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フラグ回収から始まる悪役令嬢はハッピーエンドが見えない〜弟まで巻きこまないでください〜  作者: 空野 奏多
悪役令嬢、物語に挑む〜ゲームの舞台もフラグだらけです〜
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551話 ちょっと恐怖なサプライズプレゼント

 いくらいい手札カードを持っていようと、戦略で負けたらゲームは負ける。


 カードの真価を発揮できるかは使用者プレイヤー次第……というのは一応、私もわかってはいる。



 問題は私がその使用者側だってことなんですけどねっ!



 もう一度例の鏡の先の家を調べることになったので、シーナがあの3人を招集してくれた。ただひとつ、問題があるのを忘れてはいない。


 ノア君について調べると記憶消される問題。

 まったく解決してないからね。

 どこまで関わるとダメなのか不明です。


 でも接触の機会が多いほど危ないのは確かで。そういう意味では、普段の仲良しメンバーはやっぱり手伝わせるわけにはいかない。



 でもシーナたちはどうなんだろう、というのが私の疑問。



 シーナにノア君が直接話したことってないんだよね。シーナも元シブニー教の人を避けているのか、接触しようとしなかった。


 とはいえ情報屋である前に、私の命の恩人であるノア君のことを知らないというのは無理なわけで。



 だけど、それは一方的なもの。

 少なくとも、ノア君はシーナを知らない。

 裏ノア君が知るとしたら予知や過去視だ。

 


 でも彼が表に出てくるようになったのは最近のこと。それに、時間も限られる。ピンポイントで調べようとしないと無理じゃないかな?


 闇魔法は万能じゃない。

 そして裏ノア君も万能じゃない。

 だって神様じゃないからね。


 この世で全ての未来と過去を見られるのは、女神様か時空神くらいだろう。今の時点で、裏ノア君に情報屋(キャルト・ア・ジュエ)は知られてない。



 けれどそれは、現時点の話。

 対策は、取れる時に取る!

 巻き込む以上責任は取らないとね!



「向いてないことは力でごり押すことに決めてるんだ、私——ということで!」



 人の心をつかむには演出が大事!

 特に神秘的にみせたいならね!

 なので一芝居打ちまして〜!


 顔の横に頬杖をつくようにかまえていた手を、人差し指と親指をずらす。瞬間、扇のように並ぶブローチ現れる。


 嘘つきの技術と責任感の強さだけは人よりある(はず)なので、ここで1つ手を打たせてもらいますね!



「これをあげるわ。お守りだと思ってちょうだい」



 これはトランプのスートをもとに、私がデザインしたブローチ。……まぁ、デザインに意味はないっちゃないんだけどそこは気分!


 というわけで、例の家に行く前に!

 シーナが招集した情報屋のみんなに!

 即席守りを渡しておきますね‼


「お嬢様……こちらは?」

「ん? さっきも言ったけど守ってくれるブローチだよ。ただ材質と効果が特殊っていうか。味方しかつけられないブローチっていうか?」

「理解できませんのでご説明いただけますか?」


 もともと説明するつもりではいたんだけどなぁ。


 ビスとトリスとテトラキスも不思議そうな顔。んー喜ぶと思ったんだけどなぁ? ま、わからないものは持ちたくないか。


「これはね、クロで作ったんだよね」

「はい……?」

「分身体みたいなかんじというかね。スライムって魔力があれば増えられるらしくて。それに私が闇魔法をかけたり魔力を抽入したのがこれっていうか……」


 まぁ、擬似魂を持つほどのものはムリだけど。


 理屈上は可能だなとは思ってたんだよね。魔力濃度の高いところから魔獣が生まれる、つまり魔獣は魔力の塊なわけだし。


 なら私が魔力を余分にクロに渡してお願いしたら、闇のスライムは増やせる——というのに気づいてしまった。


 この世界では魔道具の素材は大抵魔獣の一部なので私はおかしくない。レイ君とかそのために狩りに精をだしてるくらいだしね。



 ただひとつ誤算だったのは、このスライムが全てクロの意思に従うってことだったけど。



 足元にいた黒猫姿だったクロが、ぴょんっと跳ねてスライム姿に戻るなり肩にのってくる。なんとなく誇らしげだ。


「私の神の涙(ゴッズティアー)って、アルティメットスライムの一部を使ってるんだけど。変化するから穴開かないのね。まぁその応用というか……」


 せっかちなシーナに1枚渡して、実演することにする。


「えっと、まず2回タップでブローチが消えます」

「⁉」

「あ、別にほんとに消えたわけじゃないよ。これはスライム特有の変化による擬態っていうか。触ればわかるし」


 なんて説明したらいいかな。

 まぁ使って慣れてもらうしかないけど。

 とりあえず使い方だけ先に話そうか。


 指先で見えない形をなぞってるシーナと、それをのぞき込んでるみんなを眺めながら話をすすめる。


「秘密道具が見えるものじゃ困るでしょ? だから、普段は隠しておくの。こういうの、ちょっと秘密結社っぽいよね〜!」

「この世に存在しない物質を生み出しておいて……いえ。一旦聞きましょう」

「じゃあ続き話すね!」


 タップを2回してブローチを出現させておく。見えないと実感しにくいもんね。


「とりあえずこれの主な機能は2つ。本当に危ない時に隙を作るのと、近くの安全な場所に転送してくれるってことね」

「……もうどこから突っ込めばいいのか」

「やり方は簡単! ただつけとくだけ!」


 と言いながら、ブローチめがけて魔法仕込んでおいた羽ペンを投げる!


 すると銀の光を放ち、ペンは弾かれて。

 ついでに持っていたシーナがちょっと移動。

 うん……まぁここが1番安全だからね。


「……えー、わかりにくいけど。基本的には、半径10キロくらいの距離で安全なとこに転送されるよ。まぁ、1回使うと壊れちゃうけど」


 シーナの手からはブローチが消えてる。


 普通のスライムだと、力に耐えられないし消費しきっちゃうんだよね。私が無理やり魔力詰めてるだけなので……。


「一応使ったなってことは、クロが把握できるみたいだから。自分の分裂体だからね。クロがわかれば私に知らせてくれるからなんとかはなる……」

「お嬢様は、戦争でも始めるおつもりですか?」

「ぬぇ⁉︎」


 ぎくっとして、変な声が出た。


 い、いや戦争はしないけど……うーん、世界の命運が絡む戦いは、するかも。


「まぁまぁ。私は私の関わる人が安心安全笑顔でいて欲しいだけだよ。この前みたいに危ない目にあってほしくないし……例の調べものも、ちょっと危ないかもだから」


 持ってるブローチを配りながら、「まぁ、これは私のエゴだから好きにしていいけど」と付け足す。全部は説明できないから。


「ついでにこれ、クロが勝手に私の味方かどうか判断しちゃうから……私のこと好きな人じゃないと持てないんだよね。なんか悪いけど」

「! 主への忠誠心が試されると⁉︎」

「もちろんつけます! 主様への愛を証明します!」

「持っているだけで主様の愛を感じられるなんて……断る理由などひとつもありません! 拝受いたします‼︎」


 な、なんか機能より味方判定の方に反応されてない?


 まぁいいか持ってくれるなら……と思ってシーナを見ると、「お嬢様は相変わらずおかしな方です」と言いながら付けてた。ツンデレ?


 まぁ私も魔力半分くらい消費して作った甲斐ありましたね……今ノア君に襲われたら負けちゃうかもなと思いながら、目的地にみんなを先導することにした。

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