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20 ヒナルの天敵…


-ジェイ視点-


 まさに、一瞬の出来事であった。やはり、怪しいと睨んでいた通りであった…。最近、緑骨団が勢力を増し被害が拡大していると聞いていたら…。まさかヒナルどのが連れ去られてしまうとは…。拙者の目にも収まらないほどのあの動き…。まさにあやつも忍者…。拙者の不覚であった…。

 

 (とりあえず… ヒナルどのはまだ眠っている様子…。しかし…、起きれば何されるかわからぬでござるな…)


 拙者は身軽さやスピードには自信があり隠密行動にも長けている。ポーターというのも実際はこの拙者のスキルにも合っていたからもある…。


 (ルイス達が気が付いてくれれば良いでござるが…。)


 ルイスどのを呼びに行きたいところだが、あの早さでは見失ってしまう…。"今の状態拙者"ではどう考えても無理があるでござる。そこで一か八かの賭けで拙者が通ってきた道に発光石を置いてきたでござるが…。気付いてくれたら…。


………。

……。

…。



 「なぁ~!こいつまだ起きねーぜ?」


 むっ…。緑骨団か…?白と黒が入り乱れて小汚ない髪の男二人がいる。そのうち一人は片腕がない。


 「ほんと、こいつがいなければこんな変なとこ来てねーっつーの」


 「ちょっと~、そんなやつさっさと殺しちゃわない?」


 「こいついなかったらトモヤ死んでなかったのに…、それに私とミキだってあんなやつらに…」


 茶色した髪の少女は半分泣きじゃくってる…。ヤツラは拙者の姿がまだ見えてないようだ。助けたいが今はまだ無理でござるな…。チャンスを伺ってからじゃなければ…。今の拙者には…。スキルが使えたら…。


 「んっ… ん…??えっ!?ちょ!!」


 む…、ヒナルどのが目を覚ました…。まずいでござるな…。


 「あ、あれ!?なにここ!?って!!中村!?あんたたち!?」


 ヒナルどのは、相手の事を知っているのか?相手側もニヤニヤしてヒナルどの見下している。


 「お目覚めいかがっすかー?!」


 仲村と呼ばれた男がヒナルに笑い返す。


 「なんで、あんたらがここに!?」


 「はぁ?トモヤが死んだって言うのにお前は余裕ぶっこいてんな?」


 「調子こくなっつーの!すぐ奴隷にして売りさばいてやんだから!」


 「あんたのせいで私達が体売る事なったのわかってんの?!」


 「それは私のせいじゃないし!!」


 ヒナルどのの知り合いなのだろうか?ヒナルどのに暴言等吐いていて、聞いているこちらは気分が良いものでない。


 「ヒナル!あんたは私たちを拾ってくれたルシルさんに売られるってわけ~。絶望味わいながら苦しみな!!」


 ルシル…!まさか…、あのルシルがここにいるのか!?ルシル…っ!!!あの男は忘れもしない…。拙者の敵!!


 「おう!!ボウズども!あのガキは目ぇ醒ましたか?」


 むっ…、向こうから少し背の高いか細く顔の右頬に傷がある男が出てきた…。


 (あいつは…!あいつは!!やっぱりルシル!!クソッ!!出ていき今すぐにでも"あの事"を問い詰めたい所だが…。まさかアイツもここのテリトリーにも絡んでいたとは…。相手が悪いでござるが…。しかし、ヒナルどのを助けなければ!!)


 「ボウズどもにゃー、上玉じゃねーか。どこで見つけてきた?」


 「ヘルポリア村に来ていた冒険者っす!その女は俺らの復讐相手っす!」


 「ほう!!復讐なぁ!!サービスに少し楽しませてやる! 終わったら俺を呼びにこい!」


 ルシルは、そう言うと奥に入っていく…。


 「さぁさあーヒナルちゃんー、まずは楽しもうか?!」


 「い、いや…!!」


 ヒナルどのが危ない…。ルイスどのはまだでござるか…!?


 「お前ら最低~。まぁヒナルがヤられるなら笑ってみててやるけどさ~」


 「まずは俺からな!」


 「や、やめてよ!!」


 一人の男がズボンを下げようとする。拙者はいてもたってもいられず男の懐へと忍より…。男の首元をかっ切った。


 「ぎゃ~~~っ!!」


 「な、仲村!?」


 拙者は、すぐさまヒナルを背負い後ろへと飛ぶ。


 「ジェイさん!?」


 「そこで待っているでござる。後は任せるでござる!」


 拙者は武器を構えるが…。


 「ルシルさんを呼んでこよう!」


 「でも仲村があ!!!」


 「もういやぁ~!!!」


 もう一人の片手を失った少年と少女二人は奥の方へと逃げだす。


 「ありがとうございます!ジェイさん!」


 「気にする事ないでござる!拙者の娘達と被ってしまって助けないわけにいかないでござるからな!ははは!」


 その時、入り口の方から人影が見えた…。


 「ヒナル~!!どこにいる~っ!」


 「ヒナルちゃん~っ!うちきたよ~っ!」


 「ルイスさんだ…!」


 うむ、ルイスどのか…。ついに来てくれたのか…。拙者は妙な安心感を覚える。家族以外にこんな安心感を覚えたのは初めての事だったからである…。

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