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34 勇者アレックス、フィリシアに会う ~アレックス視点~ その2

~ルイスが仁の家に到着する前の事…~


 僕達は王様の命で、クレンセントの森へと足を運ばせる準備をする。特に異形のモンスターは夕方から活発化するみたいだ。


 それにしても昨日ムカついてストレス発散の為にやりまくったから足がガクガクだ。おまけにこいつらも足が震えている!


 「勇者様…昨日は一番凄かったでしたわ…」


 「足がやべぇ~よ!おんぶ!!」


 「ずるい!私も!」


 はぁ~!こいつらは最高の聖奴隷だぜ!ルイスざまぁ!!ぐひひひっ!


 そんな事を考えていたら、王国街の一部が何やら騒がしく、新聞が配られていた。新聞配達の兄ちゃんが新聞を手渡してくれる。


 なになに~…。


 『ヘルポリア村の住民を緑骨団から解放!盗賊44人捕獲!救ったのは若手の青年(ルイス・ガーランド)!英雄の誕生により、来年よりこの日の宿屋は無料にも!?』


 『ヘルポリアの英雄。今度はエルフ国の王女を救う!?クレンセントに現れているSランク冒険者でも苦戦していた異形のモンスター…それも数十体同時に仲間と共に軽々と討伐!!エルフ国からも絶賛の声が上がっている模様か?』


 はっ?!なに?!何かの間違いだろ??ルイス・ガーランド? どうせ同姓同名の誰かだろ!あんな無能が何も出来るはずないだろ!?


 更に、その下を見ると…。


 『救援要請を無視している勇者パーティー… 彼らは一体いずこへ』や『真の勇者パーティーこそルイス・ガーランド率いるパーティーか!?』


 等々、新しく誕生した英雄で王国は盛り上がっている。


 はっ?ナニイッテンノ??僕こそが勇者で英雄なんだが?!


 「勇者様、あまり落ち込まずに… それにしてもルイス…?どうせ同姓同名なんでしょうけどね…」


 「気にしたらダメだぜ!」


 「大丈夫…大丈夫!」


………。

……。

…。


 

 クレンセントの森に入りちょっと歩けばエルフの王国に着く。王国といえど村程度の集落だ。


 僕は勇者だと伝えるなり、一人のエルフの女性が顔を出す。なんて綺麗な美しい女性なんだ!金髪のロングヘアーにくりっとした可愛いらしい目。20歳前くらいだけど少しあどけなさが残る顔。くらい僕はどうやって犯そうかも考える。どうせならミランダと一緒にやっちまうべきか?!


 「おい、止まれ!」


 「遅くなって悪かった。僕が人類最高の救世主の勇者アレックスです。」


 エルフの女性は『あっそう』と言いたげな表情でこちらを見る。


 「私は…エルフ国ブルーデージ国が王女…。フィリシアと申します。貴殿らが噂に聞く勇者パーティーか…」


 「はい。そうです!僕が人類の救世主であり世界に一人といない勇者です」


 エアロとシューがこそこそと


 「あの人綺麗だな!」


 「本当ですねぇ~」


 等と話をしている。


 僕は、そういってフィリシア王女に手を差しのべる。彼女も手を差し出してくれて握手をする。

そして俺は…。


 「……………。」


 「おい、いつまでやっている。」


 「あっ!ああ…!すまない!!」れ


 あら?どうして効いてない!?あの時もだったが…


 「それにしても、貴殿が勇者か… なるほどなぁ…。」


 その時だった、ブルーデージ国の兵士が血相を変えて駆け足で俺達の元へとやってくる。


 「緊急のためご無礼をお許しください!!王国内にデスフラッグが2体現れました!!」


 は?モンスター?なんで今更でてきやがんだよ!


 「なに!?なんでモンスターが!?分かった!今行く!」


 それに、この王女様やる気満々だし…


 「勇者様も協力してほしい。どうか頼む!」


 ちっ、めんどくせぇ~な~…。仕方ねぇ…


 「よし!倒しにいこう!!」


 ほんとめんどくせぇ~…。




………。

……。

…。


 

 僕達は城内を出る。それほど大きい国でないため、城を出ればどこにデスフラッグがいるかが分かった。


 「あそこだ!!後は私と勇者様でなんとかする!」


 フィリシア王女の声に、周りが歓声をあげる。


 『勇者様だって!』


 『ついに来てくれた!カッコいい!』


 『あれが勇者パーティーか!連れているメンバーも可愛い!』


 『聖女様もいる!』


 ぐへへへっ!!そうこれだよこれ!勇者はこうでないと!!


 僕達は2体のデスフラッグの前にやってきた。デスフラッグは民家や畑を荒らし回っている。人は無事逃げたらしいが、そんな事はどうでも良い。


 カッコいいところを見せてやる!とくと見てやがれ!


 人足先にフィリシアはデスフラッグというモンスターに突っ込んでいく。

 

 僕は剣を構えて集中させる。


 「ほう、その構えは…セイントバーストか!やはり勇者か!」


 フィリシア王女はセイントバーストを知っているのか!?なら話は早い!!


 「っおら~~っ!!セイントバーストっ~~!」  


 僕の声とともに眩しい光を放つ閃光が出る……はずだった。


 プス~~……。


 「なっ!やっぱり出ない!ちっ!」


 僕はやけくそになり、デスフラッグに突っ込み

剣で斬り刻む。しかし、まったく効いていない…。

 デスフラッグが攻撃をしてくるも僕は弾き飛ばされてしまう。

 僕はつい、舌打ちをしてしまう。なんででないんだよ!!僕は、こちらに一旦かけつけてきたフィリシアに顔を向ける。舌打ちを聞いていたフィリシア王女が…。


 「は?!」


 呆れた顔をしてこちらを見る。やべぇなあ~。カッコいいとこ見せようと思ったのに!


 「何故、セイントバーストを放てない!それに今のお前では無理だ!離れろ!」


 その間もシューが弓で、エアロが魔法で応戦するも全く効いていない。どうなってんだよ!くそっ!!


 「勇者様!魔法が効かないです~っ!」


 「だめだ!逆に弓が折れるよ!」


 クリステルが結界をはるも…


 「このモンスターの攻撃!順丈じゃありませんことっ!」


 デスフラッグの大きな鎌状の手足でふりつけてくる。その凄まじい衝撃に無惨にも結界が破れる…。


 「こ、これが勇者パーティーだと?!王国は何を考えている!!まだあの時に出会った青年の方が…」


 フィリシアは何かぶつぶつ言っている…。カッコいい所をみせようと思ったのに最悪だ!

 

 それから…。僕達の後方から不気味な何かの雄叫びとともに、何かが現れ出す…。 


 「な、なんなんだあれは!?」


 フィリシアの表情が引きつって険しい顔になる。そこに現れたのは…。


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