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35 魅惑士…!? ~アレックス視点~ その3

 「な、なんなんだあれは!?」


 フィリシアの表情が引きつって険しい顔になる。そこに現れたのは…。


 デスフラッグ2体の他に… 更にもう6体…、そしてデスフラッグより更に一回り大きく、全身が赤い色のドラゴンみたいなモンスターも現れてきた…。


 「ど、ドラゴン?!ま、まさか…!」


 僕は腰が引けてしまい座り込んでしまう。


 兵士達が次々と攻撃をしかける。各砦の頂上に設置してある砲台に火薬をつけ砲撃するもまったく効いていない。足止めする兵士達はそのドラゴンに似た異様な生き物の大きな首を振り回し、次々と兵士達が吹き飛ぶ…。壁に激突して即死してしまう兵士達…。


 その生き物はさらに背中から大きな針のようなものを複数本放出すると砦等、様々な建物を壊していく。


 更には逃げ惑う人々を襲うデスフラッグ…。デスフラッグはその鎌に似た大きな前足で人々を切り裂いていく…。


 まさに地獄絵図だ…。


 「ドラゴンなんかじゃないぞあれ! 先ずは逃げるぞ!!兵隊達よ!一旦退避!人々をエルドアス王国につれていくんだ!!」


 「かしこまりましたっ!!総員!退避~っ!退避~っ!」


 たくさんの叫び声がエルフ国をこだまする。兵士達が避難指示を出し。国民のエルフ達と一緒にその国から逃げようとしているエルフ国の王様の姿も見える…。


 ドラゴンみたいなその異形のモンスターは口が開く…。僅か数秒…。そのモンスターが赤く光輝くと口から青色のような色をしたビリビリとした閃光を一直線に放射する。無人となっている王国の城が一瞬にして消え去った…。


 フィリシアや僕達も国民達と一緒に仕方なくその場を離れて…王国へと戻る事になったのだ…。



………。

……。

…。


 僕達は王国の王の間に来ている。エルフ国の王とフィリシアも一緒だ…。


 なんでこうなる!でも、俺のせいじゃないからいいんだけどさ~。


 王は話を聞いて、僕達勇者パーティーは今日は遅いという事もあり、明日また詳しく話をする事となった。その日もまた、僕は猿のようにクリステル達とやりまくていた…。これから更にひどい事になっていくとも知らずに………。


………。

……。

…。


 「勇者アレックスよ!事の話は全て聞いた!これは非常に不味いことだ!!」 


 「はい?」


 「緊張感がないのか!?」


 僕達は早朝、王国へと赴き、国王と話をしている。ひれ伏せていたが、王の怒りにびっくりしてしまい体勢を崩してしまう。他の王の間にいる取り巻きどもも緊張感で顔がひきつっている様子が伺える。


 「スキルすらも扱えず、魔物すらも倒せないお主に果たしてそれは勇者といえるのであろうか!?」


 「いや、僕は勇者ですよ!現に適正検査で証明されたじゃないですか?!」


 王は血眼になり怒っている。流石の僕にもそれがヒシヒシと伝わってくる。まじで本気だ…。


 「そこで、もう一度適正検査をおこなわせてもらう!!今日の午後から再度、魔法学園に赴き検査を受けるのじゃ!!」


 なんだそういう事ね…。どうせ勇者なのは紛れもない事実だし…。


 「それとアレックス以外の少女達にも再度適正検査を受けさせる!」


 「分かりました。では午後に魔法学園に行って僕が勇者であると再度証明してみせましょう!」


 どうせ、結果は分かりきってる事だ。この王に泡を吹かせる結果を出して持ち帰ってやる!



………。

……。

…。



 魔法学園。この世界、ガイアの中では一番大きいとされる魔法やスキルの研究を行う学園でもある。昔、先代の勇者とともに魔王を倒した英雄の一人、大賢者ストラゴスが設立した大きい学園。僕もここで勇者の称号を得た場所だ。


 国と国の問題もあるという事もあり、フィリシアもミランダも同席した上での検査。どうも二人とも僕の事を信用していないみたいだ。


 疑っている事で勇者と改めて証明してこいつらを好き放題させてもらう!!


 あ~、朝までヤりまくってたのにまたムラムラしてきたぜ…。


 「それでは準備ができましたぞ…。勇者様… 前へ…」


 俺は祭壇と上がり、巨大な水晶に手をかざす…。水晶は眩しい光を放ち辺りを一瞬光らせる。暫くして光が収まり…。


 「こ、これは!?まさか?!」


 ほら!皆驚け!!僕が勇者だ!!ふはははっ!


 「やはりそうであるか!」


 ははははははは!どうだ!改めてひれ伏しやがれ!!ははははははっ!


 「勇者アレックスの職業ですがやはり…」


 早く言えよ!そして謝罪しろ!ハッハッハッハッハッハッ!!


 「魅惑術士です…」


 ハッハッハ… はぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっっっ!?


 「は!?何言っている!ふざけているのか!?」


 「ふざけなどいない! この水晶は真実を語っている…。しかし、どういう事だ…。たしかにあの時…」


 ミランダは俺の顔を見るなり、無言で出ていく…。エルフのフィリシアも「はぁ…、やっぱりか…」と出ていく…。


 は?!なんなんだよ!どいつもこいつも俺に助けられてたくせに!?


 「これにて検査を終わりにします…。魅惑士のアレックス…。早くここから出るといい…。」


 「ふざけるな!もう一回!もう一回頼むよ!なぁ!!」


 「兵士達…、この者を連れ出すが良い…」


 「待ってくれ!!頼むから!!」


 僕は兵士二人に腕を捕まえられ…。


 「さっさとこい!人騒がせなやつめ!」


 その場を後にする事となった…。


………。

……。

…。

 ここからルイスの逆転劇が始まっていきます。果たしてあのルイスの幼馴染み達はどうなるか?アレックスはどうなるか…

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