使いなさい」
ミヤはよく意味がわからなかったが、頷いて黎明と合流した。その後黎明は宿に行き、就寝した。
「国王様、お疲れ様でした。いかがでしたか?」
「良い娘だったぞ。そして私の今の気持ちもわかった。すまないな、迷惑をかける。あと少し、協力してくれ」
「もちろんです。では失礼します」
部下が出て行った後、国王は本棚からいつもとは違う本を取り出した。
【ワーク2世の手記】
父上の考えは間違っている。傲慢すぎだ。勇者カインを処刑したことは間違いだった。もっと話を聞き、真摯に対応するべきだった。国民に嘘の情報を流し、勇者カインは魔王を封印するために命を落としたということになっているがそうではない。父上が自分の欲望のために処刑したのだ。いずれこの事実が明るみになれば王家は終わりを迎えるだろう。しかし、万が一鑑定が使える者が現れた場合、その鑑定によってこの事実が明るみになる危険がある。そうなる前に事実を公表する必要がある。もし自分の代に鑑定が使えるものが現れたなら、その者と協力し、事実を話すタイミングを模索し、できる限りの誠意を国民に見せるべきだ。それでも解決しなかった場合は、命を持って償おう。私の代に鑑定を持つ者が現れなかった場合は、子孫たちよ、すまない、鑑定を持つ者と協力して王家の罪を償ってくれ。
国王は手記を閉じた。
「ふぅ、まだその時ではないかもしれんな…私の代でミヤが現れたのは、もう運命だと受け入れるしかないな。準備をしていくしかないな」
国王は手記をしまい、寝室へと向かった。




