第7話:モンスター狩りの第三試験パート1
読者の皆さん、こんにちは!どうぞお楽しみください!
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長距離走のしばらく後――騎士科の試験会場。
生徒たちは今、会場からほど近い大きな塔へと向かって歩いていた。
太陽は真上にあり、容赦なく照りつける。騎士志望の生徒たちは疲れ果て、制服は汗で肌に張り付き、足取りは重い。中にはまっすぐ立っていられない者もいた。
「はあ…はあ…」
「もう…無理…」
「み、水…」
数人がその場に倒れ込む。膝を抱えてうつむく者。大の字になって空を見つめる者。次の指示を待ちながら息を切らす者。
ウリンも息を切らせ、腰をかがめて膝に手をついていた。汗が滴り、地面に小さな染みを作る。
それを見たリナリアは、考えるより先に足を踏み出した――しかし、
「背筋を伸ばせ!立っていられない奴は腕立て伏せ百回だ!」
ロジャーの怒号が雷のように轟いた。
騎士志望の生徒たちは一斉に背筋を伸ばした。疲れで足が震えても、逆らえる者はいない。ロジャーの眼光が彼らを貫く。
合格したいなら、従うしかない。
「遅い!もっとピンと伸ばせ!」
ロジャーの声に、背筋がさらに伸びる。
やがて騎士志望者たちは整列し、魔導士志望の列の隣に並んだ。魔導士たちはまだ余裕の表情だ――彼らは先の走りに参加していない。
彼らの前には、三人の試験監督官が立っていた。
魔導士試験監督官ヴァニア・デリシアは、穏やかな笑みを浮かべて立っている。その目は優しさに満ちている。
一方ロジャーは、今回は狼の耳を覆う魔法の兜を被っていた。あの事件以来、彼は大きな音に敏感になっている。
そこへ、小柄な女性が軽やかに現れた。
鮮やかな紫色の魔導士服。高い帽子。左手には、先端に白く光る球体を備えた木製の杖。彼女は大げさな仕草で登場した――まるで舞台に上がる役者のように。
「みなさーん!こんにちはー!元気ですかー?」
その声はあまりに陽気だ。
しかし返ってきたのは沈黙だけ。
「あれ?なんで黙ってるの?私が『こんにちは』って言ったら、みんなも返さなきゃ!それが礼儀でしょ!」
彼女は腰に手を当て、頬を膨らませた。
「もう一度!こんにちは!」
「……こんにちは……」
気の抜けた声が返る。まるで葬式の挨拶だ。
後方の列で、ヘルマンが小声で呟いた。
「ちっ…このチビ、うっとうしいな。俺たちが疲れてるの、わかんないのかよ」
隣のアリヤは微かに眉を動かしたが、黙っていた。
その瞬間――
女性の笑顔が消えた。
「……今、何て言った?」
声は静かだ。しかし先ほどの陽気さは微塵もない。氷のように冷たい。
杖が振られる。
瞬時に、魔力でできた巨大な手が現れ、ヘルマンを掴んだ。彼の体はまるで玩具のように宙に浮かされる。
「聞こえなかったと思ったの?私のこと『チビ』って呼んだでしょ?」
「ぐっ…!ち、違います…!」
魔力の手がさらに締め付ける。ヘルマンの顔が苦痛に歪む。
「わ、私はまだ…あなたの名前を…知らないので…」
「あ、そうだったわね」
魔力の手が消える。
ドスッ。
ヘルマンが地面に落ちる。周りの生徒たちは息を呑み、声を出す者はいない。
女性は再び愛らしく微笑んだ。先ほどの冷たさは消え、元の陽気さに戻っている。
「改めまして、私はキキ教授。魔法アイテムと魔法陣の担当よ。よろしくね?」
生徒たちはただ呆然と、その激変ぶりを見つめるしかなかった。
ロジャーが手を叩く。乾いた音が空気を震わせる。
「よし。本題に入る。お前たちの最終試験は――テライングの森での魔物狩りだ」
空気が一瞬で張り詰める。ただの緊張ではない――血の気配が漂い始める。
「実在の魔物を狩るんだ。ランクEからCまで。Eは1ポイント、Dは2ポイント、Cは5ポイントだ。合計10ポイントで合格だ」
「E…Cって…本当に戦うんですか?」
「当たり前だろ。遊び場じゃないんだぞ」
ヴァニアが続ける。
「もし怪我をした場合、あるいは10ポイント集めた場合は、アサブの現れる方角へ向かいなさい。そこに私たちのキャンプがある」
彼女は空を指さした。
一匹の妖精が彼らの頭上を舞っている。羽根が陽光にきらめく――それは魔導士試験で使われたのと同じ妖精だ。
「監視はこの子たちの視界を通して行うわ。何かあればすぐに分かるから――」
「よし、始めましょう!」
キキが元気よく杖を打ち鳴らした――ヴァニアが話し終わるのを待たずに。
瞬時に――
彼らの足元に巨大な魔法陣が現れた。
まばゆい光。
次の瞬間――
彼らは空中に放り出された。
「うわああああ!!」
悲鳴が響く。
「な、なんだこれ?!」
「飛ばされた?!」
「落ちる!落ちるぞ!」
もがく者、目を閉じる者、呆然と口を開ける者。
「えへへ、ちょっとやりすぎちゃったかも?」
キキは無邪気に笑った。
「キキ教授!?どういうことですか!?」
ヘルマンが叫ぶ。その声は風に消えかけている。
「これも試験の一部だと思ってね!」
「はあ!?」
ロジャーでさえ、ただ呆然と見守るしかない。魔法の兜が風圧でわずかに揺れる。
「歩いて行けばよかった……」
彼の呟きは誰にも届かない。
混乱の中、魔法を使える者たちは浮遊したり落下を遅らせようと試みる。
「フラワーペタル…!」
「ウォーターボール!」
「ファイアバースト!」
各々が必死に呪文を唱える。
アリヤは冷静に状況を観察していた。風の流れ、落下速度、周囲の位置――すべてを瞬時に計算する。
リナリアは魔法をうまく出せない。両手を前に突き出し、必死に呪文を唱えようとするが、魔力は制御できない。
そしてウリンは黙って下方を見つめていた――何かを探すかのように。
アリヤはウリンに近づき、何かを彼の制服に滑り込ませた。
「ウリン、リナリアを頼む」とアリヤ。
ウリンはその意図を理解したようで、小さくうなずいた。
次の瞬間、アリヤはウリンをリナリアに向かって投げ飛ばした――まるで槍のように、一直線に。
ウリンは空中で体勢を整え、リナリアを抱き寄せる。その体は軽く感じられた。
「きゃっ!」
「掴まれ!」
二人は魔力で体を覆う――
ドオオオン!!
二人は地面に着地した。砂埃が舞い上がる。
「大丈夫か?」
「あ、あたしは…平気。ありがとう…」
リナリアの頬が赤くなる。落下の衝撃だけではない。
「……怪我は?」
「ないわ。ウリンが守ってくれたから」
リナリアは自分の肩を撫でながら微笑んだ。
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――――
一方その頃。
アリヤは一人の眼鏡をかけた魔導士を見つけた。その手は震え、必死に呪文を唱えている。しかし魔力は形にならず、風の制御もできていない。
「おい、魔法は使えるのか?」
「使、使えます…」
「よし」
アリヤはヘルマンを睨んだ。
「ヘルマン、俺の手を掴め。メガネが何とかする」
三人はさらに地面に近づく。あと数十メートル。
「トルネード・ウェーブ!」
眼鏡の男が叫んだ。
竜巻が発生する。
しかし制御は酷いものだった。三人は木に激突し、落下する。
「あいたたたっ!」
ヘルマンが叫ぶ。彼の体は枝に引っかかっていた――助かった。
「おい!なんで竜巻なんか使うんだ?!俺たちを殺す気か?!」
「す、すみません!」
眼鏡の男は青ざめ、何度も頭を下げる。
「喧嘩するな。魔物狩りに集中しよう」
アリヤは淡々と言った。服は枝で破れているが、表情は変わらない。
ヘルマンは眼鏡の男から離れ、服の埃を払いながら歩き出した。
「お前は来ないのか?」アリヤが尋ねる。
「こいつを連れて行くのか?これは個人の課題だぞ!グループじゃない!」
「心配するな。こいつはきっと役に立つ魔法を持っている」
「もし役に立たなかったら?」
アリヤは微かに笑った。
「餌にしよう」
眼鏡の男が震え上がる。顔が恐怖に引きつる。
「おい、メガネ、名前は?」
「ルディ・アルマンダです…」
声はか細い。
「よし、ルディ。これから俺たちと一緒に行動する。異論はあるか?」ヘルマンが言う。
「な、ないです…」
「よし、じゃあ行こう」
アリヤは背を向け、森の中へ歩き出す。
ヘルマンは肩をすくめ、その後を追う。
ルディは一瞬ためらったが――すぐに二人の背中を追いかけた。
森の奥から、何かの唸り声が聞こえる。
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続く
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