76 ルイスの日常…
ルイスと少女が出会う5ヶ月前くらい…
俺達は王国からさほど離れていない場所に位置する小さな村に住む事になった。ホーエンによる王国襲撃から後の話…。それからそこに俺達は引っ越しをして生活をしている。
あの騒動から既に3ヶ月くらい経っている。今、ここの村には、俺、ヒナル、コタース、スルト、俺やスルトの母親…。更には仁さん、ペトロさん、フレア、ケアルもこちらで暮らしていて、他にミランダの父親であるカノープス隊長が「ミランダもこっちに住まわせてやってくれ」との事でミランダも一緒だ…。
更には、クリステル、シュー、エアロともちょっとずつまた距離を縮めていき、一緒に村に来ている。
この村には色々な人が移住してきている。俺の後を追うようにやってきた王国の住民や、ラビット族、仁さんを慕う忍者の生き残りの人達、エルフの国からも近いためかエルフ族。そして母さんが元々がアスガルド国の王妃という事もあり魔族ことソロモン族の人達も一緒に暮らしている。
しかも何故か、俺が村長みたいになってしまっているし…。
村といってもそれなりに大きくて、設備もしっかりしている…。人が増えれば街と言ってもいいくらいの良い所だった。
「ルイス君?これここでいいかな?」
「ああ!いいよ!後は俺がやっておくから」
この地域はすっかり雪景色…。白い美しい景色が目の前に広がっている。俺はストーブの火元にする薪を斧で割っている。横でミランダが薪を置いてくれたりと手伝ってくれている。
「それにしても寒いね…。」
「本当だなぁ~」
今日は冷え込んでて寒い…。外の水が凍っているし、耳たぶも赤くなってジリジリして痛い…。
厚着をしているが、中まで冷えてくるほどの寒さだ。
「そういえば、最近、森の中でビッグベアがでたんだって…。冬って冬眠してるはずなのに見掛けたって…」
「らしいね。昔、何人もビッグベアにやられたんだっけ?冬に冬眠しない熊ってやばいな…」
「まぁ、ルイス君ならイチコロでしょ?」
ミランダは 手手のひらを口に近づけながら 、はぁーはぁーと暖かい息をかける。手が冷たいのだろう…。
「そりゃ~そうかもしれないけど、やっぱり皆に危害あったら嫌だからね…。それよりも寒いの?」
「大丈夫!えへへ!!ルイス君はやっぱり優しい!」
そう言うとミランダは追い被さるように抱きついてくる。彼女の体温が体に伝わって暖かさを感じる…。
暫くする作業をしていると、シューが駆け寄ってくる。
「兄貴~!木材たくさん取ってきたぜー!」
「ありがとう!」
俺はシューに貸していた王様から貰った宝具の一つ。ストレージバッグをシューから手渡され木材を取り出す。シューのスキルはどんなものでも矢と同じく放てるスキルを持っているため簡単に木材を伐採できるらしい。
「ミランダさんも手伝っていたの?」
「うん!伐採お疲れ~!」
「うん!ありがとう!ミランダさん! えっとー僕も何かする事ある?!」
「うん~…。ルイス君?何かシューに出きるのある?」
シューは目を輝かせながら言うが…。
「うん~…。あるにはあるけどさ?とりあえずは…、疲れただろ?少しやすんでろよ?」
「ボクなら大丈夫だよ!兄貴の側にいれるんならなんでもするよ!」
シューの俺に対しての想いが1年前以上に強く感じる。それはクリステルもエアロも同じだった。まだ完全にお互いは過去の事を忘れたわけじゃないけど少しずつお互いを信頼しあって来ている。でもね?特にシューについてはやたらと攻めが強い…。
この村に来てから1ヶ月くらい経った時、初めてクリステルやシュー、エアロとも関係を持った。3人とも行為が終わった後のベッドのシーツについた血を眺めて泣いていた…。
それは俺に初めてを捧げれたと確信して今までの気持ちがどっと溢れたんだろう…。
「じゃあ、エアロはこの木材を薪でも割れるサイズに切って貰おうかな?」
「ああ!任せとけよ!」
「ルイス君?次のここに置くね?」
俺達3人はそれから薪割りをする。次第に自宅の方から不思議な臭いが漂ってくる…。
「あ!!この臭い…!」
「あ、兄貴…。クリステルが兄貴達に料理を作るってご機嫌だったぜ!」
「ルイス君!良かったじゃない!」
いや…。ミランダ…。お前は知らないんだろ?クリステルの料理が…アレなの。
「私も前にご馳走してもらったけど、美味しかったからね!」
「「へっ!?」」
ま、マジすか!?このお嬢様はどんな味覚をしているんだ!?
………。
……。
…。
晩御飯は、皆して俺の家で食事をするのが日課になっている。仁さんはペトロさんと二人で食べるため、ここにいるのは俺以外全員女の子…。この比率はヤバイんだよ…。
「はい、皆さん~食べてくださいね!一杯作ったから!」
クリステルが大きな鍋に入った料理を皿に乗せ配膳されてくる。見た目は赤黒く…。なんとも不思議な臭い…。いや、美味しそうな匂いと言っておこう…。
「ま、まぁ、クリステル姉様は昔から料理が好きですからね…」
「えっ?普通に美味しいじゃん!お兄ちゃんもたくさん食べてあげなよ~」
ヒナルの味覚もあれらしい…。
「うげ!この緑のまた入っているのじゃ!これ嫌いなのじゃ!」
「スルト~っ!ピーマンは~っ、食べなきゃだよ~っ!」
コタースはスルトにそう言うが…。もう一人、スルトの味方がいた。
「スルトもわかる!?ピーマン嫌いなんだよ!アンタにあげるわ!私からのプレゼントよ!有りがたく思いなさい!」
そう言うと、スルトとケアルは俺の皿にピーマンを大量に入れてくる…。それを見ているクリステルの目が怖い…。
「し、しまったのじゃ!クリステルにみられたのじゃ!」
「うわ!まず!!」
「ふふふ!ピーマンをちゃんと食べないとダメじゃありませんか!?」
母性本能剥き出しにしながらクリステルは二人に注意する。これじゃまるで母親と子供だ。
「ルイスさぁ~ん?何をそんなにニヤニヤしているのですか?変態!」
「そ、そう!この変態が悪いから食欲すすまないんだ!なんとかしなさいよ!この変態!」
「へ?おれ!?」
「ルイス兄さん…ここはそういう事にしておく…です」
なんか勝手に俺が悪い事なってるし…。
「あっ!このニンジン甘い!コタースちゃん作ったの?!」
ミランダはコタースが作ったニンジン料理を食べる。ニンジンをスライスして砂糖と一緒に煮て作った料理だ。ハンバーグと一緒に添えられた料理だった。
「でしょ~っ!」
確かに、甘くて柔らかくて美味しい…。
「コタースもいつも料理作ってくれてありがとう!」
「ふふふ~っ!ルイスに~誉められた~っ!」
食事を食べ終わり…、皆で片付けをしながらまた楽しく会話をしながら過ごす。毎日がこんな感じだ。凄く幸せで暖かい…。更に夜になれば…。
「ち、ちょっと!たんまたんま!!なんで二人して!?」
「兄貴~?いいじゃん!一人ずつやるより二人の方がさ~?!」
「お兄様…私達は一度きりの相手なんですか?純潔を奪っておいて~」
「そうだぞー!兄貴!観念しろ!」
夜になればこんな感じだ…。体が色々な意味で持たない…。
「や、やめてくれぇ~~~!!」
二人は俺に襲いかかり…。結局は食べられてしまう…。
………。
……。
…。
翌朝になれば、またそれはそれでうるさい朝から始まる…。
「お兄ちゃん… また?! はぁ~…、私のお兄ちゃんなのに… 恥ずかしいってば! でも…、そんなたった一人のお兄ちゃん… ルイス… いや… レイジを好きになったんなら仕方ないよね? ここ異世界だし…! お兄ちゃん大好き!」
ヒナルが全裸で寝ているシューとエアロと一緒になり俺にべたべたとしてくる…。
今日からまた楽しい1日がはじまりそうだ!




