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2コール
午後10時を過ぎたあたり、俺はベッドに寝転んだまま、スマホをいじっていた。するとスマホの画面に通話の画像が表示される。
通話ボタンを押す。
「もしもし」
「今日は話かけてこなかったね」
「話しかけない約束だろ?」
昼間の距離感と夜の距離感は別人のように感じた。
「そうだった。今日ね、家庭科の授業でパンケーキを作ったの」
「うんうん」
「私の料理のスキル絶望的なの知ってるでしょ?」
「楓の料理は、腹下す」
「最低」
「褒め言葉として受け取っておくよ」
「はいはい」
「それでさ、私の焼いたパンケーキ誰も食べてくれなくてさ、持って帰ってきちゃったから、捨てるもったいないからあげるね」
「は?」
「あげる。パンケーキ」
「そ、そうか。くれるならもらうか。明日屋上で会うか?」
「うん。二人で学校で食べるの久しぶりだね」
「そうだね。あの日以来かー、二人で!」
「うん」
一瞬の間が空く。
「寝るね」
「おやすみ」
「おやすみ」
通話が切れたあと、明日の昼から腹を下す事が確定した。




