ゼロ度の境界線と「半袖」の洗礼
ご覧いただきありがとうございます。北風頑太です。
本作は、昭和の終わりのとある地方都市を舞台に、理不尽な学校のルールと己の意地、そして寒さに立ち向かった少年たちの、少しおかしな冬の闘いを描いた物語です。
全六話の短期連載(毎朝1話公開予定)となります。
スマホでサクサク読める文字数に調整していますので、昭和のノスタルジーを感じながら、最後までお付き合いいただければ幸いです。
※本作は昭和の終わりを舞台にした物語です。当時の学校の様子や悪ガキの行動をそのまま描いていますが、現代の基準とは異なりますので、古き良き(?)時代の思い出話として温かい目で読んでいただけますと幸いです。
昭和の終わり、地方都市の冬は容赦なく冷え込んだ。
通学路に広がる田んぼの水たまりには、毎朝のようにぶ厚い氷が張り、登校する小学生たちの吐く息は真っ白に凍りついた。
朝の気温はゼロ度前後。雪がしんしんと降り積もることも珍しくない地域だった。
当時の私たちの学校では、驚くべきことに「体操服での通学」がごく一般的な日常だった。
薄手の半袖シャツに、今では見かけることもなくなった極端に丈の短い紺色の半ズボン。それが基本のスタイルであり、冬になるとその上に長袖長ズボンのジャージを羽織って寒さをしのぐのが、当時の子供たちの「普通」だった。
しかし、その防寒具であるジャージは、時に牙を剥く。
学校には、今では考えられないような明確な「罰」が存在していた。いたずらをしたり、度を越した悪さを働いたりすると、先生から一言、宣告が下るのだ。
「おい、お前。ジャージを脱いで『半袖』になれ」
殴り合うような大喧嘩、授業中の一線を越えた悪ふざけ。
それらの罪に対する代償として、防寒着である上下のジャージは没収され、職員室の片隅へと連行された。さすがに忘れ物ひとつくらいでその罰が下ることはなかったが、私は自他ともに認めるクラスの悪ガキたちのリーダー格だった。
そのため、毎日のように先生から「半袖」を言い渡されていた。
この「半袖」の罰には、厳格なルールがあった。
男子が生意気に防寒用の下着を体操服の下に着ていようものなら、それすらも容赦なく脱がされ、薄い体操服一枚の「純粋な半袖」にさせられた。
下着のパンツはもちろん履いてよいのだが、それは今よりかなり短いショートパンツの体操半ズボンである。さらに、普段の校内では靴下と上履きを履いているのがルールだったが、この罰を受けると靴下も上履きも取り上げられ、完全に裸足にさせられた。
読んでいただきありがとうございました!
悪ガキたちのプライドをかけた闘いは、ここからさらにエスカレートしていきます。
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それでは、次のエピソードでお会いしましょう。




