第13話 指揮官登場
魔王城
「魔王様、ゴブリンの洞窟に人間が侵入したようです。現在交戦中とのこと。もしかすると全滅かもしれません」
「構わん。自然発生のゴブリンはあっという間に増えてくる。最近も知らぬ間に増えていたからな」
魔王も少し魔物の管理について悩んでいるようだ。
「そして報告ですが、その洞窟で上位種が産まれたようです」
「なに?ボブゴブリンか?」
「はい、そのようです。しかし、それだけではないようです」
「なに?さらにか上位か?」
「いえ、まだ正確な情報はありませんが、おそらく」
魔王が頭を抱えた。
「私とは関係のない魔物たちが増え、人間に危害を加えるのをどうにかしないといけないが、我々がやるわけにもいかない…さて、どうしたものか…」
魔物の発生原因は主に2つある。代々魔王が生み出している魔物。これは一般的に魔族と呼ばれる個体。魔族は基本的に意思疎通ができ、魔族同士で子どもを産み生活する者もいる。もう一つがどこにでもある魔素が原因で生まれてくる者。そういった者を魔物という。魔物は意思疎通が難しく、基本的に言葉も話せない。最近その魔素が原因の魔物が増えすぎ、魔王も困っているようだった。
「すまない、異常発生の原因も合わせて調べておいてくれ。頼む」
「かしこまりました」
「父上の意思を継ごうとしているのに、うまくいかない。父上のところにまた行ってみるか」
魔王は先代魔王のところへ向かった。
ゴブリンの洞窟
奥から現れたゴブリンは今いるボブゴブリンより大きく、人間の防具のような物をつけていた。
「おい、あれはちょっとヤバくねーか!?」
「あれは、ゴブリンジェネラルですか?」
「2体同時、無理、どうする?」
黒豹の3人は少し焦りながらも、冷静に状況を確認していた。ミヤはゴブリンジェネラルを鑑定した。
ピロン鑑定結果
ゴブリンジェネラル オス 弱点:火 火耐性:弱(防具)称号:ゴブリンの指揮官 特異点 言語:弱
(弱点:火なのに、火耐性ってなに!?やばいじゃん。それに、特異点ってなに!?)
鑑定結果を見て、ミヤは自分の魔法が効かないかもしれないと、焦りを見せた。
「あの防具なに?やばいじゃん」
「ゴブリンジェネラルは人間の装備などを模倣する習性がらあるんです。本当に厄介です」
「だから、ここで俺らが負けると、より強くなっちまう可能性もある」
「絶対倒さないといけませんね」
逃げるという選択肢は無くなった。全力で戦う選択をした。
「まずは、ボブゴブリンから倒しましょう。ジェネラルには集中しないと負けてしまいます。ジェネラルから倒そうとして長引くのは避けましょう」
豹がそう指示を出すと、
「ニンゲン、カシコイ、ヨウシャシナイ」
なんとゴブリンジェネラルが人間の言葉を話した。
「こいつ、人間の言葉話せるぞ!?そんな魔物聞いたことねーよ」
「魔族ならまだしも、単なる魔物が話すなんてありえないです」
「俺、初めて、聞いた」
黒豹の3人でも初めての経験だった。ミヤは鑑定結果を思い出した。
「特異点って関係ありますかね?」
「特異点というのは、普通の進化じゃなく、突然変異した状態、未だ原因不明ですが、そういった物が特異点と言われます。なぜそうだと?」
(やっちゃったー、また言っちゃったー)
ミヤは少し考えて、答えた。
「八雲さんが以前話していて、特徴?というかなんかあれが似てるなって思って」
咄嗟に出た嘘だった。
「なるほど、八雲さんがおっしゃっていたんですね!あの方は何者なんでしょー?」
「それ、私も知りたいです」
「まあ、その話はまた後で。まずはボブゴブリンから狙いますよ」
ミヤと黒豹が戦闘態勢になった時、ゴブリンジェネラルが吠えた。
「ガー!!!!!」
その声に反応して、ボブゴブリンがミヤたちに突っ込んできた。
第2ラウンド開戦!
「アースウォール、アースニードル」
鷹は土の壁を作ってボブゴブリンの周りを囲み、地面から土の魔法をぶつけた。ボブゴブリンは少しダメージを受けたが、コンボウを振り回す。
「ギャー!」
コンボウで土の壁を壊し、鷹目掛けて突っ込んだ。それを見て、ミヤが魔法を使おうとすると、岩が飛んできた。
「オマエハ、ヒヲツカウ、サセナイ」
ゴブリンジェネラルがミヤに魔法を使わせないように、岩を投げていた。
「本当に賢くなってるんですね。どーしよー…とりあえず、避けないと」
ゴブリンジェネラルがたくさんの岩を投げた。その度にミヤは避けて魔法を使う隙をうかがっていた。ゴブリンジェネラルはあまりにも避けられる為、だんだんとイライラしていた。
「オマエ、ヨケスギ、タイリョク、ドーナッテル?」
ゴブリンジェネラルがイライラした隙を突いて、
「ウォーターボール」「サンダーボール」
豹と虎がゴブリンを倒した方法でゴブリンジェネラルを攻撃した。
「ギギギ、シビレ、ル」
効果はあったようだ。だが、致命傷とはいかなかった。しかしその隙にミヤがボブゴブリンに魔法を放った。
「ファイヤーボール!」
ボブゴブリンに魔法が当たった。
「グギャー」
流石のボブゴブリンも膝をついた。
「効いてますね!もう一度やりましょう!」
もう一度ファイヤーボールを唱えようとすると、また岩が飛んできた。
「オマエ、キケン」
ゴブリンジェネラルはミヤを警戒している。豹と虎はもう1度ゴブリンジェネラルに魔法を放とうとした。すると今度はボブゴブリンの方から岩が飛んできた。
「おいおい、両方から飛んできだしたぞ。めんどくせー!」
「さて、どうしましょうかね…」
豹と虎が岩を避けていると、
「みんな、離れて。アースウォール。アースウォール」
鷹の魔法がボブゴブリンとゴブリンジェネラルをそれぞれ囲った。
「今、ボブゴブリンをやって」
「ありがとうございます、鷹さん。ファイヤーボール!」
「ナイス、鷹!豹合わせろ!」
「素晴らしいです、鷹さん!」
「ウォーターボール」「サンダーボール」
全員がボブゴブリンに向けて魔法を放った。
「ギャー」
ボブゴブリンは倒れ込んだ。
「流石にやったろ?」
「はい、流石に大丈夫でしょう」
「あとはゴブリンジェネラルですね」
「うん」
そう話していると、
「ガー!!!」
と叫びながらゴブリンジェネラルがアースウォールを壊して出てきた。そして、ボブゴブリンが倒されているのを発見する。
「ヤラレタカ」
ゴブリンジェネラルはニヤッと笑った。
(なに?笑ったよね、今)
ミヤがそれに気づき、黒豹の3人に言おうとすると、すごい勢いで岩が飛んできた。
「みなさん、避けてください!」
ミヤたちは避けるが、更に岩が飛んできた。
「あいつ、急になんだよ」
ゴブリンジェネラルは岩を投げながらボブゴブリンに近づいていく。
「オマエ、ツヨカッタ。ダガ、マケタ。ダカラ、オレノ、カテニナレ」
そう言うとゴブリンジェネラルはボブゴブリンを食べ始めた。
「は!?あいつなんで死んだ仲間食ってんの!?」
「彼らなりの埋葬方法でしょーか?」
ミヤはそー言ったが、豹は寒気がした。
「みなさん、一斉に攻撃してください!」
その声に反応して全員魔法を放った。
「ファイヤーボール」「サンダーボール」「ウォーターボール」「アースニードル」
ドカーンという爆発音が響いた。
ゴブリンジェネラルはダメージを受けていたが、お構いなしにボブゴブリンを食べ続けた。すると、みるみる今までのダメージが回復し、身体が大きくなった。
「フゥ、クッタ。イイ、チカラガワイテクルゾ」
ミヤは鑑定をした。
ピロン鑑定結果
ゴブリンジェネラル オス 弱点:火 火耐性(防具) 称号:ゴブリンの指揮官 特異点 言語:弱 状態:腕力強化、回復力強化、防御力強化
(めちゃくちゃ強化されてるじゃん)
「サア、イクゾ」
第3ラウンド開戦!




