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同棲癖。  作者: 濃紺色。
同棲癖。
12/16

またね。

依夜と涼夜の夜が、終わる。

私は1人、暗いリビングに佇んでいた。

突如現れ、消えた明日香。

何が起きたのか分からなかったが、そんなこと別にどうでもよかった。

開けっ放しの掃き出し窓から、夜風が私を包み込む。


「……暖かい」


夜風が暖かい。春の匂いがする。もうすぐ、春がやって来る。

この街の春は、優しくて、暖かくて、儚くて……。

金曜日の夜がもうすぐ明ける。

濃紺色の空。街灯。廃れた街。夜風。

今夜は、2人で過ごす最後の夜。

涼夜はもう、眠ってしまっただろうか。いや、彼のことだ。寝室で、眠れずに天井を見上げているだろう。……多分。


「ほんっとに、私は……」


思わず、笑みを浮かべてしまった。

そうであって欲しいんだ。

せめてそれぐらいは、彼の人生を変えたかったんだ。

明日、彼はこの部屋から去って行く。

楽しかったよ。暇潰しが出来たみたいで。

明日は、笑顔で手を振ろうと思う。


「バイバイ……またね……」


何だろう、この気持ち。苦しいのに、何故か、スッキリしている。

明日、彼はこの街から去って行く。

この街の春は、優しくて、暖かくて、儚くて……




意地悪だ。

完結です。

ありがとうございました。

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