第2章 漆黒の集団(夏目ホノカ編)中編
――――虹夢大学 正門――――
大学の前に黒い車が止まっていた。おそらくは…………。
僕は睨むようにその車を見つめる。…………ホノカの姿が見えた。
真瀬莉緒
「ホノカ!!」
夏目ホノカ
「莉緒さん!!」
僕は不審者たちに立ち向かうが、あっけなく突き飛ばされる。
真瀬莉緒
「くそっ…………。」
不審者
「ふん。俺たちに歯向かうからだ。…………おい。そいつの服を剥いでみろ。アジトでやるつもりだったが予定変更だ。見せしめとしてやれ。」
下っ端たちはホノカの服を脱がそうとする。
夏目ホノカ
「いや…………! やめて…………!!」
その言葉で、僕の頭の何かが外れるような感覚がした。
真瀬莉緒
「やめろおぉぉぉぉぉぉ!!」
僕は下っ端に蹴りを入れる。下っ端たちは突き飛ばされて気絶する。
そして指示をした親玉のやつにも大きい蹴りを入れる。
不審者
「ぐはっ…………!!」
真瀬莉緒
「ホノカに触るな!! 触って良いのは僕だけだ!!」
不審者
「くっ…………くそ…………。」
パトカーのサイレンが鳴る。警官たちがやって来て、不審者たちは逮捕されていった。
真瀬莉緒
「ふう…………。」
夏目ホノカ
「莉緒さん…………。」
真瀬莉緒
「ホノカ。大丈夫かい?」
夏目ホノカ
「はい…………なんとか。」
真瀬莉緒
「よかった…………。無事で…………。」
夏目ホノカ
「それよりも…………莉緒さん。」
真瀬莉緒
「……………………?」
夏目ホノカ
「私のことを…………本当に大切に思っていたんですね。」
真瀬莉緒
「もちろん。僕はホノカのことを大切に思っているんだから。」
夏目ホノカ
「莉緒さん!」
ホノカは僕を強く抱きしめる。
真瀬莉緒
「ホノカ…………。どうしたの?」
僕は夏目さんの思わなかった行動に動揺を隠せない。外も夕方でまだ明るい。こんなことを人前で堂々と…………。
夏目ホノカ
「わかりません。けど何故かこうしていたいんです…………。今はただ、温もりに包まれていたいです。」
真瀬莉緒
「わかったよ…………。気のすむまで…………。」
夏目ホノカ
「……………………。」
正門を見るとそこにリカコとメイの姿が見えたが、僕はただただホノカを抱きしめる。
春井リカコ
「……………………。」
名雲メイ
「リカコ。やっぱり諦めたら? 莉緒くんはもうホノカがいるんだから。」
春井リカコ
「…………そうね。やきもちを焼くのはもうやめるわ。」
抱擁を終えた僕たちはサークル部屋に戻った。
――――虹夢大学 音楽サークル部屋――――
夏目ホノカ
「どうやら部屋は荒らされてはいないようですね。」
サークル部屋で楽器が壊れていないか確認をする。どれも無事みたいだ。
夏目ホノカ
「せっかくですから今の楽曲の現状を整理をしましょう。」
真瀬莉緒
「そうだね。…………今の現状はこんな感じかな?」
僕は楽器を奏で始めた。
真瀬莉緒
「どうかな?」
僕は演奏を終えて、ホノカに聞いた。ホノカの反応は…………?
夏目ホノカ
「素敵です…………! この曲なら…………みなさんも喜びます!」
ホノカは喜んでくれた。あとはホノカが演奏できるかどうか。僕は問いかける。
真瀬莉緒
「ホノカ…………演奏できるかい?」
夏目ホノカ
「もちろんです。期待に応えて見せます。あの頃の私とは違うんです。」
真瀬莉緒
「…………ああ! その調子だよ!」
あの頃。僕たちが出会った学園でとある騒動があった。その騒動にホノカは少しだけ絡んでいた。
夏目ホノカ
「…………生徒会長から。…………自分の怖さから逃げた私ですが。もう逃げるつもりはありません。けど今日だけは…………甘えさせてください。」
真瀬莉緒
「ああ…………。」
夏目ホノカ
「伊剣さんには色々とご迷惑をかけましたが、過去に未練を持たずに前を進んでいきます。」
真瀬莉緒
「その調子だよ。」
ホノカは嬉しそうに僕を見つめる。僕もそれを見て嬉しくなる。
僕たちは嬉しい気持ちを持ちながらみやくる荘に戻った。




