放課後の静寂と、凍えるプライド
正座以外の用事で校庭に出る時は、一応靴を履くことだけは許された。しかし、放課後に課される「校庭での正座」の時間は、文字通り裸足だった。
放課後。
誰もいなくなった、冷たい風が吹き抜ける校庭の片隅で、裸足で正座をする。
冬の地面の冷たさは、瞬く間に足の裏の感覚を奪っていった。ジンジンとした痺れがやがて鋭い痛みに変わり、太ももからふくらはぎへと寒さが這い上がってくる。
それでも、当時の私はどこか無敵だと思っていた。
「放課後に正座さえ済ませれば、ジャージを返してもらえる」
その見通しがあったからこそ、凍える寒さの中でも、悪ガキとしてのプライドを保っていられたのだ。いたずらをやめる気などさらさらなかった。
◇
小学五年生の冬、ある日の放課後のことだった。
その日も何かのいたずらで「半袖」の罰を受け、校庭での正座を命じられていた私は、何を考えたのか猛烈に面倒くさくなった。
「なんでこんなに寒いのに、じっと座ってなきゃいけないんだ。もう帰っちゃえ」
恐れを知らない子供の短絡思考だった。
私はジャージを職員室に残したまま、半袖半ズボンの裸足に靴という奇妙な格好で、そのまま家へと帰ってしまったのだ。
翌朝、私は母親が洗濯してくれていた「洗い替え用の予備のジャージ」を何食わぬ顔で着込んで登校した。
しかし、教室で待ち構えていた担任の先生によって、すぐさま職員室に連行された。
先生は当時40歳前後。本当は優しい一面もあるのだが、いたずらや規律を破る行為に対しては、鬼のように厳しい人だった。
当然、こっぴどく叱られ、当日着てきた予備のジャージもその場で没収。
再び私は薄い半袖半ズボンの一枚きりにされた。
そして、先生から言い渡されたのは、私の悪ガキ人生を揺るがす恐ろしい新ルールだった。
「今日から一週間、放課後の正座が終わってもジャージは返さない。一週間、その半袖半ズボンの格好のまま登下校しろ」
ついに、放課後の一時的な罰だった「半袖」が、私の私生活にまで侵入してきたのだ。
読んでいただきありがとうございました!
悪ガキたちのプライドをかけた闘いは、ここからさらにエスカレートしていきます。
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それでは、次のエピソードでお会いしましょう。




