第27話 国王との対面
王城
「国王様、失礼いたします。ギルドから使いで参りました」
リコナはガンロックからの手紙を渡した。国王は内容を確認し、少し考えた。
「リコナよ、この返事はそなたにそのまま渡しても構わないか?」
「はい、準備ができるまでこちらで待機しておきますので、問題ありません」
国王はガンロックへの返事を準備した。そしてリコナへ渡した。
「では、頼んだぞ」
「かしこまりました。早急に届けてまいります」
リコナが出て行った後、国王は準備をするように部下に伝えた。
「返事には今日くるように伝えた。お前たち、すまないが夕食の準備をしてくれるか?」
「お任せください」
部下たちは急いで準備に取り掛かった。
冒険者ギルド
「パパ、返事もらってきたよー」
リコナが冒険者ギルドに帰ってきた。
「早かったな、ということは今日来いってことだな、予想通りだ。お前たち、準備はできてるか?」
「いや、私がせっかく行ったんだから内容くらいは見てよ」
リコナがそう言うと、響が受け取り、内容を確認した。
「あなたの予想通りね、皆さん、準備できてますか?」
そう言って後ろを振り返ると、綺麗な格好をした黎明がいた。
「私、こんな服着るの初めてなんですけど…ドレスよりはマシですけど、ちょっと苦しいです」
「俺も久々に着たなぁ」
「それは私もですよ。以来自体はギルドマスターから受け取りましたし、王城に行くのは久々です」
「僕、絶対喋れない。話振らないでね」
4人とも動きにくそうだった。
「さあ、行ってこい。そして、虎、問題を起こすなよ?」
「なんで名指しなんだよ」
黎明は笑い合い、緊張がほぐれた。
「馬車の用意ができました。こちらへどうぞ」
黎明の4人は馬車に乗り王城へ向かった。
おじいちゃんの家
おじいちゃんと八雲は黎明の様子を見ていた。
「ミヤ、綺麗だなぁ」
「すごく似合ってるな。直接見たいか?カイン」
「そうですねぇ、かなりそう思います」
「行くか?」
八雲のその言葉に少し悩んだおじいちゃん。だが、今は自分が出向くべきではないと判断し、断った。
「今回は見守ることにします。必ずしも何かあるという訳ではないでしょうし。それにあの3人もいます」
「そうか、わかった」
八雲も無理強いするつもりはなかった。
「国王と会った後こちらに帰って来るんじゃったよな?」
「ええ、その予定でしたよ?」
「近くまで迎えに行ってやるか?それくらいなら問題ないじゃろ」
おじいちゃんは嬉しそうにした。
「王都の外にはしましょうね?人がいない所でお願いしますよ?みんな急に人が現れたらびっくりしちゃいますから」
「普通の事なんじゃがのぉ」
「八雲さん、普通じゃありませんからね」
おじいちゃんと八雲はミヤのお迎えに行くことを決め、紅茶を飲んだ後、準備を始めた。
王城の前に馬車が停まった。黎明が降りてきた。ミヤは近くで見る王城のデカさに感動していた。
「すごーい、おっきーい。近くでみるとさらに大きいですね!警備の人も強そうですね」
「ミヤさん、今回は観光という訳にはいかないので、気をつけておいてくださいね」
ミヤも豹の言葉で落ち着きを取り戻した。
「はい、大丈夫です。ふぅ」
「大丈夫、なんかあっても俺らがいるし、問題ねえよ」
「うん、大丈夫、守るから」
やはり3人はとても頼りになる存在だった。王城内に案内された4人。いよいよ国王との対面となった。
「黒豹の3名並びにミヤさんが到着いたしました」
「入れ」
大きな扉が開くと、その先に国王の姿があった。豹、虎、鷹は慣れた様子で国王の前まで進んだ。ミヤは国王の姿を見て圧倒され、緊張していた。ぎこちない動きになっていたが、何とか国王の前まで進んだ。そして4人が並んだタイミングで膝をついた。
「国王様、我ら3名、国王様の依頼通り、鑑定の娘をお連れしました」
豹はいつにも増して丁寧な物言いをしていた。
「ご苦労であった。道中問題はなかったか?」
「はい、多少の魔物には遭遇しましたが、こちらのミヤさんにも協力してもらい、難なく切り抜けることができました」
「そうか」
その後少し沈黙が続いた後、国王はミヤに話しかけた。
「ミヤと言ったかな。王都は初めてか?」
ミヤは急に話しかけられたので、驚いてしまった。
「は、はい、そうですね、えっと、はい」
「ミヤよ、緊張することはない、こういった場は初めてだと理解している。不敬だ何だと騒ぎ立てることもせぬから、リラックスしなさい」
ミヤはそれでも緊張していた。見かねた虎が動いた。
「国王様、失礼します、ミヤちゃんは食べることが大好きなので、先に食事を食べさせてやればリラックスできると思います。いかがでしょう」
その言葉を聞いたミヤが
「もう、虎さん、人を食いしん坊みたいに言わないでくださいよ」
といつも通りに戻った。
(さすが虎)
と豹と鷹は思った。ミヤはハッとして、
「失礼しました」
と焦って謝ったが、国王は
「ははは、やっと緊張が解かれたか。言葉遣いなどもそのうち慣れてくれれば良い。少しの間は不問とするから気にせず話してくれ」
「ありがとうございます。頑張ります」
国王はミヤが少し落ち着いたのを確認し食事の準備を指示した。
「今回連れてきてもらったのは、鑑定という能力を把握するため、また、ミヤと少し話をしておきたかったというのが理由だ。血生臭い話などではないから4人とも安心してくれ。食事でもしながら話をし、それで終わりだ。楽しんでくれたら嬉しい。おい、準備をしてくれ」
国王の言葉に使用人たちが反応し、大きな机も出てきた。そしてその上に豪華な食事がどんどん並んできた。
「すまない、好みがわからずたくさん用意してしまった。すべて食べ切ろうとしなくて良いからな」
その言葉を聞いたミヤが
「えっと、全部食べても良いってことですか?」
と聞き返した。国王は笑いながら
「食べれるのなら全て食べて構わないぞ。ミヤは成長期かな」
国王が笑っていたので、黎明の3人も笑っていたが内心は引いていた。
(ここに来るまでに屋台行きましたよね。食べてましたよね?)
(いやいやいや、ミヤちゃん、この量だよ?この机が埋まってるんだぞ?まあ、冗談も言えるようになったってことかな?)
(ミヤ、胃袋も規格外?)
料理が並び終わり、とりあえず食事を始めることになった。




