7話
ーー13:24
夏に近い感じの日差しの強さだ。
梅雨と夏がミックスしたような日差しがボロボロの3人を照らしている。
「...あの野郎...!」
「落ち着けローレンス!仕方がない!」
「黙れ!許せねえんだよ!あの黒ずくめ野郎!」
「ボスがどういうことやら...なぁアドナス」
「ケニー、そんなことはどうでも良い!2人とも考えろ...」
「死ね!死ね!死ね!あのベッチとかいう野郎!死ね!」
遠くから声がする。
正確にはドア越しに声が聞こえる。
バァン!
勢いよくドアが開いた。
ドアの向こうにはケニー・ローレンス・アドナスが立っていた。
「どうしたんだ?中まで声聞こえてたぞ」
カートが心配そうに駆け寄る。
次々とウイスタンらが駆けつけてくる。
「依頼失敗。逃げられた。」
アドナスが悔しそうに言った。
「逃げられた...殺し系の依頼だよな」
ジェイが質問するように言う。
「ベッチっていう野郎を殺せばよかったんだ。だがしゃーねえよ...あいつ狂ってやがる!人を生け花のように飾ってあるし...サイコパスだ!」
アドナスは涙目で言い放った。
「まぁまぁ...ボスに言えば何とかなるさ」
ビリーは軽いノリで言う。
「ちくしょうちくしょう...失敗だ...ちくしょう...」
「まずいな...大分ヤバい状況だぞ」
「ベッチっていう奴今どこにいるか分から...ないよな」
「車で逃げたよ。警察1人殺して。現場にちょっくら顔見せたけど」
「...狂ってるやつなんだよな」
「5歳で殺しをやってる」
「5歳...?!そいつは馬鹿なのか?」
「母親と病院の院長」
「わお...」
みんなで話し合っている。
カートはそんな様子をただ見つめている。
殺気が立った目で、見つめている。
じーっと...ただ見つめている。
睨みつけるかのように...
ーー19:05
夜...
冷たい空気が室内を走り回る。
「おい...とっととこいつを殺せ...アドナスと、ウイスタン」
カートはもの凄い形相で言う。
「ビリーだ。彼は裏切り者だぞ...?!そうだ写真の野郎だきっと!」
ビリーはカートに反論するように言い返す。
「悪いけど、俺を攻めまくってどうする?ただ単におかしいぞ普通にみて君は。大体お前は何で断言できるんだ?!変な言い訳しかできないクソ野郎が!」
「うるさい黙れ!」
ウイスタンが割り込む。
二人ともシーンと黙り込んだ。
ウイスタンはそういうと壁に寄りかかって座った。
アドナスも同じように座る。
ウイスタンが座った隣には、血まみれの仲間が倒れていた。
だが気にせずずっと下を向いている。
アドナスの隣にはドアがある。
ドアからは冷たい風の音が聞こえる。
ウイスタンは次第に気になったのか、仲間の方を見る。
じっと、血まみれとなりうつ伏せの仲間を見つめる。
手には銃を持っている。
「...」
銃を取り、中身を確認する。
弾数はゼロだった。
仲間の近くには無数の銃弾が落ちているので、使い切ったのだろう。
ウイスタンは手を仲間の顔に近づける。
手には最初に髪の毛がついた。
次に皮膚。冷たくなり生気が無くなっている肌触りだ。
ウイスタンはガバッと髪の毛を引っ張り顔を見た。
「...ケニー...」
ウイスタンはつぶやいた。
ケニーの顔は絶望そのものだった。
何か、悔しそうな顔だ。
「...はぁ...」
ウイスタンはため息をつくとケニーをやさしく元に戻した。
「くそ...!」
ウイスタンは拳を床に叩きつけた。
音は反動し、室内に響き渡った...




