完結御礼 あとがき
まずは、この長大な物語の完結までお付き合いいただいた皆様、本当にお疲れ様でした。そして、ありがとうございました!
正直に白状します。この物語、風呂敷を広げすぎて自分でも畳み方が分からなくなり、長らく「自縄自縛」という名の冬眠に入っておりました。設定が壮大すぎて、書き始めた頃の自分を「ちょっと落ち着け」と小一時間問い詰めたい気分でした。
その結果、数年単位で放置……。作者が物語の迷宮で遭難するという、笑えない喜劇を演じていたわけです。
そんな私が、なぜ今さら筆を執り、完結まで漕ぎ着けられたのか。
答えはシンプル。ただの「意地」です。
物語を投げ出したまま死ぬのは、自分の人生の負債を放置するようで、どうにも寝覚めが悪い。優吾の咆哮をベルリンの闇に閉じ込めたままにするのは、あまりに不憫ではないか――。そんな、自分勝手でちっぽけな意地だけが、錆びついた筆を動かしてくれました。
さて、今後の予定ですが、あと二作、自分の心に決めた物語を完結させたら、私は筆を置こうと考えています。「筆を折る」なんて格好いいことは言いません。
これまで散々わがままに付き合ってくれた相棒(筆)を折るなんて、失礼千万ですからね。役割を全うした道具として、そっと横に置く。それが私の理想とする、少々地味で、けれど潔い「引退試合」です。
紆余曲折ありましたが、この物語のどこか一節、あるいは誰かの一言が、皆様の心の隅っこにでも「引っ掛かって」くれたなら。
それは、遭難から帰還した作者にとって、これ以上の報酬はありません。
「やれやれ、ようやく終わったか」
そんな苦笑いと共に、この物語を閉じていただければ作者冥利に尽きます。
長い間のご乗車、誠にありがとうございました。
次なる(そして最後から二番目の)旅路で、またお会いしましょう。
著者:Tohna




