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報酬 -Result-

「そういえば……バルトさんの過去について、少し聞かせてくれないか?」


リリアは歩調を緩め、少し考えるように視線を落とした。


「……ええ、少しなら」


「欲は強くて、少し強引な人だったみたいです。危険な道でも『自分なら大丈夫』と突っ走るような……」


「でも、奥さんには優しかったそうですよ」


リリアは小さく微笑んだ。


「今回の依頼も、エレナさんが必死に頼みに来ていました。……ヨハクさんが引き受けてくれて、本当に良かったです」


――そうか。


短くうなずき、ヨハクは前を向いた。


「ギルドに戻ろう」


「はい」


二人は並んで歩き出す。


---


ギルドはまだ静かだった。


「報酬は銀貨30枚。今回は困難な依頼を解決ということで、追加で、35枚になる見込みです」


リリアが差し出した羊皮紙に目を通し、サインをする。


革袋の重みが、手の中に落ちた。


「……ありがとうございました」


リリアは少し照れたように微笑む。


「ああ、また頼む」


---


「最近、東の街道方面は少し危険になっています」


リリアは声を落とした。


「霧の遺跡……ご存じですか?」


「少しだけな」


「視界が悪く、長くいると幻覚や混乱を起こすと噂されています。霧の中には、影のような魔物が潜んでいるとも……」


「……黒い森と繋がってる、か」


リリアは小さく頷いた。


---


掲示板に目を向ける。


・廃坑の調査

・影狼の討伐

・商人護衛

・月草採取


「今日は報酬を受け取ったし、休もう」


「……そうですね、それがいいと思います。」


---


工房で装備を整える。


異常はない。


「やれやれ……色々あったな」


---


昼間の酒はやけにうまい。


「とりあえずビール」


口に出した瞬間、妙な既視感がよぎった。


懐の重さとは裏腹に、胸の奥に空白がある。


何かを――置いてきた。


だが、思い出せない。


「……ま、いいか」


グラスを煽る。


---


数日後。


十分に休息は取った。


だが、空白は残ったままだ。


ヨハクはいつものようにギルドへ向かう。


---


「おはようございます」


リリアが微笑む。


掲示板には新しい依頼が並んでいた。


日常は、変わらない。


――そのはずだった。


---


そのとき。


背筋をなぞるような感覚。


冷たい。


だが、不快ではない。


――覚えのある気配。


振り返る。


人混みの中に、ひとりだけ“馴染んでいない存在”。


黒髪。


静かな立ち姿。


空気が、わずかに沈む。


その女は、こちらを見て――


わずかに、口元を歪めて言った




「……見ぃつけた」

ここまでが序章になります。

読んで頂きありがとうございました。

序章最終話はかなり簡略してます。


話のトーンやスタイル的になろうよりカクヨムの方が合っているようなので、続きはカクヨムの方で毎日更新しようと思っています。

やりとりや小ネタなどカクヨム版はもう少し詳細に、濃いめに描くつもりです。

4月19日(日)12時に序章最終話、19時に新章一話更新予定です。

どうぞよろしくお願いします。


カクヨム ー観測される世界で、俺は後ろに通さないー

攻撃も理不尽も、俺は後ろに通さない/MELLBRAN

https://kakuyomu.jp/works/2912051597406412265




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