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1コール
深夜0時をまわった。
俺は自室でゴロゴロをしていた。
するとスマホにやつから着信が来る。
少し躊躇したあと、通話に出た。
「もしもし」
「おそい」
「今何時だと思ってんだ!」
学校では、無視していたのに、夜の声だけはあの時みたいだった。
「深夜0時だよ」
「そうですね」
「学校では話しかけないで」
「なんで?」
「いいから、恥ずかしい」
「良いじゃんか、それくらい」
「学校で颯人と噂になるのが嫌」
「僕も楓と噂になるのは嫌」
「じゃあちゃんと守って」
「わかった」
少し間が空く。
「今は話していいからね」
「うん」
「学校さ、つまんないよね」
「そう?」
「はーくん、ーーあ、間違えた。颯人だってそう思うでしょ」
その呼び方に胸の奥が少しだけざわつく。
「別につまらなくはないけど、この前は、綾香と一緒にショッピングモールに行ったりするくらいだな」
「健二は人気者だしねー。綾香ちゃんは可愛いからね」
「楓、何その言い方?」
「だって本当のことでしょ?」
「楓だって普通に可愛いだろ」
通話の向こうで、息をのむ気配がした。
「……ふーん」
「ふーんってなんだよ」
「前みたいに呼ばないんだなーって思っただけ」
「……」
「そろそろ寝るね。じゃあね。はーくん」
通話が切れたあとも、「はーくん」その言葉だけが残った。




