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第25話 一悶着

ミヤたちは冒険者ギルドに到着した。ミヤたちが入ると周りの冒険者たちがざわついていた。

「黒豹だ。強そうだな」

「なんか国王から指名依頼だったらしいぞ」

「ちっ、気にくわねぇな」

様々な声が飛んでいた。

「みなさん、有名人なんですね」

ミヤが3人にそう言うと

「ミヤさん、すこーし揉める可能性があるので、近くにいてくださいね」

豹がそう言うと、虎と鷹がミヤの周りを囲った。受付に着いた。

「黒豹のみなさん、おはようございます。本日はどのようなご用件ですか?」

「今日は彼女の冒険者登録と、新しくパーティー登録をしたいので、お願いしに来ました」

豹がそう言うと、受付の女性は書類を出した。

「では、まず彼女の情報を記入してください」

ミヤは書類を記入した。

「これでお願いします」

「はい。お名前はミヤさん、魔法適正は火。あ、よかったですね。黒豹のみなさんに火の適正いなかったですもんね。はい、これで大丈夫です。ミヤさんは今日初めての登録なので、Fランクからになりますね」

ミヤが説明を受けていると、虎がその説明を遮った。

「そーだ、ちょっとギルマスいるか?この子のランクのことで話があんだよ」

「虎、まさかボブゴブリンとかのことを言うんですか?」

「それ、まだ早くない?」

「どーゆーことですか?話すとまずいんですか?」

ミヤが気になって聞いていると、鷹が耳打ちしてくれた。

「ボブゴブリンってCランクの魔物、ジェネラルはBランク、普通に戦ったらそうなんだけど、セットで出るとAランクになって、危険度が増すの。さらに強化状態だったでしょ?だからAランクでももっと危険。つまり、それにミヤがトドメを刺したって話をすると、ランクが少し上からになるの。でも、冒険者って負けず嫌いだから、余計な問題が起こる事もあるの」

鷹の話を聞いてなるほど。と思っていると、1人の冒険者が絡んできた。

「おいおい、黒豹は子守でも始めたのか?何だよこの女は。弱そうだなぁ。誘拐でもしてきたか?」

笑いながら話しかけてきたのはガイ。このギルドで黒豹の次に強いとされる冒険者だ。

「ガイ、相変わらず品がないですね。虎がマシに思えますよ」

「おい、豹、どーゆー事だよ!」

「言葉使い、態度、いろいろ?」

「鷹、てめー」

「お2人とも、虎さんに失礼ですよ、虎さんは優しいんですからね?」

ミヤの言葉にガイは憤りを感じていた。

「このガキ、舐めた口きいてんじゃねーぞ!女だからって俺は容赦しねーぞ!」

「みなさん、ギルドでの揉め事はやめてください!」

「うるせー、受付ごときが、黙ってろ!」

ガイの興奮はおさまらなかった。ミヤはこっそり鑑定した。

(鑑定)

ピロン鑑定結果

ガイ 人間 レベル40 土魔法適正◯ 状態:興奮

(みなさんよりかなり弱い…なんでこんなに威張るんだろ)

ミヤがはぁとため息をつくと、ガイはミヤに掴み掛かろうとした。黒豹の3人が止めようとすると、それよりも先にミヤはガイの腕を掴み投げ飛ばした。黒豹の3人も周りの冒険者もポカンとしていた。

「もー、危ないなぁ。怪我したらどーするんですか!やめてください!」

とミヤが言った。投げられたガイは意識を失っていた。少しの沈黙が続き、ワー!と歓声が上がった。

「すげーな、嬢ちゃん!」

「ガイを投げやがったぞ!」

周りが歓声を上げる中、黒豹の3人は冷静に分析していた。

(魔法もすごかったですが、体術もさすがですね。今の一瞬で懐に入り込み、背負い投げ、すごいですね)

(ガイとの体格差であんな軽々と投げるか、相手の勢いを利用したんだな。すげーや)

(ミヤ、なんでもできるね、すごい。僕でも投げられそうだね)

すると奥から野太い声が聞こえてきた。

「おい、何騒いでる。誰だ!」

すると全員が静まり返った。

「あ、ギルドマスター、ガイさんが黒豹のみなさんにちょっかいをかけて…」

「またガイか。あんのガキ。どこにいる?」

そー言うギルドマスターの足元を全員が見た。ギルドマスターも視線を下に落とした。

「おいおい、こいつのびてるじゃねーか!虎、またこっぴどくやったなぁ。ガハハ」

「あ、いえ、虎さんではなく、こちらの方が…」

受付が説明すると、ギルドマスターはミヤの方を見た。

「は?この嬢ちゃんがか!?嘘つけ!虎、お前だろ?」

「いや、マジでミヤちゃんだぜ。俺らもちょっとびっくりしたがな」

「ほぉ、ほんとにこの嬢ちゃんが。やるじゃねーか!で、誰だ?」

「その件で色々相談があるんだよ、奥いかねーか?依頼の報告も含めてな」

その話を聞き、ギルドマスターもある程度理解したようだった。

「あの件か。よし、奥に来い。嬢ちゃんもな!誰かそこでのびてるバカ叩き起こしとけ」

ミヤたちはギルドマスターに案内され、奥の部屋へ通された。その部屋は防音魔法が施されていて、周りに声が漏れないようになっていた。

「で、嬢ちゃんにはどこまで話してるんだ?」

「全て知っていますよ」

「は!?全部か!?依頼内容含めてか!?」

「そーだな、全部だな」

「うん、全部話してます」

ギルドマスターが驚くのも無理はない。国王からの依頼内容を対象者に話してるからだ。

「で、その過程を伝えようと思って呼ぼうとしてたらあのバカに絡まれたってわけ。で、ミヤちゃんが投げた」

虎は笑いながら説明した。ついでに今、ミヤが冒険者登録をして、Fランクになったが、もう少し上に上げるようお願いした。

「なぜ、いきなり上のランクからなんだ?説明しろ」

「机汚れていいか?」

虎がギルドマスターに確認した。

「それは構わんが、なぜだ?」

「ミヤちゃんと4人で、ボブゴブリンとゴブリンジェネラルを倒した」

「は!?お前たち火の適正ないだろ?どーやった?まさか、嬢ちゃんか?」

「論より証拠っていうだろ?だから、出すぞ〜」

すると虎はマジックバックからボブゴブリンの素材とゴブリンジェネラルの死体を出した。

「見てみ、ギルマスならわかんだろ?」

ギルドマスターは素材としたいを確認した。

「おい、このボブゴブリン、食われてるじゃねーか!共食いしたのか?まさか、強化されたのか!?よく倒せたな。しかもゴブリンジェネラル、1撃か?」

ギルドマスターは隅々まで状態を確認した。黒豹はゴブリンの洞窟であったことを説明した。

「つまり強化状態のゴブリンジェネラルを1撃で倒せる魔法をその場で考え、実践し、結果を出した。と?信じがたいが、この傷は火魔法の跡だ。事実だろう。だが、本当に信じがたい…」

ギルドマスターは少し悩んだ後、ミヤのランクを上げることを決めた。

「ただし、いきならは上げない。いきなり上げすぎるとお前たちの力でなど色々難癖つけるやつがいるかもしれん。だから、とりあえずEとし、数回依頼を達成するごとに上げるようにする。それでいいか?」

「ああ、いいんじゃね?そんでまだあんだよ」

「なんだ、まだ問題があるのか?」

ギルドマスターは頭を抱えた。

「黒豹なくして、新しいパーティー作るわ!ミヤちゃんと」

ギルドマスターは驚いた。だが、黒豹な3人は笑いながら説明した。

「実際はパーティー名を変えるって話だけどな」

「そーです、ついに忌々しい黒豹という名前を捨てれるのです」

「元黒豹3人と、ミヤで、パーティー作ります」

「本当に良いのか?黒豹としての実績がなくなるぞ?」

黒豹の3人は平気そうだった。

「大丈夫、すぐ有名になるから」

「そーですね、この4人ならすぐでしょう」

「うん、大丈夫」

「ギルマスさん、お願いします」

4人の意思をしっかり確認できたギルドマスターは承認した。

「で?パーティー名は考えてるのか?」

「はい、私の思いつきですが、採用してもらいました」

ギルドマスターは書類をミヤに渡した。

「私たちのパーティー名は【黎明れいめい】です」

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