5話
ーー9:00
バン!
バンバン!
ババン!
銃声が微かに鳴り響いた。
男は耳が良いので聞こえた。
「!!」
男はびっくりして物陰に隠れた。
「なんだ...?仲間割れはないよな...今回の手に入れるの苦労したんだぞ...」
黒いコートをサッと被って拳銃を構える。
目の前にはパルプフィクション風のマンション。
男は小走りでエレベーターに向かって走り出した。
バン!
更にもう一発。
男はびっくりして立ち止まってしまった。
「くそ...なんなんだ?」
男は汗をかきながらエレベーターのボタンを押す。
その時、ポケットから何かが出てきた。
「あ...」
レシートだ。
「ムカつかせやがって...!」
男は面倒くさそうにレシートに手を伸ばした。
「届かな...」
「あいよ」
住民が取ってくれた。
住民は優しい瞳で男へレシートを差し出した。
「朝からイライラしてても嫌でしょ」
「...ありがとう」
「にしても珍しい名前ね。”ベッチ”?レシートに名前を書くなんて変なことしてるのね」
「あー。ちょっとした習慣でね。変だけど」
「ふーん...」
住民は不思議そうな顔をして去って行った。
ちょうどエレベーターがついた。
チン
鐘の音がエレベーター内に響く。
ゆっくりとドアが開いていき、ベッチは下を向いて前へ出た。
「...」
「ゲロ吐いてもお前が責任取って掃除しろよ?」
「はいはい」
陽気な二人組がいる。
「...」
後ろにはもう一人
3人の内2人はベッチの顔を見つめていた。
ベッチも顔を見る。
1人は汗をかきながら深刻な顔でベッチを見つめる。
ベッチは顔を振った。
「ああ神様...」
3人はエレベーターで降りていった。
ベッチはゆっくりと部屋へ歩いていく。
唇を嚙み締め、速足で。
「くそ...くそ...」
ベッチの足音がマンション内に響き渡る
「くそが...!」
バン!
ベッチは思いっきりドアを開いた。
「!!」
ベッチは固まってしまった。
「あいつら...」
ベッチは恐る恐るゆっくりと部屋の中へ進んでいく。
ゆっくりと進んでいく。
リビング...ポーカーが残っている。
机の下に2人、血まみれで横たわっている
キッチン...また1人
「く...」
ベッチは慌てて個室へ向かった。
個室は荒らされていた。
部屋のものすべて床に落とされていた。
写真のギャラリーから一つだけ、取られている。
「カナフ(ボス)のところだ...!」
ベッチはそういうと思いっきり暴れ始めた。
「くそ!くそ!くそが!」
ガシャン!
机を蹴り上げた。
「一体この薬にどれくらいの時間を費やしたと思ってる!」
ガン!
思いっきり壁を叩く。
「死ね!死ね!くそが!」
ガン!ガン!ガン!!
何度も何度も叩く。
ベッチは下にある死体に目を向けた。
「なぁお前」
指を指す
「俺の怒りがわかるか...?」
ベッチは拳銃をセットする。
「どれくらい時間を費やしたんだろうな。」
ベッチは死体の胸倉をつかんで怒鳴り散らした。
「なぁ?!」
パァン!
ベッチは死体へ向けて発砲した。
血は花火のように部屋へ飛び散る。
弾は目玉に刺さり、そこらじゅうに飛び散る。
「次だ...なぁ...まだ収まらないぜ」
ベッチはキッチンへ向かった。
早歩きでキッチンへ向かう。
「はぁ...はぁ...!」
ガラン...
乱暴にナイフを取る。
「なぁ...」
ベッチはもう一度死体の胸倉を掴む。
ナイフをさっと出した。
「わかるか...?」
ベッチはナイフを上へ持ち上げる。
「なぁ...?!」
ナイフを振り下ろした
ドス!
ナイフは頭に突き刺さり死体は床へ放り捨てられた。
ベッチは言いながら何度も繰り返す。
「わかるかって聞いてんだ!」
何度も刺す。
服に血が大量につく。
「おい!おおおおおいいい!」
ドス!ドス!ドス!ドス...
死体は見るに堪えない姿へと変わった。
部屋は血まみれ、ベッチも血まみれになった。
「はぁ...はぁ...」
ベッチは荒々しく走り始めた。
マンションの廊下を颯爽と。
「ちくしょう...」
ベッチはエレベーターを無視して階段をかけ降りていく。
「うわぁ!」
急いで何度か落ちそうになった。
ガタ...
「あ」
ドドドドド...
ベッチは思いっきり階段から落ちた。
「くっそ...」
「おい大丈夫かい?あんた!」
さっきの住民だ。
「偶然だが...本当に大丈夫かい?!服が血まみれだよ!」
住民は心配そうにベッチへ駆け寄る。
「大丈夫...だ...」
ベッチは辛そうに起き上がる。
「あんたこの血どうしたんだ...?!」
住民は不思議そうな顔でベッチを見つめる。
「全身血まみれじゃ...」
住民は下を向いた。
住民は震えあがって固まってしまった。
ベッチの手に拳銃があったからだ。
「あんた...あ...」
「別に君に危害を加えることはない」
「...」
「邪魔しやがってあのクソ野郎!」
ベッチは街を走りながら叫んだ。
周囲からジロジロ見られる。
「あとちょっと...あとちょっとだ...はぁはぁ...」
街中は人通りが多い。
「朝から安いよ...」
「ママー!!」
「今日の朝はこれ!新風味ピラフ...」
「号外号外!大統領が重大発表だぞ~!」
街中は声で溢れかえっていた。
「く...」
ベッチは人にぶつかりまくる。
「急がなきゃ...ちくしょう...時間は...?」
ベッチは腕にある時計を見た。
「9:10...大丈夫だ...うわぁ!」
「どこ見てんだ!」
ベッチは駆け回った...




