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やる気のない使用人が勇者候補の相棒にされ、王女たちの恋の争いに巻き込まれる  作者: 猿飛銀時


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第11話: 予想外の敵が来た!パート2

読者の皆さん、こんにちは!どうぞお楽しみください!

紫の髪の女が、ヘルマンの首筋に剣を突きつけていた――彼はまだ彼女に跨られたままだ。




ドクン…ドクン…ドクン…




ヘルマンは硬直する。胸が激しく上下する。




倒れていたルディがよろよろと起き上がる。彼はヘルマンを見て、手を振りながら近づき始めた。




「待って!待ってください!俺たちは戦うために来たんじゃない!」




茂みの陰から、クラリッサが歩み出る。手にした扇子が顔の半分を覆っている。




「スミレイちゃん、やめて」




「はい、クラリッサ様」




剣が下ろされる。スミレイは立ち上がり、クラリッサの隣に立つ。




クラリッサは扇子をパタリと鳴らす。目を細める。




「それで…なぜ私たちの後をつけてきたのかしら?」




アリヤがヘルマンを立たせる。ヘルマンはまだ少し震えながら、首をさする。




「ウリンとリナリアのところへ向かっているところだ」アリヤは淡々と答えた。




「それは奇遇ね」クラリッサは扇子の向こうで微笑む。「私も同じ方向へ向かっているところよ」




「なら問題ないな」ヘルマンが図々しい笑みを浮かべる。「一緒に行こう」




スミレイがクラリッサの耳元に近づく。小さく囁く。




「クラリッサ様…彼ら、怪しい気がいたします」




「おい!何をこそこそ話して、こっちを見てるんだ?」アリヤが抗議する。




シュッ!




木の陰から何かが飛んできた。




蜘蛛の巣――スミレイの右腕に絡みつく。




「――!」




強く引かれる。スミレイが木の方へ引きずられる。




ヘルマンが跳ぶ。剣を抜く――ビュッ!――巣が断ち切られる。




そしてスミレイは――ヘルマンの腕の中に、まさにお姫様抱っこの形で落ちた。




静寂。




スミレイは彼を見つめる。冷たい視線だ。




「……」




「……」




スミレイはヘルマンを押しのける。立ち上がり、衣服を整える。




「助けなど必要なかった」




影から蜘蛛が現れる。




スミレイは驚く。




先ほど襲ってきた蜘蛛は――彼女が先ほど首を刎ねたあの蜘蛛だった。




「動くぞ!」ルディが叫ぶ。「このままじゃ、魔物に囲まれる!」




アリヤは剣を握る。前に歩み出る。




「お前たちは先に行け。ここは俺が片付ける」




「でも――」ルディは躊躇う。




「大丈夫だ」ヘルマンはルディの腕を引く。「アリヤはそんなに弱くない」




クラリッサ、スミレイ、ヘルマン、ルディは走り出し、アリヤを残す。




ルディはうつむく。「心配じゃないのか?置き去りにして――」




アリヤが彼らの横に現れる。一緒に走っている。




「誰を置き去りに?」




「え?!なんで逃げてるんだよ?!」ルディは眼鏡を落としそうになる。




「さっきは心配してたくせに、今度は俺をあそこに戻れと?」アリヤはニヤリとする。「頭おかしくなったか?」




「どうした?」ヘルマンが尋ねる。




「さっきのオーガが…俺を見つけやがった。危うくやられるところだった」




彼らはさらに速く走る。




---




✦ 休憩キャンプにて ✦




シェラはぐっすり眠っていた。傷ついた手はきちんと包帯で巻かれている。




チャンドラは鎧を外して腕立て伏せをしている――汗が額を濡らす。




一人の青い髪の女性が椅子に座っている。お茶を飲む。ゆっくりと。静かに。




タタタタッ!




一人の兵士が慌てて走ってくる。




「全員!キャンプ中央に集合せよ!」




彼は去っていく――来た時と同じくらい速く。




チャンドラはすぐに鎧を身につける。




「チャンドラ…どうしたの?」シェラは伸びをしながら、まだ半分眠っている。




「集合命令が出た――」




シェラは突然起き上がる。目を見開く。




「血の匂い」




「は?」




「血の匂いがする」




「……」




下から。




ゴゴゴ…ゴゴゴ…




彼らの前方の地面が割れる。




魔物――巨大なモグラだ。鋭い爪。頭には保護用の兜。




一匹。二匹。三匹。七匹。まだいる――地下に。




「はは!俺たちを喰いに来ただけか!」シェラは戦闘態勢に入る。




チャンドラの手が彼女の襟を掴む。




グイッ。




「おいおい!離せよ!戦うんだ――」




チャンドラは走る。シェラを引きずって。




彼らはあの青い髪の女性を置き去りにする――まだ座っている。まだお茶を飲んでいる。




「まあ、まあ、まあ…」女性は微笑む。「どうやら始まったようだ」




---




✦ 別の場所 ✦




ウリンはちょうど休憩を終えたところだった。隣にはリナリア。




暗闇の中から――人影が現れる。




黒い。二足歩行。ゆっくりと歩く。近づく。




ウリンは剣を取り、立ち上がる。




「ほう…これが今の勇者の姿か?」その声は深い。重い。




「お前は誰だ?」




「挨拶に来たわけじゃない。私はここに…」彼は手を上げる。「お前の実力を見に来た、ウリン」




ウリンが倒したはずのゴブリンたちが――動き出す。起き上がる。その体は完全に再生している。




「ゴブリンが…生き返った…」ウリンは呟く。




「ウリン、下がって」リナリアは前に出る。「私が何とかする」




リナリアは手を掲げる。




冷気が辺りを包む。ゴブリンたちが――氷に閉ざされる。




「見事だ」その声が再び聞こえる。「だが、お前は黙っているべきだった」




ボスッ!




凍りついたゴブリンたちの体に黒い炎が燃え上がる。




熱気が――リナリアの氷を瞬時に溶かす。




「何だって?!」




「ならば…」黒い瞳がウリンに向く。「見守らせてもらおう、勇者殿」




「リナリアさん、逃げてください!」




「嫌よ!まだ戦える――」




リナリアは氷の武器を作り出そうとする。黒い炎が――溶かす。




ウリンは既に戦っている。彼の剣はゴブリンたちの武器と交錯する。受け流す。斬り捨てる。しかし奴らは生き続ける。甦り続ける。




リナリアは氷の針を放つ。黒い炎が――すべてを溶かす。汗が彼女の顔を濡らす。




すべての攻撃が――砕かれる。一秒ごとに――重くなる。




ウリンは剣を強く握る。




息は荒い。




しかしその目は――決して諦めていない。




一匹のゴブリンが前に出る。跳ぶ。棍棒を頭上に掲げる――リナリアを叩こうと。




「リナリアさん!」ウリンが叫ぶ。




ビュッ!




「グギャア!」




リナリアは腕を交差させる。その場を動かない。目を閉じる。




攻撃が迫る――




ビュウウッ!




止まった。




「姫様」アリヤが背後からゴブリンを刺す。「遅れて申し訳ありません」




ゴブリンはまだ痛みにのたうち回る。アリヤは剣を地面に振り下ろす――ズドォン!――ゴブリンは真っ二つになった。




「嘆かわしい」クラリッサが木々の間から歩み出る。手には扇子。「たかが一匹のゴブリンに苦戦する姫を見るのは」




「お前たち――」ウリンは驚く。




「おーい、勇者様!」ヘルマンが手を振る。「これ、取れ!」




一瓶のポーションが空中を舞う。ウリンはそれをキャッチ――パシッ!




「ありがとう」




一口飲む。体が軽くなる。




あの謎の存在が――動く。近づく。手に剣を持つ。




「まあ、まあ、まあ…」その声は深く、冷たい。「どうやらお前たちは私の力試しの邪魔をするようだ。奴の話では、誰を殺しても構わない――勇者以外は、とな」




アリヤはニヤリとする。目を細める。




「力試し…面白そうだ」




---




続く

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